【配当王】アルトリア・グループ(MO:配当利回り7%)とは?55年間連続増配で景気後退(リセッション)に強い高配当株の将来性!

- 本稿では、注目の米国高配当タバコ銘柄である「アルトリア・グループ(MO)とは?」という基礎的な内容から、同社が景気後退(リセッション)にも強いと考えられる理由、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 米国経済では景気後退の懸念が高まっており、市場の投資家は高品質で景気後退に強い銘柄への投資が重要であるように見えます。
- 中でも、アルトリア・グループは、安定した需要や強力なキャッシュフロー、55年間の連続増配実績を持ち、景気後退に強い銘柄として注目しています。
- 同社はたばこだけでなく電子タバコやオーラル製品にも展開しており、成長性と収益性を維持しながら7%超という高い予想配当利回りを提供し続けています。
米国経済は景気後退(リセッション)が近づいているのか?
米国経済は景気後退(リセッション)の可能性が高まっているように見えます。
JPモルガンは、現在の景気後退の確率が最大で40%に達する可能性があると見ています。
では、投資家は景気後退に直面したとき、どうすればよいのでしょうか?
まず、債券を購入したり、現金を保有したりすることが基本的な防衛策になりますが、インフレがさらに進行した場合、これだけでは十分ではない可能性もあります。
市場から完全に撤退したり、空売りに転じたりすることも一つの選択肢ではありますが、非常にリスクが高いように見えます。そこで、私は 「タイミングを見計らうより、時間をかけて市場に居続けること」が重要であると考えています。
そして、最善の対策は、景気後退に強い高品質な銘柄への投資に集中することでしょう。
では、具体的にどのような銘柄を選べばよいのでしょうか?
私は少なくとも以下の特徴のいくつかを備えている銘柄に注目しています。
✅ 安定した需要:景気に関係なく人々が必要とする製品やサービスを提供していること(例:公益事業、医療、生活必需品など)。
✅ 強固なキャッシュフロー:景気後退時にも耐えうる、安定した収益と現金の流れがあること。
✅ 価格決定力:顧客を失うことなく、価格を維持または引き上げることができる力を持っていること。
✅ 配当の安定性:安定した配当を継続的に支払っている、または増配してきた実績があること。
✅ 強靭なビジネスモデル:過去の景気後退期においても好調な業績を維持してきた実績があること。
このような特徴を持つ銘柄こそが、景気後退に備えるうえで、最も信頼できる選択肢と言えるでしょう。
予想配当利回り7%で55年間連続増配の実績がある注目の米国高配当銘柄とは?
これ以上の条件は、なかなか無いように見えます。
(出所:Seeking Alpha)
本稿で解説していく銘柄は、1株あたり4ドル強の配当を支払い、利回りはほぼ7%に達しており、過去55年間にわたって連続して増配を継続しています。
何の利息もつかない現金を持ち続けるよりも、リスクを抑えつつ配当を受け取る方が賢明かもしれません。
この企業には、先ほど挙げたような特徴——安定した配当、継続的な需要、そして価格決定力——がすべて備わっているように見えます。
私がこの銘柄を最初に取り上げたのは2020年のことで、それ以来、配当を含めたトータルリターンは142%に達しています。
市場平均を大きく上回るパフォーマンスを記録しており、AIブームや話題性に頼ることなく、強力かつ安定したキャッシュフローによって成長してきました。
ただし、ご注意いただきたいのは、この銘柄が「物議を醸す銘柄」として知られており、以前から一部で議論を呼んでいるという点です。
私はこの銘柄を「EODポートフォリオ」に追加する予定です。このポートフォリオは、こうした景気後退に強い銘柄で構成されており、実際に先月はS&P500を上回る成果を上げています。
(出所:Snowball Analytics SAS)
そして、次章では、以下の点を取り上げていきます:
✅ なぜこの企業が多くの投資家から嫌われているのか
✅ 同社が55年間も増配を続けられた理由
✅ バリュエーション、将来展望、テクニカル分析
✅ 年間1万5,000ドルの配当を受け取るシミュレーション
それでは、さっそく見ていきましょう!
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アルトリア・グループ(MO)とは?
