「ご乱心」という言葉には、「心のありようが平静でなくなることや、発狂すること」という意味があります。
心が乱れていることを表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「ご乱心」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「ご乱心」の意味は『心のありようが平静でなくなることや、発狂すること』

ご乱心の読み方は「ごらんしん」です。
語源は、心が乱れ、狂うことを意味する「乱心」に、敬意を表す接頭辞の「ご」がついた言葉です。
江戸時代前後に使われはじめたと言われています。
『ご乱心』には
- 心のありようが平静でなくなること
- 発狂すること
- 自分よりも身分の高い人物を指して言う表現
などの意味があります。
「ご乱心」の正しい使い方を例文で紹介!

「ご乱心」は、心のありようが平静でなくなることや、発狂することを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

殿のご乱心シーンは、時代劇の見どころです。
例文②

どうかご乱心なさらず、落ち着いてください。
例文③

昨日の会長の様子は、ご乱心だと言われていました。
例文④

部長のご乱心には毎回疲れます。
例文⑤

娘は今日も公園から帰りたくないとご乱心です。
【ご乱心を使う時の注意点】
「ご乱心」は、一般的には身分の高い人が心を乱している様子という意味の言葉です。
時代劇や映画などのセリフとして用いられることが多い言葉ですが、現代では政治家や有名人の常識外れな言動を揶揄する場合や、誰かが普段と違う言動をしたことに対して皮肉やユーモアを込めて使われることも多いです。
「ご乱心」の類義語・言い換え3選

『ご乱心』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 発狂
- 煩悶
- 思い悩む
類義語①発狂の意味
精神に異常をきたすこと。
引用:goo辞書

彼は、彼女の浮気がわかると発狂した。
類義語②煩悶の意味
いろいろ悩み苦しむこと。苦しみもだえること
引用:goo辞書

誰もが煩悶を抱えて生きている。
類義語③思い悩むの意味
あれこれ考えて苦しむ。思い煩う。
引用:goo辞書

高校の時、進路について思い悩んでいた。

「ご乱心」と「ご立腹」の違いは?

「ご乱心」と「ご立腹」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「ご乱心」には心のありようが平静でなくなることや、発狂することという意味がありますが、
それに対し「ご立腹」には、腹を立てることという意味があります。
「ご乱心」は目上の人が理性を失って感情が制御できない様子を表す言葉ですが、「ご立腹」は、目上の人が怒っている様子を表す言葉です。
どちらも感情の乱れを表す言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「ご乱心」は英語で『madness』

ご乱心は英語の『madness』に言い換えることができます。
英語の『madness』には
- 狂気
- 狂気のさた
- 熱狂
- 狂喜
- 夢中
- 激怒
という意味があります。
「ご乱心」の対義語・反対語は『平静』

ご乱心の対義語は、『平静』になります。
平静には
- 態度・気持ちが落ち着いていること
などの意味があり、態度や気持ちが落ち着いている様子を表す際に用いられます。

彼はどんなトラブルが起きても平静である。
心のありようが平静でなくなることや、発狂することという意味の「ご乱心」に対して、態度や気持ちが落ち着いていることという意味の「平静」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
