突然ですが、ベトナム・ホーチミン市に進出している外資系コンビニチェーンと言えば、何が思い浮かぶでしょうか?ファミリーマート、ミニストップ、サークルK、GS25、なるほどなるほど。…誰ですか、「B’s Mart」なんて天邪鬼な回答をするのは。
そしてもう一つ、忘れてはいけないのはセブンイレブン。セブンイレブンは2017年6月にベトナムへ進出し、ホーチミン市1区・サイゴントレードセンターに1号店をオープンさせました。


皆さんご存知の通りセブンイレブン自体はアメリカ発のブランドであるものの、現在、アメリカのセブンイレブンは日本のセブン&アイ・ホールディングスの完全子会社。その米セブンイレブンとフランチャイズ契約を締結しているのがベトナム法人である「Seven System Việt Nam(セブンシステムベトナム)」となります。
そんなセブンイレブンですが、出店はホーチミン市の中心部周辺に留まり、他の外資系コンビニと比べると水をあけられていたことは否めません。特に、後発の韓国系コンビニ「GS25(※2018年進出)」の店舗網拡大が目覚ましいため、なおのこと。

しかーし!ここに来て、セブンイレブンが攻勢をかけ始めました。ホーチミン市1区の一等地に新店舗を続々オープンさせている他、これまで手薄だった郊外寄りのエリアにも出店網を拡大。日本で不調が囁かれているのがまるでウソのようです。
そんな中、外国人駐在員のハブとしてお馴染み、旧2区・タオディエン (Thảo Điền) エリアに、ラグジュアリーな外観のセブンイレブンがあるとの情報を手に入れました。
ホーチミン市屈指のおしゃれ地域は、コンビニですらもスタイリッシュにしてしまうのか…?見に行ってみました。
屈指のおしゃれエリア・タオディエンに降り立つ

ホーチミンメトロ・1号線に乗って、タオディエン駅 (Ga Thảo Điền) へとやって来ました。ここはホーチミン市直轄市・トゥードゥック市。旧行政区分ではホーチミン市2区にあたります。

今更説明するほどでもありませんが、タオディエンと言えば、多くのヴィラや高級マンションが立ち並ぶ、ホーチミン市の富裕層エリアのひとつ。日本人を含む多くの外国人が暮らしており、多文化コミュニティが形成されています。
かつては寂れた郊外だったタオディエンですが、急速に変化し現在の姿となりました。そもそもタオディエンをチュノム(ベトナム漢字)で表記すると「草田」。つまり、何もない原っぱだったわけです。そんな土地事情もあり、道路によっては大雨が降るたびに洪水が発生するというリスクも。

スアントゥイ (Xuân Thủy) 通りへとやって来ました。小粋な感じのレストランやカフェがずらりと軒を連ねており、尻込みしてしまいそう。

先日、外資系コンビニとしては珍しく首都ハノイに進出したことで話題となった「GS25」も、タオディエンにかかればこんなに華々しく。なお、セブンイレブンもハノイでの求人を開始しているようで、同様に北部進出が示唆されていますよ。

ベトナム全土で見られるカフェチェーン「PHUC LONG(フックロン)」に至っては、メニューやサービスが通常店舗と異なるプレミアム業態を展開しています。普段見知ったチェーン店までがこうも変わってしまうとは、これがタオディエンの魔力…または圧力?
コンビニらしからぬ外観&広々とした店内

そして、件のセブンイレブンがこちら…何ぞこれ。真っ白でクラシカルな印象の建物は一見シンプルですが、よく見ると装飾が過剰!何だ、このアーチは…。しかし嫌いじゃない。

店内は広々ですが、特にこの店舗でしか買えないものがあるわけではありません。とは言え十分な広さがあり、その上インパクト大の外観です。ここがベトナム・セブンイレブンの「旗艦店(フラッグシップ店)」と言っても過言では無い!?

セブンイレブンのベトナムオリジナルグッズ。お土産にどうぞ。

チルドコーナーは、「ちょっと品揃えが良い」くらいの感じ。


上記は別店舗の写真ですが、ここ1年くらいでの商品拡充の勢いが凄まじいです。店内のオーブンで調理してくれるホットサンドや、新鮮な生野菜サラダなど(※サラダは以前からあったが、見るからにしなしなで不味そうなものしか無かった)。あと、パッケージもスタイリッシュなものに変わっています。

店内奥の日用品コーナーは大充実。何か入り用になった際は、大きな助けになるかもしれません。

レジ。飲み物がずらりと並んでいます。セブンイレブンは定期的にドリンクの新作を出してくれる印象がある。

イートインスペース。最近オープンしたセブンイレブンの店舗は2階にイートインスペースを備えることが多いですが、こちらの店舗は1フロアのみ。とは言え十分な数の席があります。なお、清掃はそこまで高頻度にはされていないため、気になる人はウェットティッシュ等でテーブルを拭いてから利用しましょう。

コンセント、あります。

さらには無料店内Wi-Fi(しかも爆速)もあります。これは、居座れてしまいますね…。
イートインスペースで優雅に夕食をいただく

本日の夕食。タオディエンまで来ておいてコンビニ飯か、という感じですが…。でも、この品揃えだったら「コンビニ飯でフルコースを」みたいな企画も出来そう。ただ、一人でやり切れる自信は無いので、企画にお付き合いくださる方を募集します…。

比較的最近発売されたばかりの、ツナとわかめのサラダ。付いてくるドレッシングが「焙煎ごまドレッシング わさび&昆布」という小洒落た味なのですが、わさびの香りと昆布の旨味がしっかり感じられて美味いんですよ。こういう変化球のドレッシングがベトナムに増えてほしい。

サラダチキン・胡椒味。いくつかフレーバーがあり、飽きが来ません。ベトナム製造ですが、ハングルが書かれているので韓国系企業が作っているのかな。コンビニでよく見る生クリームパンもそうだけど、「ベトナムでこういうの欲しいなー」ってものを作るの、大体韓国系企業やね…。

と、いうわけで日系企業からもエントリー。ニッスイの新製品「ホタテ風味かまぼこ」です。

日本のスーパーで売っている「ほぼホタテ」には敵わないものの、価格を考えたら頑張っていますし、そのまま食べても美味しい。弾力とか、裂ける感じとか、結構ホタテっぽいし。

最近ハマっている「Tắc Sen Thạch Xí Muội」。カラマンシー&蓮の甘酸っぱいドリンクに、梅塩味のゼリーが入っています。もちもちと弾力のあるゼリーの食感がたまらない。セブンイレブンはこういうヒネったドリンクが多くて好きです。

帰りに、近くの「タオディエンナイトストリート (Phô Đêm Thảo Điền)」に立ち寄ってみました…が、特筆すべきものは無かった。もっと、道には屋台がズラーっと並んで、おしゃれながら手頃な価格のレストランが増えたら盛り上がると思うのだが…。台湾の夜市みたいになってほしい。現場からは以上です。