こんにちは!aribadoの渡邊です。
今回は私たちaribadoが初めて映像を制作し応募した「ACジャパン学生広告賞」の取り組みの紹介と結果報告を段階的に行なっていきます。今回は一番最初の「企画だし」です。コンペに興味がある人や応募したいけどどうすればいいのかわからない…という方も参考になると思います。
ぜひ最後までお付き合いください!
そもそも「ACジャパン学生広告賞」とは?
皆さんも一度は「ACジャパン」という言葉を聞いたことがあると思います。テレビではメッセージ性があって、最後に「ACジャパン♪」というような音声で締めくくられるCMがよく放映されています。
「公共広告」と呼ばれるCMであり、特定の商品や企業の商業的宣伝を目的とせずに、公共性・社会性のあるメッセージを伝える目的で制作された広告です。
そして、「学生ながらの視点でその公共広告を作ってみよう!」と、ACジャパンがオフィシャルで学生向けに開かれたコンペティション、それが『ACジャパン学生広告賞』です。
学生コンペでありながら、グランプリと準グランプリの作品は実際にBS民放11局で放映されるほか、上位の賞に入ると、賞状だけでなくトロフィーや副賞として賞金(ギフトカード)も手にすることができます。実績になることはもちろん、自分の伝えたいメッセージを全国に伝えられるチャンスというのはなかなか貴重ですよね。
プロジェクト始動のきっかけ
このコンペは「テレビCM」と「新聞広告」の2部門に分かれていて、私たちはテレビCMの方に挑戦しました。日常的に見かける公共広告と同じようなテーマで、サウンドロゴを含む30秒間の映像を制作します。
私たちaribadoの紹介の記事でも書かせて頂いた通り、当時仲良くしていた同級生のお友達のお誘いによって集まり、長岡出身の映画監督(以下代表)のもとでインターンを始めた私たちは映像制作に興味を持ち、この映像制作グループを結成。一番最初のプロジェクトがこのコンペだったのです。
アート系の大学に通うとはいえ、専攻も映像でなければ、今までやったことのない道の領域。果たして、一番最初のプロジェクトの結末はいかに?
兎にも角にも企画
まずは企画の背骨となる「何を伝えたいか」を考えるべく、それぞれの日頃感じていることや自分の体験を元に映像のコンセプトやメッセージを一人ずつ考え、ピッチ(発表)し合いながら他のメンバーや代表からフィードバックをもらい、ブラッシュアップを重ねていきました。
この作業が一番時間がかかり、徹夜も重ねて1ヶ月ほど時間を要しました。自分の体験だからこそ簡単だと思いきや、逆に色々な想いが溢れてきて、なかなか30秒の限られた映像の中で伝えることができるコンセプトに仕上げるのが大変でした。
そういった意味では、グループ内での企画ピッチは、周りから客観的評価をもらえて、自分ではわかると思っていたことが伝わっていなかったり、そこまで説明しなくても大丈夫だ、とか自分だけの視点では凝り固まってしまっていた企画が前進していくのにとても役立ちました。
撮れるかどうかは後で考えよう
ある程度コンセプトが固まると、次はストーリーを考えていきます。その際に代表によく言われたのが「この段階では学生が撮れるかどうかの現実性は置いておいて、『自分が撮りたい(伝えたい)もの』を基準に物語を描くこと」でした。
実際に映画の企画でもそうらしいのですが、この段階は作品の想像力や可能性を羽ばたかせる大事な時で、この時点で「撮れること」がプライオリティになってしまうとその世界が小さくなることはもちろん、本質(伝えたいこと)を見失ってしまうからとのこと。
後で撮れるかどうかその物語の本質を見極めて、現実的にすり合わせていけば良い。実際に資金面など権限を持つプロデューサーといつも「撮りたいもの」でバチバチになるそうです。
「お客様は神様?」自分の体験を元にした脚本の作成
そういったアドバイスを受けて私は、自身の体験を元にした物語を考えることにしました。
それが私の企画「お客様は神様だ」です。
このフレーズに耳馴染みのある方も多いことでしょう。しかし、「お客様は神だから、こっちの要望に答えろ」という理不尽な話で使われることが多いフレーズであり、「いやいや、お客様は神じゃないでしょ」と頻繁に議論を巻き起こす題材です。
それを今回肯定の意味で、ポジティブな表現ができないか、というのが私の一番の挑戦でした。
実際に、私もアルバイトでの接客経験があり、様々なお客さんと出会ってきました。大抵の場合は何事もなく、私自身も胸を張って責任感ある仕事が果たせたと思っているのですが、時には私に至らないところもあったのか、終始無言の方やクレームが入ることもあり、そんな時は落ち込んでしまいます。接客経験者なら一度は味わったことのある苦しさなのではないでしょうか。
私のケースの話ではないですが、よくある話として「お客様は神様だろ」といった理不尽な要求やお叱りは確かに存在するでしょうが、一方で接客する私たちに落ち度があったりすることもあるでしょう。
ただ、今回のお話では、私が伝えたいのはそこではなく、『お客様が本当に神様に見えた!』という私の共有したい体験談なのです。
学校の課題に追われ、肉体的に参っている時に厳しい言葉があると、精神的に参ってしまいますが、一方で典型的なやり取りや言葉であっても笑顔であったり、とても優しい話し方をする方、最後にありがとう、と伝えてくれる方、こちらが当たり前だと思っていた接客を素晴らしいと褒めてくれる方に出会うこともあります。そのような瞬間は神様の救いかのように感じるのです。
私たち接客する立場も人間なので、覚えたての新しいことが上手くできなかったり、体調が万全ではなくプロフェッショナルな対応ができずにお客さんに迷惑をかけてしまうこともあります。
ただ、その時に叱責という一つの手段ではなく、相手への気遣いや優しい言葉があると、救われる世界もまたあるような気がするのです。
強い言葉で叱責されると身が萎縮しさらに思うように体が動かなくなったという経験もありますし、何よりも誰かが怒られている様子は見ていてあまり気持ち良いものではないですよね。それよりも、相手を労っている場面に遭遇すると、私自身とても幸せになります。優しい世界が広がってほしい。
まずは自分が神様になる
そんな願いを込めて、お客様になっている皆さんに「救いの神になってみませんか?」という呼びかけをするためにこの有名なフレーズをあえて使っています。
これは自戒でもあります。私自身、自分がお客の立場になってレジので長時間待たされるとイライラすることがあります。そんな時に「もしかして、今日は体調悪いのかな?」と相手を労る心の余裕を持っておくことで、周り巡って自分に優しさとして却って来る気がするのです。
人に優しくされたいのであれば、まずは自分が優しくなること。
自分の体験を振り返り、素直に受け入れることで、伝えたいメッセージを紡ぐことができました。しかし、一体これをどうやって撮れば良いのでしょう?
次回、撮影交渉編へ続きます。
それではまた次のブログでお会いしましょう。See you soon !
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