SNSをやっていて、長岡造形大受験生から「入学は難しいですか?」と聞かれることがよくあります。受験倍率やインターネットの情報を見ていると、心配になる情報をよく見かけますが、実際のところはどうなのでしょう?
過去には私たちの経験も共有させていただきましたが、今回は「長岡造形大学合格は無理」と諦めていた状況から、見事合格した先輩達それぞれのケースと「諦めずに挑戦できた」要因を紹介していきたいと思います。
みんな難しいって言ってるけど本当?
長岡造形大学を目指す人は、美術系の高校に通う人や美術部だった人、画塾に行っている人や、全く美術に触れていないけど大学からやってみたい、などさまざまな人がいます。
この経験の差によっても難しいと感じるかどうかはバラバラになってくるでしょう。昔からずっとデッサンをやってきた方と、高校3年から急に始めた方とでは、受験対策の捗り具合に大きな差が出ますからね。
私個人の周りは、頑張って合格を掴み取った人や奇跡だと言っている人が多い印象です。しかし、別のコミュニティでは有名な美大の滑り止めで受験したという方もいるそう。
頑張り方も人それぞれで、コツコツ努力した人もいれば、実技あるいは学力で圧倒しようという方もどちらも耳にします。どのような方にも可能性が開かれているといって間違いないでしょう。
大学の難しさを語る上で客観的な指標の一つ、『受験倍率』を見てみることにします。
倍率の面では国公立の美術系大学だということもあり、年々倍率が上がってきています。私が受験した総合型選抜は当時5倍ほどで、この年に印象に残っているのは中期試験の倍率が10倍を超えていたということです。
これだけ見ると、決して『簡単ではない』と言えるかもしれません。
「ああやっぱり無理かも…」
そう気を落としてしまう方もいることでしょう。しかし、逆に言えば、これだけ人気があるということは『多くの方が入る価値』があるということ。皆さんの才能が、努力を活かす道が開ける可能性が高いということなのです。
今まで、私たちaribadoメンバーの実体験などを中心に受験事情をご紹介してきましたが、今回はあえて「もう絶対受からない」という切望的な状況から見事に合格を掴み取った現役造形大生の方にその諦めない秘訣を伺いました。受ける前から絶望で、そこで受験勉強をやめていたら、この未来を掴めていなかった先輩たち。
その栄光までの道筋から、諦めないための哲学を感じ取って頂けたら幸いです。
私(視覚2年)の場合
インタビューは同じ質問は以下のように行なっていきますが、まずが私のケースをご紹介させていただくことにしましょう。
Q1 E判定だった時の状況ってどうだった?
私は勉強が好きではなく、あまり身が入らない感覚だったので、総合型選抜で決められなければかなり茨の道になると覚悟しました。
実際、総合型選抜の合格をもらうまでは落ちた前提で休日も学校に行って追い詰められながら自習していたのを思い出しています。
Q2 そんな状況をどうやって乗り越えたの?
これはあまり真似をしない方が安全かと思いますが、総合型選抜で合格を決めるために、完璧を追求していました。
ユニークな総合型の実技試験に対応するために過去問と画塾の先生自作の模擬問題を合計10回は解いていた記憶があります。
面接は何度も自己分析を繰り返し、どんな質問がやってきても何かしら自分のアピールポイントを即興で織り交ぜて話せるように対策をしていました。
そしてある程度周りが「君ならできる」と合格を確信してくれたおかげで自信を持って本番の試験で力を発揮できたと思っています。
Q3 受験してみて、ぶっちゃけ長岡造形大学の試験って難しい?
その年の内容や自分の経験の有無によりますが、試験ごとのチェックポイントが見つけ出せれば実技は安定して力を伸ばせるのではないのでしょうか。
学科対策は正直辛いなと感じました。前期試験を受けるなら中期試験も受ける覚悟で挑むとなると、実技に頼らない学力づくりも大切だと考えています。
Q4 造形大に合格した時の感想は?合格できた今の私が伝えたいことは?
自分を受験番号を見つけた時のはしゃぎ具合をよく覚えています。(うるさくてごめんなさい〜…)
試験本番までできることをどんどんやって欲しいです。特に総合型選抜の対策は一見無駄であっても対策したという事実が本番の自信につながることがあります。
ちなみに、メンバーの須貝も実は3回ほど試験に落ちていて(!)、その時の心境を記事ににしてありますのでぜひご覧ください。
美術工芸学科 1年 Aさんの場合
Q1 E判定だった時の状況ってどうだった?
夏頃は総合型や学校推薦型で合格するつもりで過ごしていたので気にしていなかったですが、その二つがどちらもダメになってしまった時は本当に焦りました。
残り一ヶ月でやってくる共通テストまでになんとかしなければならないという絶望感がありました。
Q2 そんな状況をどうやって乗り越えたの?
実は同じように推薦型がダメで、一緒に頑張る仲間がいました。その子がいてくれたおかげでとても心強かったです。
Q3 受験してみて、ぶっちゃけ長岡造形大学の試験って難しい?
とても難しかったです!
推薦は発想力と集中力が試されるため、対応することがなかなかできなかったです。
一般入試はデッサンがありましたが、画塾に2年ほど通っていたので少し自信を持った状態で挑めました。
Q4 造形大に合格した時の感想は?合格できた今の私が伝えたいことは?
もう崩れ落ちるくらい嬉しかったです😭
長岡造形大学は総合型や学校推薦型などチャンスが多い分、落ちてしまった時の落ち込む回数も増えて正直メンタルがやられてしまうこともあります。それでも頑張り続けて欲しいし、特に勉強は続けて損はないと思います!
