人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を使用者側の立場で解決します

049.新卒の会社選びは慎重に

2025年春に大学を卒業する学生への企業説明会などの広報活動が、3月1日に解禁されました。

その一方で、すでに採用内定率は30%を超えているとの報道もされています。昨年夏のインターン参加後に、企業と学生が接触して、早い段階で採用内定を出しているのでしょう。今やインターン参加は採用への近道と言えます。

しかし、充分な企業研究を行なった上で入社を決めたのならまだしも、数日のインターンに参加しただけで、雰囲気が良かったからといった表面上の印象だけで入社を決めていないでしょうか。

入社してから「違うな」と感じれば転職すればいいじゃないか、という声が聞こえそうですが、中途採用を行う企業の人事の人間から見れば、学生時代にどのような理由で入社先を決めたのかは重要なポイントです。インターンに参加して雰囲気が良かったので入社したが、いざ仕事をしてみると若手には仕事を任せてもらえず雑用ばかりだったとか、ルールが細かく堅苦しいとか、入社前に見えていなかったことが理由で転職を考える人もいます。このような人から中途採用に応募があれば、人事は、この人は先を読んで考えることができないのではないかと判断し、不合格とするでしょう。

これから就職活動を行う学生の方には、新卒で入社する企業の選択は慎重に行なってもらいたいと考えています。もちろんインターンに参加し、実際の職場を体験することも重要ですが、インターン学生には得手して良い部分しか見せないので、勘違いしてしまいがちです。

最も効果的なのは、その会社の人に話を聞くことです。会社説明会などでは、予め会社側が説明したい事を話しますので、説明会の後や別の機会に人事に話を聞いてください。歳の近い先輩社員の方が親しみやすく感じるかも知れませんが、得手して不正確な情報だったり、自身の身の回りのことしか理解していなかったりします。その点人事は、会社全体の組織とそこに属する社員のこと、働く上での制度について深く理解していますので適任です。是非、遠慮せずに人事を活用してください。

 

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