第2話 これを押さえればOK!好みのワインを見つける方法

ワインの味を決める中で、一番重要なのが「ブドウの品種」です。

もちろん、そのブドウがどこ産か、どこの醸造所で造られたか、誰に造られたか、いつ造られたかなどの様々な条件によっても味は変わってきます。

ですが、ワインの「まずい」か「おいしい」をいったん置いておいたとして、基本的なワインの味はこの「品種」よって左右されます。

なので、ワインを知るためにはブドウの品種による味の特徴を「ぼんやりつかむ」ことが一番の近道です。

ワインに使われる主要品種は、約100種類ほどありますが、その中でもトップに君臨する品種は次の6種類になります。

また、この記事では自分の好みのワインを見つける方法も紹介しています。ぜひ、最後まで見てみてください!

ワインに使われるブドウの品種6選

【赤ワイン】
カベルネ・ソーヴィニヨン

イメージです。
どんな役目もきっちりこなす。
渋味、果実味が特徴の”黒ブドウの王様”。

【ぶどうの特徴】
小さな粒と分厚い皮と大きな種のぶどうで、食べようとすると、ほとんど食べる果肉がないくらいです。その分、ワインにすると色が濃く、強い渋味(タンニン)を持つ、しっかりと骨格のある味わいに仕上がります。 特筆すべきは、ワイン用ぶどうとしてのポテンシャルの高さで、世界中のどこで作っても品質の高いワインが生まれる超優等生。だからこそ、世界で最も栽培されるワイン用ぶどうとなっています。

【味わいの特徴】
小さくて黒い果皮の果実(カシスなど)を思わせる凝縮した果実味と、針葉樹やミントなどに例えられる少しスッとする清涼感のある植物系のフレーバーがあります。それによって、凝縮感がありながら、上品さも併せ持つワインとなります。酸もタンニンも強めで、ガッチリとした構造を感じる味わいです。

【赤ワイン】
メルロー

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まろやかで果実味たっぷりの親しみやすさ
渋味、酸味が控えめな、”なめらかさ”が魅力

【ぶどうの特徴】
中程度の大きさの粒と大きめの房を持ちます。早熟で糖が上がりやすいので、アルコールが豊かな柔らかい味わいになる。 樹勢が強く、病気に強く、多産であり、さらに産地をあまり選ばない(どこでつくっても良いぶどうが取れる)ため、世界中で人気があります。早熟のためカベルネ・ソーヴィニヨンよりも寒いエリアでも完熟する事が出来ます。

【味わいの特徴】
プラムやブラックチェリーなどを連想させる、肉厚な果肉を持つ濃い色の果実の香りや、甘いスパイスのタッチ。低めの酸と、包み込むような豊かな果実味、やわらかなタンニンなど、まろやかで豊満な味わいが特徴です。カベルネ一族の中では、最も植物系のフレーバーが少なく、果実味中心の親しみやすい味わいです

【赤ワイン】
ピノ・ノワール

イメージです。
官能的なのに実は繊細。
人を虜にする華やかで魅力的な香り

【ぶどうの特徴】
粒はそれ程小さくなく、比較的皮は薄め。ワインの色合いは明るめで、繊細な味わいと華やかで妖艶な香りのワインに仕上がります。 ぶどう品種としてのポテンシャルはとても高いのですが、皮が薄いために病気に弱く、栽培が難しい品種です。また、繊細な味わいと香りが特長のぶどうのため、ぶどうが一気に成熟する暑い産地ではその味わいの特長を失いやすく、現在のところ世界で成功している産地は少なめです。

【味わいの特徴】
色とりどりのベリーやチェリーを思わせる、小さくて柔らかな果実味と、バラの花などを連想させる(お花畑と言われる事も)華やかさ、スパイスや皮製品などのとても複雑で素晴らしい香りを持ちます。比較的タンニンは少なく、酸はしっかりめで、繊細な味わいのワインとなります。

【白ワイン】
シャルドネ

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産地や造り手によって、変幻自在に味を変える。
多彩な顔を持つ白ぶどうの代表選手。

