アイスバスによる熱中症救命率100%ファルマスロードレース

ファルマスロードレースマラソンのゴール地点 雑感

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欧米では労作性熱中症の救命処置のゴールドスタンダードとなっているアイスバスを用いた冷水浴法(CWI:コールドウォーターイマージョン)だが、この効果を研究し論文にも発表しているのがアメリカのスポーツ中の事故や安全対策を研究する研究機関、KSI(コーリーストリンガーインスチュート)のダグラス・カサ所長である。

2023年にはNHKの熱中症やスポーツ中の事故から子供の命を救う特集「子どもの命を守るには  “データの活用”でスポーツ事故防止に取り組むアメリカ」というタイトルのコンテンツの中でも、ダグラス所長は「熱中症は倒れて10分以内に冷水で全身を冷却すれば100%救命できる」と明言している。

その根拠となるのが彼らが集めた様々な条件下で労作性熱中症に対する対応が行われたデーターであるが、2024年3月26日にKSIのダグラス・カサ所長や早稲田大学の細川由梨准教授ら著者による新たな論文が発表された。
これはアメリカの有名なマラソン競技会であるファルマスロードレースでの労作性熱中症を発症した対象者180例がアイスバスを用いた身体冷却により100%生存したというものである。

この事によりダグラス・カサ所長の「熱中症は倒れて10分以内に冷水で全身を冷却すれば100%救命できる」という言葉が更に補強されたと言える。

参考文献:ファルマス・ロードレースでの労作熱中症生存者:新たに180例が拡大分析で判明
https://meridian.allenpress.com/jat/article/59/3/304/495538/Exertional-Heat-Stroke-Survival-at-the-Falmouth