【DIE WITH ZERO】1億4,000万円も必要なかった。天国に送金できないもの

アリは夏、懸命に働き蓄えを作り巣の中で冬を迎えることができた。
しかし、キリギリスは遊び呆け冬を迎えてしまい蓄えもなく悲惨な死を遂げた。

ここから得られることは「アリのようにあるべき」という教訓だ。しかし、アリはいつ楽しむのか?
外に出られる夏は働き続け、冬は巣の中で生きているだけだ。

アリ型の人はもっとキリギリス的になるべきだし
キリギリス型の人はもっとアリ的になるべきだ。

どのようにバランスを取り、老後に対処すれば良いのか。

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これまで、4%ルールを踏まえ55歳になったとき地方に広い土地と平屋のログハウスを建てた上で好きなだけ旅行に行くための資産として1.4億円程度を築く目標で積み立ててきた。

しかし、そんなには要らないようだ。

自分の健康状態から余命を試算し、死までに資産を使い切る前提で試算すると思ったより必要な額は少なくなる。

人生はお金を貯めるべきではなく経験を積むべきである。お金を貯めても病院のベットで動けなくなったとき、その動けない人生をいくらか延命することしかできない。経験から得た思い出が沢山あるとベットから動けなくなっても思い出に浸ることができる。アルバムを見ながら「本当に楽しい人生だった」と思うことができる。

そのためにはお金をお金として貯めるのではなく、思い出に変換して行く必要がある。

お金を思い出に変換するにはタイムリミットがある。歳を取るほどにできることが減っていく。目のコントラストも感度も下がり素晴らしい星空から得られる感動も減っていく。

さらに、若く健康なときはより少ない費用で多くを経験することができる。
バックパッカー旅行楽しめるのは何歳までだろうか?若いうちにしなければ、歳を取ったときにバックパッカー旅行の思い出話に花を咲かせることはできない。

そんな若いときに、収入も貯金も多くなっている未来に全力で送金することは豊かな人生なのか?

かといって散財し必要な支出を賄えない人生は豊かとはいえない。
逆に必要な支出を賄えるが、砂漠で満点の星空に感動したことも、異国で食べた美味しいスイーツの思い出もない人生が本当に後悔のない人生だとは思えない。

年齢ごとの健康・時間・収入を踏まえ、最も良いバランスで経験を最大化できればそれはきっと豊かな人生だ。

では、どのように経験を最大化しつつ老後に対処するのか?

これらについて解説した本である。
長寿リスクに対応する方法、いつリタイアし資産を切り崩し始めるべきなのか?
子どもの幸せのために相続したいなら、そのタイミングがは自分が死ぬときではなく子どもが最も賢く有効に金を使えるときだが、それはいつなのか?

これらの答えの根拠をいくつかの事例と統計データによって説明している。

すべて一般論であるので、違和感なく読める。
この本の価値は、個別に論じられる一般論を「人生を豊かに」するために体系的にまとめ上げ、死を直視したときにどう行動すべきかの指針を示してくれることにある。

今までバカのように4%ルールを目指していた。資産を貯めて貯めて死んでは意味がないというあたり前のことに向き合うきっかけになった。

自分の使わないお金のために何年間も働くのは確かに理にかなっていない。

人生は思い出のためにある。お金は手段。

とりあえず、家族と旅行に行こうと思う。

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