登場する人物・団体など名称は全て架空の物です

特定の地名なども一切関係ありません。

 

1/100が計れない時計

 

第31話 創作文「朋美」

 

 桃香レーシングの監督が計測スタッフに指示を出した

「あそこで走っとるピンクのポケバイのラップタイム計ってやー」
計測員はチームライダーでは無いと返事をしたら
桃香レーシングの監督は激怒してクビになりたいかと言った
計測員は仕方無く朋美のラップタイムを計測した
朋美は予定の練習走行が終了してピットへ戻って来て
次の練習走行まで休憩を挟んだ
計測員はラップタイムを記入した用紙を監督に渡した
監督はそのラップタイムが記入された用紙を確認するとまたも激怒した
「オイコラ、ボ〇、うちのチームの時計は秒単位しか計れんのかー」
計測員はピンクのポケバイの走行が遅いため
特に気にする必要も無くその程度で良いかと言い訳をした
すると監督はラップタイムの用紙を丸めて計測員めがけて投げ付けた。

【試行錯誤】
朋美は休憩中に賢作から教わったコーナーの切り返しを何度も
ポケバイに跨ったまま練習していた
途中で水分補給するためにポケバイから降りて麦茶を飲んだ
その際に賢作が言ってたジャンプする時は力まずに力を抜いて
リラックスして跳ぶと沢山安定して跳べたので
再度ポケバイに跨って色々と試してみた
2回目の練習走行の時間が来たのでいつもの様にピットから走り出した
今まで転倒を恐れて力強く握っていたハンドルグリップの力を抜くと
直線で何も変わらずに走行するためそのまま走り続けた
コーナーを曲がる時はハンドルを上から押さえる要領で走行してみた
コースアウトや転倒しそうな場面は無かったのでそのまま走行した
しかし試し走行のため大回りだけは避けられなかった。

【微笑む監督】
桃香レーシングの監督は朋美の走行に異変を感じて
ピットで誰か指導でもしているかなと覗き込んだが
父親しかいないため何故か微笑んだ
「リラックスして走行してるで、やっと気付いたな
それや、それでええんやで」

※ 微笑む麗華監督
しおんの部屋。
 
監督は計測員に再度ピンクのポケバイのラップタイムを計らせた
「今度またあんな計測したら今度こそクビやで、1/100で計ってや」
 
                            つづく

桜が咲き始めたけど       花見より和菓子が好き
しおんの部屋。  しおんの部屋。