【車中泊の危険】回避するためのポイント

くるま旅

車内装備を整えて、快適に車中泊できる工夫を施せば、どこでも勝て気ままに眠れる居場所が出来上がる。その手に入れた自由は計り知れない。その一方で、車という限られた空間であることや、泊まる所で駐車するという行為自体の特性ゆえの課題などが浮かび上がる。これらは、何らかの対応をしなければ問題が発生するがゆえに、避けては通れないものとなっている。

今回は、車中泊に内在する課題を明確化した上で、それらに対処するポイントを解説する。誰もが知っていることだが、念の為の警鐘、心得として再認識していただきたい。

車中泊に内在する9つの課題

①一酸化炭素中毒
②火災
③エコノミークラス症候群
④熱中症
⑤凍傷凍死、低体温症
⑥盗難、車上荒らし
⑦強姦、不審者、防犯
⑧エンジン騒音等
⑨傾斜による発進

課題①:一酸化炭素中毒

車内調理でガスバーナーやガスストーブを使うと、一酸化炭素中毒となって最悪死に繋がる。冬季車外のマフラー排気口が雪で覆われても発生する。

ガスバーナーを辞めて電気調理器具に変更する、ガスバーナーを使う際には、検知器を取り付け、換気窓を開けて行うなどの注意が必要だ。冬季の暖房運転は排気口付近の雪かきや大雪の時には暖機運転しないなどにも注意が必要だ。

課題②:火災

一番多いのが車内調理で油ハネや器具の転倒による火災発生だ。ガスバーナーは特に注意が必要だ。限られた空間ゆえに被害拡大のリスクが大きい。

まずは、安定した場所、決められた場所などで調理することが望ましい。併せて、小型消火スプレーを常備しておきたい。私は、既設料理台とDIYで増設した調理台に決めている。特例は、テーブルの上。鍋をしたり、お湯を沸かしたりするが、できるだけ電気器具を利用している。

課題③:エコノミークラス症候群

狭い空間では、寝返りを打ったり、手足を伸ばしたりすることが制約されやすいので、血流が滞ったり、寝不足になったりして、エコノミークラス症候群になる恐れがある。長期の旅に出て連泊する時にも注意が必要だ。

寝る空間には妥協しないこと。まずは、できるだけ床は段差をなくしてフラットにすることと、敷きマットで寝心地を確保、夏の暑さ対策冬の寒さ対策、騒音対策などで寝不足を解消すること。車中泊でゆっくりと眠れることが車中泊成功の鍵と言っても過言ではない。

課題④:熱中症

車内温度は、車外温度よりも10℃以上高くなると言われている。気温30℃なら車内温度は40℃以上になる。ゴールデンウィークでは、気温が20℃を超えるようになるので、車内はひと足早く真夏状態になる。

暑い(温度が高い)時、湿度の高い時、照り返しのきつい時には車中泊しないことが一番の対策。サンシェードやカーテンで遮熱したうえで冷房や通風で体温を下げることはもちろん、水分不足にならないように水分補給や塩分補給など体のケアも必要だ。私は、年中、塩飴を常備している。夫婦間でも、「水分取った?」とできるだけ声を掛け合うように注意している。

課題⑤:凍傷凍死

冬季寒冷地に行けば、車内温度が零下になることが多い。外で寝ているのと変わらない寒さである。よって、車内温度を上げるための暖房や体を温めたり保温したりするための対策は必須である。

一番は、体の保温。特に手足の保温は大切。次に、車内温度を上げるための対策として、FFヒーターや電気器具による暖房は比較的安全だが、ガス暖房等には注意が必要だ。最後の手段として、エンジン暖房だが、積雪対策が必要だ。雪が降り積雪があることを前提として、長靴とゴム手袋とスコップはできれば常備しておきたい。

課題⑥:盗難、車上荒らし

車自体の盗難、車内の物品の盗難。

鍵のかけ忘れ、長時間の駐車、外から見える位置に貴重品を放置したり、高価な器具を置いたりなど、原因は様々。

私の場合は、ハイエースという盗難に会いやすい車種であるので、初めてハンドルロックなるものを設置した。長時間車を離れる時には、それに加えて、サンシェードで外から中が見えないようにしているし、冷暖房器具やアクションカメラなど外から見えやすい場所にある高価な器具には手作りカバーを被せている。

寝ているときには、車内にいるからという安心感からロックをかけないで寝ないように。ロックは忘れずに。

SNSの時代になると、リアルタイムの投稿は危険を伴うと言われている。特に、目立つキャンピングカーなどは狙われやすい。SNS投稿は、帰宅後にしよう。

課題⑦:強姦、不審者、防犯

一般的には、人気の道の駅など深夜でも人の出入りや通行がある場所、明るい場所は比較的人目につきやすい。一方で、郊外の灯りのない暗い場所や離れた人目につきにくい駐車場所などでは狙われやすい。女性一人の車中泊が増えているし、夫婦二人でも女性が単独で行動したりするとリスクは高まる。防犯ベルなどの個人対策には詳しくないが、私達の場合には、まずは、トイレに近くて比較的明るい場所に駐車するように心掛けている。次に、トイレや歯磨きに行く時には、できるだけ一緒に行くようにしている。

夏に道の駅など公共の場所で、網戸で寝る場合もあるが、寝る際には、網戸の開口を少し減らして、ベンチレーターや扇風機を活用して通風を確保するようにしている。

不審者にはまだ出くわしていないが、ちゃんと見てるぞというサインを出したり、ひどい場合には、こちらから声がけして牽制するなどを考えている。

課題⑧:エンジン騒音等

エンジン騒音、オーディオ騒音、数人の話し声騒音。これらは、被害者にもなり、加害者にもなる。被害者のリスクとしては、寝不足に直結する人もいることだ。さらに、トラブルにまで発展すると怖くなる。まずは、騒音を出さないようにすることが最も重要。そして、騒音を避けるよう、駐車場所の選定に注意することだ。

課題⑨:傾斜による発進

駐車場所が傾斜していると、気が付かないうちに車が勝手に動いてしまうこと。サイドブレーキの引きが甘かったりすると危険だ。やむなく傾斜のある場所に駐車場所せざるを得ない時には、レベラーを設置するか、駆動輪にストッパーをかませるか、いつもよりもきつ目にサイドブレーキを引くかなどの対策が必要だ。特に、車両重量の大きいキャンピングカーには注意が必要だ。

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