最初は友達に誘われて
彼との出会いは2年前くらい、最初は学生時代からの仲の良い友達が上京して垢抜けた様子に憧れ、地元から彼女の家に遊びに行った際に誘われて初めて行ったホストクラブでした。
友人にはすでに推しの人がいて私は初めて行ったホストクラブに目がくらむ思いで縮こまっていたところ、ヘルプに入った新人の彼に色々と話しかけてもらって緊張がほぐれたので楽しむことができました。
それから何度かは友人と一緒にそのクラブに行きましたが新人の彼が頑張ってる姿をひそかに応援する気持ちもありました。
友人の都会での華やかな暮らしぶりがうらやましくて私も親の反対を押し切って地元で就職した会社を辞めて転職先を探し上京しました。
お金が無いので彼のところには本当にたまにしか行けかなったのですが、行けば必ず私の話を良く聞いてくれてお仕事がんばってねと頭をなでてくれる嬉しさを励みに一生懸命に仕事に励みました。
生活は楽ではありませんでしたが2年目からは少ないながらもボーナスも出て彼のいるクラブにも毎月行けるように。
その頃には彼も人気が出てきたのかお客さんがつき始めて嬉しい気持ちと私が最初だからという気持ちで複雑な思いでした。
全然、お金も使えないし彼の役に立たない自分に嫌気がして泣きながら彼に役立たずでごめんねと告白したことろ、そんなことないよ、俺が売れない時代からずっと応援してくれてありがとね。と優しく声をかけてもらって号泣してしまったこともあります。
なんだかんだあって、その彼とお店には内緒で付き合うことに。
変わっていく彼にとまどいながらも応援する私
付き合い始めのきっかけは彼の体調不良でした。
不規則な夜のお仕事だし、お酒は飲まなくてはいけないし売上のために無理して体を壊したことがあってそんな彼を気遣って体に良い料理とかを差し入れに行ったりしてたら向こうから付き合おうと言われて嬉しかった。
お店でナンバーワンになるために厳しい競争の中がんばる彼を応援しようと私は彼と一緒に同棲することに決めて仕事以外全ての時間を彼に捧げる覚悟でつきあいました。
ときには疲れて不機嫌な彼を慰めながらも幸せを感じていた日々でしたが、付き合い初めて半年たつ頃からだんだんと彼の様子がおかしくなってきました。
あまりにも体調が悪い時でも出勤しようとする彼にたまには休んだらと言ったところ急にキレて暴力を振るわれました。
びっくりしたけど、すぐに俺が悪かったと謝ってくれたし、がんばろうとする彼の気持ちを無視して言った私の方が悪かったので私もごめんなさい。と謝って2人で夢に向かってがんばろうと抱き合いました。
ライバル店が近くにできたこともあり、上からの締め付けが厳しく、無理な接客を繰り返さざるを得なくなっていたのも原因のひとつだと思います。
お店のお客も減るなか、段々と彼の暴力や暴言も増えてきて体にできたあざを隠して出勤するため露出の低い服を着るようになった私を心配した友人も色々と声をかけてくれましたが今は耐える時期だと彼を支える覚悟だった私には届きませんでした。
給料のほとんどを彼に費やし昼は仕事、夜はクラブか彼のお世話に明け暮れた私はある日のこと仕事の最中に意識を失い、気が付いたら病院のベッドの上でした。
その後、田舎から呼ばれた両親に現状がバレて強制的に彼と別れさせられ仕事も辞めて実家に帰ってきた私は、今ではひとときの夢から覚めたようにあの頃を振り返っています。
だからテレビでホストとのトラブルのニュースとかみてもホストが悪いように報じられてますが女の子の気持ちもわかるし、ホストの人も頑張ってるんだと思うから共依存だなと感じてしまいます。
今は少しずつ体も心も回復し、地元でアルバイトとして働き始めてまたお金が貯まったら都会に行きたいなと思っています。
懲りないなと思われるかも知れないけれど、田舎で埋もれるよりは都会でのチャンスにかけたい思いが強いのです。