ここでは、英検にこだわらず「ためになる英語」学習に関するる手に入りやすい本を案内していきます。
紹介するのは
「あぶない英語」(岩田雅彦)です。
この本も、正直なところ「英検1級を圧倒」するほどではありませんが、本ブログ筆者を大いにうなづかせる部分がありました。
早速、この本の裏表紙から引用してみます。
Fuckは日常英会話ののなかで再頻出ワードなのに、学校では教えてくれない英語の代表格だ。適切に使えば場が和み相手との距離も縮まるが、むやみに使えば命の危険すらある。(中略)「あぶない英語」を学ぶことで危機管理を徹底し、」その背景にある英語圏の文化も学ぶ、未だかつてない英語と英会話の教養書。
いかがでしょうか。
「売らんかな」が出過ぎている感がありますが、この一冊の特徴を凝縮して表現しています。
既に本ブログでは、英語を使う上での洗練や品格といった問題に関して↓
といったブログ記事で紹介してきました。しかし、それらは、いかに上品に話すかがポイント。
その一方、この本では、どんな単語や文章のつくりが「危険」なのかをいくつもの例を挙げて丁寧に説明しているのです。
あまりに丁寧過ぎるというか神経質すぎるほど、「あぶない英語」を教えてくれています。したがって、本ブログ筆者は正直なところ、読みながらゲンナリさせられることも、少なからずありました。
しかし、ビジネスにおける、さまざまなハラスメントや差別に対するチェックが厳しくなっている今、いちおうは「おさえておくべき」知識ではないかとも考えます。
なぜか。
ひとことで言えば日本の常識は、英米圏の常識と一致していないからです。あまり、「世界は進んでいる、日本は遅れている」とは言いたくありませんが。しかし、両者のずれを自覚するくらいはしておいた方がいいのではないでしょうか。
よくありがちな、日本語発想であるいは日本の文化風習を背景に日本語を単純に英語におきかえて外国人に質問したり、話しかけてしまう。
そんなことをしょっちゅうしてしまっていると、日本人が予想もしなかった抵抗や誤解を生んでしまう。その現実には、もっと敏感でいた方がいい。
たとえば、採用面接の場を想定してみましょう。日本人同士の面接の場でも、最近は「業務に関連しない質問、出身地や家庭に関する質問はしてはならない」との約束が浸透し始めていますが、それでも次に引用するところを読むと、やはりまだまだと感じます。
引用してみます。
質問そのものではなく、質問のタイミングが問題になることもあります。たとえば、emergency contact name(緊急連絡先)については雇用決定後でなければ聞いてはいけません。なぜなら出身国がわかってしまう可能性があり、それが採用に影響することもあるからです。同様の理由で、次のような質問も言葉上、出身国はきいていませんがNGです。
How long has your family beem in the U.S?
(あなたの家族はどのくらいの期間、米国に住んでいますか?)
いかがでしょうか。
この後に採用側が不法移民でないかどうかの確認をするために
上記の質問をしたい気持ちは理解できないでもないが、かわりにこう聞くようにとの説明が続きます。
引用してみます。
Are you eligible to work in the U.S?
(米国で働く資格はありますか?)
要は移民であるかどうかを聞くのではなく、米国で合法的に働くことができるかどうか、それだけを問うべきだということです。
日本ではパートやアルバイトの面接で、間接的な質問をすることが多いのではないでしょうか。(中略)余計な詮索はせずとも、イエスであれば採用、ノーであれば不採用です。仕事は関係のない家庭や生活の事情を聞かれるほうが、欧米人にとってはむしろ驚きなのです。
もちろん、本ブログをお読みで英語に高い関心を持つあなたは、必ずしも外国人の採用担当にはならないかもしれません。
しかし、日本語発想でつい欧米人を内心呆れさせるような英語での話しかけや質問をしていないか。その確認や自戒のために本書を試し読みくらいはしてみるのは、そう悪いことではないのではないでしょうか。
以上、英語の参考書には載っていないかもしれませんが、あなたの英語学習の参考になれば幸いに思います。
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