怪異備忘録④ 耳の穴が青く染まった話

お風呂に入ったとき、タオルで耳の穴をふいたらなぜか青く染まっていたというお話。過去に2回ありました。今もって原因はまったくわかりません。

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1回目:お寺の前を通った日

あれは土曜日か日曜日か、とにかく休日。某ターミナル駅周辺に買物に出かけ、帰りに近くにある大通りに面したお寺の前を歩いて通ったのです。真昼間で、お寺の外には墓地の分譲をするというので長テーブルを出して、のぼりを立てて呼び込みをしていました。

人通りも多い広い歩道で、不気味でもなんでもない。何度も通ったことのある道です。普通に歩いて通り過ぎたのですが、ふっと、何の脈絡もなく「自分も死ぬときに独りぼっちで死んでいくのかな」と、なんともいえない寂しい気分に襲われたのです。

妙に思ったものの、歩いていくうちにそんな考えはすぐに消えて、普通に帰宅しました。そしてその日の夜、お風呂に入ってタオルで耳の穴を拭いたらば。タオルが青く染まっているではありませんか。両耳とも。

「なんじゃこりゃー」

ほかに青いものが付着しているところはなく、耳の穴だけ。その日の行動を思い返しても、青い物質がつくような心当たりがない。イヤホンも耳栓も使っていません。

まったく訳が分からず不気味でしたが、ほかに異常な点はないので、そのままスルー。

2回目:老人ホームの前を通った日

1回目から4、5年も経った後でしょうか。再び、1回目と同様に耳の穴が青く染まったことがありました。前回のことは忘れかけていたので、タオルが青く染まっているのを見てギョッ。

「まただ」

引っ越しをして住む場所も変わっていて、例によって耳栓もイヤホンも使っておらず、やっぱりそんな青いものが付着する心当たりがない。前回同様、服や持ち物にも青いものは付着しておらず、耳の穴だけ。

ほかに異常はないので、わけがわからないまま再びスルー。

ただ、その日は近所の入居型の老人ホームの前を通りました。はっきり覚えていませんが、引っ越しトラックが止まっていて、「入居者が入れ替わるということは、誰か亡くなったのかな」とぼんやり思ったような。

よく分からないなりに推論

その2回に共通する点をむりやり考えてみると、1回目のお寺にしても、2回目の老人ホームにしてもなにか「孤独な死」というものが関係しているのかもしれません。1回目のお寺は、無縁仏とかあったんじゃないかな。なんとなく。

ただ、お寺の前の道も老人ホームの前も、別の日に何度も通ったことがあって特におかしなことはないので、たまたま何かの波長が合ってしまった日に耳の穴が青く染まるのでしょうか。

いやー、いまいち説得力に欠ける。わけわからーん。なんで耳の穴が青く染まるの。

経験した人以外はなかなか信じられないと思いますが、世の中、説明のつかない不可思議現象というのはときどき起こるものです。

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