自然のメモ

島しょ部の絶滅:IPEBSの生物多様性評価書より

EUでは、陸部の何%が保全状態が良くなく、動植物の何%が危機に瀕していると、分かりやすい表現がされています。

で、我が国も減少率というのがないかと探していたら、IPBESに辿り着きました。

この中にざっくりと、アジアというくくりですが、日本のことが書かれています。

 

最新のものやほかの資料などの詳しいものは、この日本語で書かれたサイトがあります。

IGES 公共財団法人 地球環境戦略研究機関

 

 

IPBES特集

私たちの命や生活は、生物多様性がもたらす自然の恵み、すなわち生態系サービスに大きく支えられています。このページでは、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科...

IGES

 

 

正式には、IPBSのHPへ アジア地域以外にも、全世界の報告書があります。

IPBES Home page | IPBES secretariat

 

IPBES(イプベス)とは、何か?というと、生物多様性と生態系サービスに関わる総合的な評価書を発行し、政府や政策を支援する政府間組織です。

気候変動のIPCCに対し、生物多様性のIPCCです。

 

2018年版で、120名ほどの科学者と、3200ほどの科学論文を分析して作られています。全部で600ページにも及ぶ報告書。

しかし、日本語翻訳が政府制作向けで要約版があります。

なぜ2018年版かというと、こちらのほうが私的には減少の図が分かりやすかったからです。

 

日本もこうした評価書はあるのですが、世界版ということで、こちらも参考になるのでないかと思いました。

 

この中で、生物多様性のことが言われているのを見ると、今後も種の絶滅に面しているし、さらにまだ生物多様性の低下は続く、また、今後も都市化が続くということです。

 

物多様性と生態系サービスに関する地域評価報告書 アジア・オセアニア地域 政策決定者向け要約 

 

出典

IPBES (2018): Summary for policymakers of the regional assessment report on biodiversity and ecosystem services
for Asia and the Pacific of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services.
M. Karki, S. Senaratna Sellamuttu, S. Okayasu, W. Suzuki, L. A. Acosta, Y. Alhafedh, J. A. Anticamara, A. G. Ausseil,
K. Davies, A. Gasparatos, H. Gundimeda, I. Faridah-Hanum, R. Kohsaka, R. Kumar, S. Managi, N. Wu, A. Rajvanshi,
G. S. Rawat, P. Riordan, S. Sharma, A. Virk, C. Wang, T. Yahara and Y. C. Youn (eds.). IPBES secretariat, Bonn,
Germany. 41 pages.

 

より、引用、抜粋しています。

 

こちらでは、アジア地域の絶滅割合が出ています。

日本は北東アジアに入るようです。

 

p21より抜粋

 

こちらでは、今後、2030,2050年へ向けて、我らの地域の生物多様性は低下する、という予測。

p29より抜粋

 

このシナリオの解説

 

 

我々の地域もひどいですが、東南アジアもひどいものです。

 

P30 C6より 抜粋

「現状維持シナリオ下では、アジア・オセアニア地域では世界全体の絶滅予測と同等のペースで種とその生息地の減少が続き、2050 年には現在の 45% 程度にまで減少することが、予測モデルにより予想されている」

 

これからまだ低下するなんて、いやですね。

これは気候変動、都市化、農業集約化(湿地をつぶして農地にしたり)のほか、外来種、無制限の資源の利用、娯楽・観光施設のような無計画な都市化やインフラ開発などによるものが大きいようです。

 

「持続不可能な利用と侵略的外来種は、特に島嶼の生態系において、生物多様性の減少を引き起こす」としています。

 

「このような結末を回避するための、積極的な政策が求められている」ということです。

 

 

 

上は要約版なので、こちらから、気になるところを抜粋してみました。

 

プレーンテキスト 英語版

The IPBES regional assessment report on biodiversity and ecosystem services for Asia and the Pacific

 

出典

IPBES (2018): The IPBES regional assessment report on biodiversity and ecosystem services for Asia and the Pacific. Karki, M., Senaratna
Sellamuttu, S., Okayasu, S., and Suzuki, W. (eds). Secretariat of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and
Ecosystem Services, Bonn, Germany. 612 pages. 

 

より、引用、抜粋しています。

 

P11 より抜粋

CHAPTER 1. SETTING THE SCENE 11

 2008 年の世界のサンゴ礁の状況

 

これは、日本は道路だらけ?

P13より抜粋

 

p312より抜粋

 

アジア太平洋地域で最も多くの投入物(鉱物肥料窒素リン炭酸カリウム)を行っている国 

 

 

P319抜粋

アジア太平洋地域のモデル化された河川健全性指数。

 

 


また、この中で、気になるのは、

P、XXIVより

. 「Bird extinctions on individual Pacific islands and
Hawaii range from 15.4 per cent to 87.5 per cent of the total
number of bird species, with the implication that there is a
loss of ecological functions such as seed dispersal and
predation previously performed by birds (well established)
{3.2.1.7}. 」

 

訳:太平洋島嶼国とハワイでは、それぞれの島に生息した鳥類の全種数の15.4% から 87.5% がすでに絶滅している。これは、種子散布や捕食といったこれまで鳥類が生態系で担っていた機能が失われることを意味する(十分確立している){3.2.1.7}。

 

ほんの一文ですが、島嶼部の絶滅?とこれを見て日本って大丈夫なのかと思ったのですね。(まあ、もちろん、ハワイなどの諸島での絶滅の多さにもびっくりしましたが)

上にも書いていますが、「持続不可能な利用と侵略的外来種は、特に島嶼の生態系において、生物多様性の減少を引き起こす」とあります。

 

実際我々の日本も、島嶼列島。

小さい島こそ、破壊される影響が大きいはず。

日本には島が14000ほどらしいですが、各地の島の絶滅が進んでないか、心配です。

 

 

というところで、世界版の生物多様性評価書でした。

(ちょっと今回は英語であったので、正確かどうか、自信がないです。今回記事の確信度は下です)

 

これは大きなくくりですので、お隣の韓国や中国のことも入っているでしょうが、まだ今の劣化から、低下はあるという予測です。

気候変動があるので今後、もしかしたら我々も、否応なく進むかもしれません。

 

万一ですが、生物多様性が45%減少、半減までになってしまった、日本、想像できますでしょうか。

コップの水でも半分減ったら、もう底が見えている状態ですよね・・・

 

 

IPBESでは優れた政府の統治と、優れた政策が必要と言っていますが、本当にそうでしょうね。

 

で、今、日本も変わって来ている、少なくとも、変わる方向へ進もうとしているように見えます。

これから日本も自然再興で、2030年までには反転させ回復軌道に乗るというアクロバットをやる予定ですし、2050年には自然とともに暮らす社会になる予定ですから。

これから上がるしかないのだと。これからは違う、と期待もしていますし、そう願っています。

 

 

以上、今回見たIPBESの「生物多様性と生態系サービスに関する地域評価報告書」の私の感想です。

英語版は全部見たわけでもないし、グーグル翻訳なので、ぜんぜん分かってないかもしれず、あまり自信はありません。

今回いろいろ書きましたが、知りたいところがあったら、日本語版があるのでそちらを読んで、確認をしてもらいたいです。

 

 


 

 

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