アルトリア・グループ(MO)は、アメリカを代表する大手たばこ企業であり、マールボロを製造するPhilip Morris USAを傘下に持つことで広く知られています。
同社はまた、U.S. Smokeless Tobacco Companyを通じて、CopenhagenやSkoalといった無煙たばこブランドも所有しています。さらに、JuulやNJOYといった企業への投資を通じて、加熱式たばこや電子タバコといった代替ニコチン製品にも事業を拡大しています。
(出所:Gurufocus)
加えて、Anheuser-Busch InBevへの出資を通じて、アルコール事業にも関与しています。アルトリアは主に米国市場で事業を展開しており、成人喫煙者を主な対象として、製品販売、ブランドロイヤルティ、規制に支えられた価格安定性を通じて収益を上げています。
アルトリア・グループ(MO)が嫌われる理由
一部の投資家は、米国における喫煙率の低下が中核事業にとって脅威となっていることから、アルトリア・グループ(MO)を敬遠しています。
同社はまた、メンソールたばこの禁止やニコチン含有量の制限など、厳しい規制の圧力にも直面しています。たばこに対する倫理的な懸念や、頻発する訴訟リスク、そしてJuulやCronosへの問題の多い投資も、投資家の慎重姿勢に拍車をかけています。海外展開や成長の余地が限られていることから、「現金を生み出すが、最終的には縮小していくビジネス」と見る声もあります。
とはいえ、こうした主張は過去10年間ずっと続いていますが、それでも同社の歩みを止めることはできていません。
(出所:Seeking Alpha)
誤解のないように申し上げますが、私は元喫煙者であり、たばこの習慣を好んではいません。ですが、私はあくまで現実主義的な投資家なのです。
アルトリア・グループ(MO)は真の意味で景気後退に強い企業?
アルトリア・グループ(MO)は景気後退にも強い企業であるように見えます。なぜなら、経済が悪化しても人々は喫煙をやめないどころか、むしろ喫煙量が増えることさえあるからです。
同社は習慣性のある製品を販売しており、需要は安定しているため、価格決定力が強く、信頼できるキャッシュフローを生み出しています。
出荷量は減少傾向にあるものの、価格を継続的に引き上げ、潤沢な配当を提供し続けています。事業は効率的に運営され、多くの景気後退を乗り越えてきました。成長株のような爆発力はないものの、市場が荒れる中でも、同社は配当収入を重視するインカム投資家にとっての「要塞」と言える存在であるように見えます。
(出所:Seeking Alpha)
アルトリア・グループ(MO)の成長性と収益性:タバコだけではない?
アルトリア・グループ(MO)はもはや単なるたばこ会社ではなく、成長中の電子タバコ市場やオーラルたばこ分野にも進出しています。
電子タバコブランド「NJOY」は、2024年第4四半期において、ポッドの出荷量が前年同期比で15%以上増加し、市場シェアを2.8ポイント拡大しました。これは非常にポジティブな兆候です。
(出所:アルトリア・グループの2024年第4四半期決算資資料)
また、ニコチンパウチブランド「on!」の出荷量も44.4%増加し、子会社であるHelix社は予定より早く黒字化を達成しました。
(出所:アルトリア・グループの2024年第4四半期決算資資料)
さらに言うまでもなく、同社は業務運営の優秀さにおいても模範的な存在です。利益率は年々着実に向上しています。
(出所:Macrotrends LLC)
経営陣は2025年度に1株当たり利益(EPS)の成長率を2~5%と見込んでおり、10億ドル規模の自社株買いも発表しました。これは経営陣の自信の表れでもあります。
アルトリア・グループ(MO)の配当支払いに関して
まずは、複利の力を実際に見てみましょう。
アルトリア・グループ(MO)は過去10年間で、年間平均リターン約8%を達成しています。
(出所:Dividend Athlete)
仮に今2万ドル(約300万円)を投資し、毎年1,000ドル(約15万円)ずつ追加で投資していった場合、将来的には資産は20万ドル(約3000万円)、年間配当収入は1万5,000ドル(約220万円)に達する可能性があります。
これは、多くの国で「年収」として通用する金額ではないでしょうか。
アルトリア・グループ(MO)のテクニカル分析
(出所:TrendSpider)
アルトリア・グループ(MO)の株価はここ1か月で上昇しており、重要なレジスタンスラインを突破しました。
しかし現在、勢いがやや失われており、週足RSIでは買われすぎの中で弱気のダイバージェンスが見られます。
このため、今後数週間で多少の反落が起きる可能性もありますが、それはより良いバリュエーションとなり、予想配当利回りも一層魅力的になるでしょう。
アルトリア・グループ(MO)に対する結論
アルトリア・グループ(MO)は万人受けする銘柄ではないかもしれませんが、「景気後退に強い」という点ではまさにその代表格であるように見えます。安定した需要、強力なキャッシュフロー、そして55年間の増配に裏打ちされた驚異の7%利回りという特長を持ち、不安定な市場でも力を発揮する存在です。
規制圧力や消費者の嗜好の変化にもかかわらず、同社は柔軟に適応し、株主に利益をもたらし続けています。派手さはないかもしれませんが、不透明な時代においては、安定と収入こそが何よりも価値のあるものです。
現実的な視点を持つ投資家である私には、この「現金製造機」は真剣に検討すべき銘柄であるように感じています。
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