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サプリメント業界が消費者をだますのに使っている「3つのウソ」とは?



マルチビタミンのサプリが認知能力の低下を防ぐ可能性があるとの研究結果が報告されている一方、こうした研究の中には偏りがあることが指摘されているものもあり、サプリに効果があるかどうかは科学者の間でも評価がわかれています。そんなサプリメント業界が駆使している3つの先入観「天然なら安全」「いいものは多いほどいい」「何もしないより何かする方がいい」を、専門家が解説しました。


アメリカのヘルスケアサービス大手・HCA Healthcareの医学教育プログラムで非臨床教員を務めているケイティ・スレタ氏によると、アメリカ人の74%がビタミンやプレバイオティクスなどの栄養補助食品を摂取していることが、2023年の調査で明らかになっているとのこと。

なお、スレタ氏はこの記事を学術系メディア・The Conversationに寄稿するにあたり、「本論文から利益を得る可能性のある、いかなる企業や組織にも勤務しておらず、コンサルタントでもなく、株式も所有しておらず、資金提供も受けていない」ことを宣誓しています。


サプリメントは健康に大きな影響を与えかねない物質ですが、薬物のように規制されておらず、法的には食品と同様の位置づけとなっています。そのため、アメリカの規制当局である食品医薬品局(FDA)も「FDAには栄養補助食品を販売前に許認可する権限がなく、企業はいかなる承認プロセスも、安全性に関するエビデンスの提供も経ることなく、サプリメントを販売することができます」と事実上白旗をあげています。

研究教員として、長年にわたりサプリメント業界を観察してきたスレタ氏は、サプリメント業界がマーケティングを行う際に駆使している手法には、大きく分けて次の3つがあることに気がつきました。

◆1:自然への訴えの誤謬(ごびゅう)
この手法は、天然由来ならなんでもいいものだという刷り込みである「自然に訴える論証」を利用したものです。



いかに自然のものが無批判に受け入れられているかを示すために、スレタ氏は「ビタミンC」を例に挙げています。「ビタミンC」と聞くと、多くの人はオレンジなどの果物を思い浮かべつつ、感染症の予防に役立つことをイメージしがちです。一方、「インフルエンザの予防接種」というと、病院での注射や製薬会社の工場の生産ラインに並ぶバイアルが連想されます。

しかし、ワクチンが感染を予防することは臨床的に証明されている一方、ビタミンCが風邪を予防することを裏付けるエビデンスはありません

サプリメント会社のサイトや広告には、「ピュア」や「天然」などの言葉が多用されますが、「はっきり言って、『ナチュラル』と『ベター』はイコールではありません」とスレタ氏は断言しています。

◆2:「いいものは多ければ多いほどいい」という神話
天然成分のアピールに便乗して、「自然のものであれば、それはいいものに違いない。いいものなら、多い方がいいに違いない」といったイメージが売り込まれることがあります。

しかし、実際のところ人体は摂取したビタミンやミネラルを厳密に調節しているため、欠乏症などの例外を除けば、サプリメントで特定のビタミンやミネラルを大量に摂取しても、健康にいいとは限りません。サプリメントに懐疑的な人が、よく「栄養豊富なおしっこに高いお金を払っているだけだ」と主張するのは、これが理由です。



スレタ氏は、ここでもビタミンCを引き合いに出しています。多くのビタミンCサプリメントには、目立つように「ビタミンC1000mg配合」などの表記がアピールされています。ところが、スレタ氏によると成人が1日に必要とするビタミンCはせいぜい75~120mg程度だとのこと。また、ビタミンDのサプリの中には「5000IU(国際単位)」というような容量が記載されているものがあるそうですが、アメリカ国立衛生研究所は「成人のビタミンDの摂取量は1日4000IUまで」と定めています


◆3:アクション・バイアス
アクション・バイアス」とは、何もしないよりは何かをする方がいいと考えたり、行動することでなにかいいことをした気になるというバイアスです。これを利用して、サプリメント業界は何も摂取しないよりは摂取した方がいいように思わせます。

しかし、前述の通りサプリメントには1日の推奨摂取量の何倍もの成分が含まれていることがあり、場合によっては無意味どころか有害なケースもあります。

一例として、ビタミンCの摂り過ぎは下痢、吐き気、胃けいれんなどを引き起こす可能性があるとのこと。また、ビタミンDの過剰摂取は吐き気や嘔吐、腎臓結石などを引き起こす場合があります。



また、中には処方薬と相互作用し、その本来の効き目をなくしてしまったり、副作用を悪化させたりするものもあります。例えば、ヨーロッパの伝統医療に用いられてきたハーブで、サプリとしても使われているセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、避妊薬や免疫抑制剤、スタチン系薬剤、化学療法の薬などと相互作用することが知られています。

こうした点から、スレタ氏は「このようなマーケティングのうたい文句を見たら気をつけてください。必ずしも正しいとは限りませんし、健康にいいかどうかもわかりません。サプリメントを摂取しようと思ったら、主治医に相談しましょう」と述べました。






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