不動産投資を考える際、利回りは重要な指標の一つです。
しかし、利回りには表面利回りと実質利回りという2つの側面があり、
地域ごとに異なる相場も存在します。ここでは、利回りについての
基本をわかりやすく解説し、賢い不動産投資の選択をサポートします。

 

1. 表面利回りと実質利回りの違い

まず、利回りの基本的な概念から始めましょう。
利回りには主に2つのタイプがあります。


表面利回り:物件の家賃収入(年間家賃収入)を、物件の価格で割った値です。

式で表すと次のようになります。

表面利回り=年間家賃収入/物件価格×100

この表面利回りは、物件の価格に対する年間の家賃収入を示します。

しかし、これだけでは物件の実際の収益性を正確に反映しません。

 

実質利回り:物件の年間家賃収入から経費(管理費、税金、修繕費など)を

差し引いた実際の利回りです。式で表すと次のようになります。

 

実質利回り=年間家賃収入−経費/物件価格×100

実質利回りは、物件を運営するためにかかる経費を考慮に入れ、

実際の利益を評価する指標です。

実質利回りの方が、不動産投資の収益性をより正確に示します。

2. 地域ごとの利回りの相場の把握方法

利回りは地域によって大きく異なります。都心部や人気のあるエリアでは、

物件価格が高いため、表面利回りが低くなることが一般的です。
 

一方、郊外や地方都市では、物件価格が比較的低いため、表面利回りが高い

ことがあります。地域ごとの利回り相場を把握するためには、以下の方法が役立ちます。

  • 不動産ポータルサイトの活用:不動産ポータルサイトで地域ごとの
    物件情報を比較し、平均的な表面利回りを把握することができます。
     

  • 地域の需要と供給を調査:地域ごとに需要と供給を調査し、物件の
    入居率や家賃相場を把握します。需要が高い地域ほど、実質利回りが
    改善される可能性があります。
     

  • 不動産エージェントのアドバイス:地域に詳しい不動産エージェントの
    アドバイスを受けることで、利回り相場を理解する手助けになります。

3. 利回りだけに注目しないことの重要性

利回りは不動産投資の重要な要素ですが、これだけに注目しすぎる
ことは危険です。なぜなら、高い利回りを持つ物件が必ずしも最良の
投資とは限らないからです。


高い利回りを持つ物件は、通常、リスクが高いか、需要が低い地域にある
可能性があります
。それに伴い、家賃の滞納率が高かったり、入居者の
入れ替わりが激しかったりするかもしれません。


賢い不動産投資家は、利回りだけでなく、以下の要因も検討に入れます。

  • 地域の成長性:将来的な需要の見込みや地域の発展に注目します。
    成長が見込まれる地域は、収益性が長期的に向上する可能性が高いです。
     

  • 物件の状態:物件の現状や将来的な修繕の必要性を評価します。
    古くて修繕費用のかかる物件は、収益性を低下させる要因となります。
     

  • キャッシュフローの安定性:収益物件のキャッシュフローが安定している
    かどうかを確認します。空室率が低く、入居者からの家賃が安定している
    物件は、安定的な収益を生み出しやすいです。

利回りは重要な指標であり、初心者にとっては魅力的に思えるかもしれません。
しかし、不動産投資は長期的なビジョンと綿密な計画が必要です。
利回りを適切に評価し、その他の要因も考慮に入れながら、賢い投資判断を
行いましょう。成功に向けて着実なステップを踏んでいくことが大切です。