【ぶどうの特徴】
小さめの円筒形房と薄めの果皮の小粒の実が特徴です。早熟で、寒冷地にも適合することから、世界中のあらゆる産地で栽培されています。

【味わいの特徴】
元々ぶどう品種としての個性的な風味が少なく、あまり味わいの特徴のないぶどうです。その分だけ、育った土地の気候風土や、つくり手の採用する醸造技術・道具などの影響を強く味わいに反映させます。涼しい産地でステンレスタンクで醸造・熟成されたシャープでスッキリとしたタイプから、温かな産地で樽で発酵・熟成されたリッチでコクのあるタイプまで、産地や醸造方法によって、驚く程に多彩な表情を見せるぶどうです。また、独自の風味は少ないものの、「果実味」、「酸味」、「構造の強さ」といったワイン用ぶどうとしての基本の能力は全て非常に高く、どのような味わいにつくっても美味しいワインになる、大変ポテンシャルの高いぶどうです。

【白ワイン】
ソーヴィニヨン・ブラン

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透明感と爽やかさを兼ね備える。
フレッシュな柑橘とハーブのアロマが特徴。

【ぶどうの特徴】
ソーヴィニヨン・ブランの語源はフランス語の「ソヴァージュ(野生的な)」から来たと言われ、早熟で樹勢の強いぶどうです。小さめの房と小さな実が特徴です。フレッシュな酸が命のぶどうなので、基本的に冷涼な産地で活きるタイプです。

【味わいの特徴】
イキイキとしたフレッシュな酸味と、弾けるような鮮やかな果実味の、「爽やか」という言葉がピッタリの味わいを生むぶどうです。

【白ワイン】
リースリング

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甘いマスクとクールな一面。
酸味とバランスのとれた甘みで多くの人を魅了する。

【ぶどうの特徴】
小粒の実と小さな房が特徴です。非常に耐寒性が強く、冷涼な地域で良さを発揮する品種です。ワイン用の白ぶどうとしては最も高いポテンシャルを持つ品種の一つで、ある程度収量を多くしても、なお高品質のワインを生み出す事が出来ます。

【味わいの特徴】
辛口~甘口までのあらゆるタイプの甘さで最高品質のワインを生むぶどうです。全てのタイプの味わいに共通して、鋼のような硬さのある鋭い酸と、透明感あふれる引き締まった果実味、カチッとした厳しさが感じられるのが、この品種の特徴といえます。特に甘口の場合は、この鋭い酸が残糖分とバランスを取って、軽やかで繊細な、他のぶどう品種にはないスタイルの甘口を生み出します。 緊張感のある高貴な味わいが、リースリングの真骨頂と言えます。

好みのワインを探す

この6種類の味を覚えてしまえば、割と簡単に好みのワインを見つけることができます。

赤ワインと白ワインの好みのワインの見つけ方を伝授しましょう。

STEP
まずは、赤ワインのベタ
カベルネ・ソーヴィニヨンを飲んでみる

 まずは、「カベルネ・ソーヴィニヨン」という品種が使われたワインを飲んでみて味を覚えます。というのも、カベルネ・ソーヴィニヨンは赤ワインの味のど真ん中だからです。
多くの人が思い浮かべる、「ベタな赤ワインの味」がカベルネ・ソーヴィニヨンです。

STEP
重いかも(濃いかも)と感じたら、
ピノ・ノワールを飲んでみる。

カベルネ・ソーヴィニヨンが重い(濃い)感じたなら、「ピノ・ノワール」という品種のワインを飲んでみてください。ピノ・ノワールはタンニンが少なく、渋味は控えめ。洗練された酸味と芳醇なフルーツの香りで、軽めな口当たりが特徴なワインです。もし、「もっと飲みやすいのがいい」と感じたら、「カベルネ・フラン」や「マスカット・ベリーA」という品種のワインを飲んでみてください。これらはよりすっきりとした味わいになっています。

STEP
濃厚な味が気に入ったなら、
メルローを飲んでみる。

逆に、カベルネ・ソーヴィニヨンの濃厚な味が気に入って、もっとこんな感じのを飲みたいと思ったら、「メルロー」という品種のワインを飲んでみてください。メルローは果実味豊かでどっしりとしたふくよかな味で、かつ、渋味が少ないのが特徴です。もし、「もっと濃い味がいい」と感じたら、「シラー」や「ネッビオーロ」という品種のワインを飲んでみてください。これらは、より濃く、渋味の強いワインになっています。

このように、赤のカベルネ・ソーヴィニヨンと、白のシャルドネを起点とした、六つの品種のからできるワインの味を頭に入れておけば、その日の気分や食べ物に合わせてだいたいのワインを選べるようになります。

六つの品種の中には飲んだことのあるワインもあると思いますが、これを機に特徴を意識しながら飲んでみてください。

品種の特徴を意識しながら飲むことで、まずいと思っていたワインがおいしく感じられるようになるかもしれません。

ぜひお試しください!

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