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NHK総合で、土曜日お昼12:15~40に放送されている「探検ファクトリー」をご覧になっている方も多いのではないかと思う。毎回、色々な町工場を漫才コンビ・中川家とすっちー(吉本新喜劇座長)が探検する「工場見学」バラエティーだ。放送時間は今年1月の能登半島地震以来、不定期気味だが、先週はいつもどおり放送された(今回分の初放送は3月25日(月)なので、再放送)。

今回は兵庫県伊丹市の畳工場。NHKなので社名は出てこないが、調べたところ「三条たたみ」(ティティエヌコーポレーション)だ。年間25万枚もの畳を製造。しかし、今時畳?と誰もが思うとおり、建設ラッシュの昭和に比べれば、需要は激減。30年前に比べれば現在は製造業者も3割程度。原料のいぐさも国内の9割が熊本県産という。

そんなわけで、この工場でも当然、効率化のためにメーカーと協力して機械化を進めている。畳の床は、現在では発泡スチロールとMDF(細かく粉砕した木材等を板状に成形した物)。材料は低コスト化されているが、実は畳は1枚1枚のサイズが異なる。部屋は必ず歪んでいるので、それに合うように、つまり採寸された通りに切断しなければならない。ここまでの工程の機械化は分かりやすいから、理解できる。

次に、畳には縁があるが、縁は「畳の命」で、幅一寸を保ったまま、もちろん緩みがあってはダメで、さらに縁の角が立っていないと、畳の価値はガクンと落ちる。何とこの工程は一度機械化したものの、品質の為にあえて人手に戻したのだそうだ。おそらく相当な額の投資であったと思われるが(何しろ専用機能品だから、機械メーカーとしても高額になったはず)、譲れない品質を維持するために、それを捨てる決断が出来たことが、この工場の存続を支えたのではないだろうか。

さて、畳の縁には「家紋」等が刺繍で織り込まれた格式が高い「紋縁」という、仏閣などで使われるものがあるそうだが、これは更に難易度が高い。何枚もの畳を敷いた時に紋が左右対称でなければならず、ズレたりしようものなら、即返品。この工程を担当しているのが、驚くなかれ、入社3年目の女性社員、しかも紋縁を担当してわずか1年なのだそうだ。工場長も課長もこの工程は出来ないのだという。まさに天賦の才というか、職人芸。こういうエピソードがあるからこの番組は面白い。

商品としては従来品に限らず、いま主流の縁なし畳、カラー畳やリバーシブル畳などもラインナップされている。縁で造ったハンドバッグなんてのもある。24H体制で、昼間営業の店舗などが閉まってから畳を引き取って、夜中に畳表を張り替えての納品にも対応しているそうだ。

今の家は洋室がメインではあるが、やはり和室が一部屋はあると、どこか落ち着く。日本発祥の畳文化は、いつまでも大事に残していきたいものだ。

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