一部馬術競技での拍車の使用規定変更について (2024年)

乗馬をやられている方にとって、『拍車』というものは馬の動きを扶助する道具の1つとしてよく知られている。乗馬の技術が上がれば、コーチから拍車を付けてみないかと言われることもあるであろう。この拍車の使用について、今年馬術界でルールが大きく変わった。それについて少し触れたい。






2024年の拍車使用に関する馬術界での変更

2024年に拍車の使用ルールで私が把握している変更は、以下の2つ。

馬場馬術での拍車使用のオプション化
ポロでの拍車のサイズ制限

まず①の馬場馬術での拍車使用のオプション化について、今まで馬場馬術では拍車の使用が必須であった。これはある意味逆に驚きであり、ビットレス&ノーシューで馬術を行っている私のフランス人の友人は昔から異論を唱えていた。馬場馬術の公式競技に出るためにわざわざ拍車を付けなければならず、そのために拍車の形をした偽物のゴム製の拍車を付けていたそうだ。しかし、2024年1月1日付けを持って、FEI (国際馬術連盟) が馬場馬術において拍車の使用をオプション化した。これは馬場馬術の歴史の中で大きな変更と言えるであろう。

次に②のポロでの拍車のサイズ制限について、イギリスのHurlingham Polo Association (HPA) が2024年のポロのルールブックを変更し、ポロで使用する拍車は2cm以下で、かつ突起部分が下向きになっているもののみ使用可能とルール化した。HPAで定められるルールは世界各国でも準拠され、インドでもこれに基づき規定が変更される可能性が高いと見ている。

最後に..

私自身、乗馬は12歳から始めたが、拍車は一度も使用したことがない。ガニ股であるため、不必要な場面で拍車が馬に入ってしまうこともあるため、使用したことがない。使用したことがないため、拍車が必要かもしれないと思ったこともない。私の愛馬達はよく動いてくれ、必要な場面では鞭を見せるだけで良い。

これまで、乗馬は虐待かや、ビットレスでの騎乗について記事にしたことがある。昨今の馬術界では、”Horse Welfare”やNatural Horsemanship”というのがキーワードであるだろう。こういったルール変更が、馬術をやられている方々にとって、改めて馬と向き合ういいきっかけになれば良いと感じている。そして、拍車はあくまでも扶助道具の1つであることを改めて言及しておきたい。

最後まで読んで頂き有難うございました🙏



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