【魔術・占い】魔術師 空海が遺した日本の秘術とその影響
空海（弘法大師）は、日本に真言密教を広めた平安時代の高僧である。
しかし、彼は単なる仏教の伝道者ではなく、超常的な能力を持つ「魔術師」としての側面も語り継がれている。
中国・唐で密教を学び、帰国後に真言宗を開いた彼は、言霊の力や印（手の形を使った呪術的な動作）、護摩（火を使った儀式）などの秘術を駆使したとされる。
日本の歴史の中でも空海ほど伝説に包まれた僧侶は少ない。その伝説は単なる宗教的功績にとどまらず、
- 水を操る能力（井戸を掘り当てる）
- 言葉だけで病を治す
- 雷を落とす呪法を使う
など、まるで魔術師のような逸話が数多く残されている。
本記事では、空海が遺した「日本の秘術」として語られる5つの技法を詳しく解説し、それが現代にもたらした影響についても考察する。
空海の修行と密教の秘術：神通力の習得
唐で学んだ密教の奥義
空海は804年に遣唐使として中国へ渡り、長安の青龍寺で密教を学んだ。
当時の中国では密教が隆盛を極めており、その教えは単なる仏教の枠を超え、「即身成仏（生きながらにして仏になる）」を目指すものだった。密教の根本には、
- マントラ（真言）：特定の言葉を唱えることで力を発揮する呪文
- ムドラー（印）：特定の手の形を作りエネルギーを操る技法
- マンダラ（曼荼羅）：宇宙の構造を示し、悟りへ導く図
といった秘術が存在する。これらは、現代でいう「魔術」の概念にも近い。
特に、空海は密教の究極奥義とされる「大日如来の加持」を受けたとされる。
これは、師匠である恵果阿闍梨（けいかあじゃり）から直接授かったものであり、一子相伝に近い形で日本に伝えられた。
神通力を得た空海
空海は密教の修行を極めたことで、「神通力（超常的な力）」を持つようになったと伝えられている。
例えば、彼のエピソードには、
- 瞬間移動：一瞬で遠方の地に移動したという伝説
- 読心術：相手の心を見透かす能力
- 念動力：物体を動かしたり、火を起こす力
など、現代の超能力者と同様の力を示唆する記述が見られる。
空海の秘術① 言霊と真言の力
空海が最も重視した秘術の一つが「言霊（ことだま）」である。
言霊とは、「言葉には霊的な力が宿る」という日本古来の思想であり、空海はこれを密教の「真言（マントラ）」と融合させた。
真言の呪力
空海が伝えた真言の中で最も有名なのが、
「オン・バザラ・ダトバン」（大日如来の真言）である。これは、唱えることで心身が浄化され、悟りへと導かれるとされる。
また、真言は以下のような用途にも使われた。
- 病気治療：「オン・マニ・ハンド・メイ・フム」などの真言を唱えることで体調を整える
- 悪霊払い：邪気を祓うための護摩法と組み合わせて使用
- 運気向上：特定のマントラを唱えることで、運命を好転させる
これらの真言は、現代でも修験道やヒーリングの分野で活用されている。
空海の秘術② 五大明王の呪術
空海は密教の五大明王（不動明王・降三世明王・軍荼利明王・大威徳明王・金剛夜叉明王）を重視し、それぞれの明王に応じた呪術を伝えた。
不動明王の呪術
不動明王は「動かざる守護神」として知られ、空海はこの力を利用した護身法を編み出した。特に、火を使う護摩法は、空海が伝えた最も重要な呪術の一つである。
雷を操る密教術
「降三世明王」の力を借りて雷を落とす呪術があるとされる。伝説によれば、空海は雷を呼び寄せる修行を行い、実際に寺院を落雷から守ったという。
空海の秘術③ 水を操る法術
空海は日本各地で井戸を掘ったとされるが、これは単なる土木工事ではなく、呪術的な側面を持つといわれている。
彼の手がけた井戸は、どこも枯れることなく水が湧き続けるため、「空海の水の術」として語り継がれている。
特に有名なのが、
- 高野山の井戸：開山の際に掘ったとされ、今も清水が湧き出る
- 京都・東寺の井戸：空海が念を込めた水源とされる
- 四国の弘法水：各地に点在する「弘法大師の井戸」として信仰される
これらは、密教における「五大元素（地・水・火・風・空）」のうち、「水」の力を自在に操る技法だったのではないかと推測されている。
まとめ：空海の秘術は現代に生きている
空海が遺した秘術は、単なる宗教的な儀式ではなく、
- 言葉（言霊）の力を活用した真言
- 火や雷を操る護摩法と密教呪術
- 水脈を見抜き、井戸を掘る能力
など、まるで魔術師のような技法ばかりである。これらは現代のスピリチュアル分野やヒーリング、さらには風水や占星術にも影響を与えている。
空海は「仏教の開祖」としてだけでなく、「魔術師」としての一面も持っていた。その神秘的な側面は、これからも語り継がれていくだろう。