彼女の場合はE判定の状況に加えて総合型や推薦型の失敗で辛い中でも、日頃からコツコツ頑張り続けた結果が最後実を結んだパターンです。
また一緒に頑張る仲間の有無でやはりモチベーションが変わってくるので、これから受験する子達も仲間を探してみてはどうでしょうか…!
デザイン学科 視覚領域 2年 Bさんの場合
Q1 E判定だった時の状況ってどうだった?
学科対策より実技に重点を置いていたのでもう仕方ないかなと思い、開き直っていました。しかし浪人の身であるため、今年ダメだったら就職しなさいと親に言われていたため焦りはありました。
Q2 そんな状況をどうやって乗り越えたの?
焦りはありつつもダメならダメで仕方ないなと諦めがついていたので、不思議と辛さはなかったです。いつもこなしている実技対策を継続していくのみでした。
Q3 受験してみて、ぶっちゃけ長岡造形大学の試験って難しい?
一般入試のA方式(デッサン。造形大は手がモチーフになることが多い)で受験したのですが、自分の得意な内容であったことと、画塾で十分に対策をしていたため個人的には自分の受験レベルにはあっていたのかなと思いました。
Q4 造形大に合格した時の感想は?合格できた今の私が伝えたいことは?
合格し、入学してからは自分が思っていた以上に交友関係が増えてとても嬉しく、頑張ってきてよかったなと感じられました。入学前後は多浪の身であったため馴染めるかは不安でしたが、浪人してでも合格を掴み取りにいく価値がある大学生活を送れています。
造形大には浪人して入学した人もいます。もし浪人する可能性がある人や浪人している方も彼のように入学後の楽しい大学生活を夢見て頑張り続けて欲しいなと思います。
またE判定であっても焦って極端に対策のメニューを変えることが全てではないことが今回の彼へのインタビューでわかりました。自分の長所を磨き上げて安定した気持ちで勝負に挑むのも手かもしれません。
デザイン学科 1年 Cさんの場合
Q1 E判定だった時の状況ってどうだった?
焦りがあり、自分はもうダメなんだという気持ちが強かったです…
Q2 そんな状況をどうやって乗り越えたの?
自分を信じて、結果を気にしすぎず、淡々と受験対策を続けることで乗り越えました。授業の5分休み、昼休み、食事中など、あらゆるスキマ時間を勉強に捧げて受験を乗り越えました。
Q3 受験してみて、ぶっちゃけ長岡造形大学の試験って難しい?
総合型を受験し合格をいただいたのですが、倍率が高い上に他の人と差別化を図らなければならない部分があるので、自分のやりたいことを掘り下げて伝える努力をしなければ合格は厳しいと思いました。
また受ける予定だった一般受験は、模試の結果が安定していなかった自分にとっては難しく感じました。参考作品もレベルが高いため、こちらも総合型とは違った面で入念な対策が必要だと思います。
Q4 造形大に合格した時の感想は?合格できた今の私が伝えたいことは?
高校一年生の頃から目指していて、とても大好きでずっと行きたいと思っていた大学だったので、合格をいただけてとても幸せです。これからもたくさんの壁にぶつかると思いますが、自分を信じて突き進んでいきたいです。
彼女にインタビューをしていて、「とても大好きでずっと行きたいと思っていた大学だった」の部分に、造形大に対する圧倒的な熱意を感じました。だからこそ、辛い勉強も継続し、総合型選抜で自分の思いを伝えることにも長けていたため合格を掴み取れたのだと思います。
今の状況や自分の実力は、大学への熱意で変えていけるというメッセージが感じられた方でした。
自分を信じられる環境を整える
「E判定」だと分かった時に誰もが一度は焦りを感じるものではありますが、乗り越えて仲間と頑張るもよし、テンションを変えずに突き進むもよし、大学への熱意を胸に秘めて全力を尽くすもよし、頑張り方は十人十色だということがアンケートで改めてわかりました。
全員に共通しているのは「自分のスタイルの継続」。
総合型選抜や学校推薦型選抜でも、一般選抜でも、彼らのように何かを継続して合格を掴んだという例をよく聞きます。習慣化することによって、苦じゃなくなったり、安定したパフォーマンスが発揮できたり、そして験担ぎといった精神安定的役割がありそうです。絶望しても、辛くても、「継続」が自分の人生を変えていくと信じて努力を続ける環境を作ることの大切さを身にしみて感じますね。
今回紹介した例は造形大のうちのほんの数人で、もしかしたらさらにみなさんに似た境遇を持った先輩たちがいるかもしれません。それぞれの状況も勉強法も千差万別ですが、共通しているのは「諦めなかった」ということです。
長岡造形大学ではありがたいことに面倒見の良い先輩が多く、色々な先輩をSNSでのぞいてみて良いかもしれません!私たちaribado、そしてメンバーの各SNSでもぜひ何か質問がありましたら、気軽に聞いてみて食いださいね。
aribadoとしても、渡邊個人としても長岡造形大学を目指す受験生が一人でも多く良い結果を掴んで欲しいと願っています。長岡造形に入学したら同じ土地で一緒に頑張りましょう(美味しいレストランご紹介します!)
「受験しよう」と行動するだけでも本当に偉いのです。
頑張り方は人それぞれだから、自分を信じて、自分のペースで進んでみよう。
受験を終えた身ではありますが、彼らへのインタビューを通して学んだことは受験だけでなく、さらにその先の未来へと繋がっていくもので、とても私自身学びがあり、有意義なインタビューになりました。
ご協力いただいた方、本当にありがとうございました!
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