長岡造形受験生へ!デザイン学科一般選抜選択Bで合格した現役造形大生の話(後編)

こんにちは、aribadoの吉川です!

今回は、2023年度デザイン学科一般選抜選択Bの二次試験「提案書」の対策で私が行なったことをお話ししていきます。

「提案書」って学生からすると聞き慣れないワードですよね。他大学の二次試験にある小論文でも同じことが言えますが、一つの正解がなくて対策が難しい印象が私にもありました。

そんな敷居の高いイメージがある提案書ですが、二次試験で必要な能力は、大学に入ってからも求められていると常々感じます。選択Bに興味がある方、実際に今対策をしている方はぜひ参考にしてみてください…!

選択Bで大きな配点を占める、共通テストの対策は前回の記事にてまとめてあります。よろしければご覧ください。

選択Bの二次試験はどんな特徴がある?

造形大から出されている模擬問題を見たことがある方なら分かると思うのですが、提案書の模擬問題ってとても幅広いジャンルから出題されていますよね。

鉛筆キャップの改善案、デザインミュージアムの企画提案、地元をテーマにしたすごろくの制作…といったように、傾向に一貫性が全くありません。

実家にある棚です。倫理が本当に大好きで、大学になった今でもたまに勉強しています。受験期はニーチェの言葉に救われました…!

だから、本番でどんな問題が出題されるか予想できません。
出された想定外のお題に対して、90分の制限時間内に図と文章で回答しなければいけないところが提案書の難しいところだと思います。

一番やってはいけないことは時間切れで回答ができないことです。どんなに優れた発想力、表現力を持っていても相手に伝わらなければ評価ができないですからね。それに比べて凡庸な発想だったとしても、分かりやすく、正確にまとめられている方が点数が高いはずです。

また、2024年現在、共通テストと提案書の配点比率は4:1となっています。二次試験の配点が共通テストの二倍ある大学なら全く話は別ですが、良い意味でも悪い意味でも、他大学と比べて差がつきにくい(=いわゆる逆転合格が起こりにくい)のが選択B二次試験の特徴だと思います。

とはいえ、提案書の配点が100点で、共通テストは4科目の合計が400点(1科目100点)です。つまり、点数で見れば提案書は共通テスト1科目分と同じ重さがあります。

共テ1科目分もあれば、点数差によっては余裕でひっくり返るので諦めも慢心も禁物です!

この記事を書くときにまとめていたメモです。帰省のために乗っていた電車で書いていました。

日常は模擬問題にあふれている

以上のことから、選択Bの二次試験でまず必要になるのは「どんな問題が出ても発想をすばやくまとめて伝える」能力、一言で言うなら対応力だと受験生時代は思っていました。

独創性やオリジナリティも大切だと思います。しかしそれは自分の考えを図示、言語化できることが前提で、その上で伸ばしていく能力だというのが提案書に取り組んでみた印象です。

ここからは実際に、私が提案書対策で行なっていたことをお話しします。まずは模擬問題の活用法です。共通テストが終わってから、本格的に二次試験の対策に取り掛かっていくのですが、すぐに模擬問題を一通りやるといったことはしませんでした。

私は模擬問題を定期的(だいたい週一)にやることで、「二次試験でどれだけ戦えるか」の指標として利用していました。模擬問題は過去の入試で出された問題に近いものなので、大っぴらに言ってしまうと模擬問題でうまく回答をまとめられるなら、二次試験でも十分に戦えると思います。

最初に模擬問題をやってみたとき、時間が全然足りなかったんですよね。それは二次試験を生き抜く力が十分ではないということだと判断し、まずは力をつけることから始めました。

対策では主に「身の回りにある問題の改善案を考える」ことをやっていました。例えば、外に出て遊ぶ子どもがもっと増えるようなおもちゃを考えて、イラストと文章で説明する、と言った感じです。

問題は自分で考えてもいいですが、もし難しいならニュースなどを見ていると自然と見つかると思います。普段使うコップの改善案を考えるといった些細なことでも十分だと思いますし、使う側の視点を変えてみる(高齢者など)とまた違った考え方ができるかもしませんね…!

また、すでに改善されているものに目を向けるのも問題を解くヒントになって良いと思います。「なぜこのデザインになっているのか」「どの場面で役に立つのか」など、観察を通して得られることがたくさんあるはずです。

私の身の回りにある少し変わったデザインを二つ共有しておきますね。ぜひ観察してみてください!

駅の自動販売機で水を購入した時のものです。一見するとただのキャップですが…
とある美術館で購入しました。こちらもただのお箸ではありません。

最後に

ここまで私が行なってきた共通テスト、提案書の対策を2回に分けてお話ししてきましたが、自分が積み上げてきたものが本番で100%発揮されることは稀だと思います。

私が受けた二次試験で出題されたのは、チェーンポットという農業に使う道具の新しい使い方を考えるというものでした(2024年度模擬問題に掲載)。
試験開始前にチェーンポットが配られたのですが、その時点で未知の物体が出てきたことに頭の中が真っ白になります。

始まってから触れるようになるので、そこでやっと蜂の巣のような六角形が連なった構造であること、伸縮性があることといった様々な特徴が分かるようになっていきます。

それが分かった時の私の頭は「穴がいっぱいあるからペン立てはどうだろう?いやありきたりすぎる!伸縮性があってコンパクトになるから簡易ベッドにできるな、でもそれなら最初から簡易ベッドを使えばいい。もっとチェーンポットにしかできないことを…」と、軽いパニックになっていました。鉛筆を握っただけで気づけば30分過ぎています。

そして、選択Bで造形大に入った友達と受験の話をする時、大体の人はチェーンポットに焦らされたと言います。いつもと違う環境、プレッシャー、色々な要因が力の発揮を阻んできますが、そんな時は周りの人もそうであることが多いです。

私は普段通りの力で提案書に取り組めたとは言えませんが、それでも今までやってきたことが力を貸してくれたと思っています。皆さんの今、直向きに行っている努力もいつか報われることを祈っています。

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