結婚45周年を祝うパーティを土曜日に控え、準備に追われていた熟年夫婦ジェフとケイト。ところがその週の月曜日、彼らのもとに1通の手紙が届く。それは、50年前に氷山で行方不明になったジェフの元恋人の遺体が発見されたというものだった。その時からジェフは過去の恋愛の記憶を反芻するようになり、妻は存在しない女への嫉妬心や夫への不信感を募らせていく。

 

 

 

 

 

 

こちらは2015年のイギリス映画になります

この年のベルリン映画祭で、主演男優、女優賞をダブル受賞の快挙を果たした作品で

 

あります 主演女優の シャーロットランプリング はアメリカのアカデミー賞にもノミ

 

ネートされていました 残念ながら受賞は逃しましたが、、、こちらの作品も、2人

 

の熟年夫婦 ジェフ と ケイト の生活が淡々と描かれるのですが6日間という限られた

 

日数の出来事のみでお話が進んで行きます

 

 



幸せに普段通りに暮らしていた2人の元に、ある手紙が届きます 手紙の内容は、ジ

 

ェフの50年前に氷山で遭難した彼女らしい人の遺体が、発見されたという知らせだ

 

ったのです(氷山に閉じ込められたままですから、当時の若いままの姿という事なの

 

ですが、、、)それを見た日からジェフは過去の彼女の思いにとらわれてしまうので

 

す そんな彼の過去にケイトは嫉妬していくのです

 

 



5日後の土曜日には、結婚45周年のパーティーが開かれるのですが、1日1日と、

 

その日が近づくにつれ、本人達の心のひずみ、思いのずれが、徐々に、徐々に、開い

 

ていくのです ほぼ視点は、女性側のケイトの視点で描かれます カメラも2人で居

 

るシーンなのですが、ケイトのみが画面に映っていて、より彼女からの視点である事

 

が強調される構図になっています そんな彼女の心理をよく表しているのが、ある日

 

の夜、ジェフが彼女とダンスをしようと、音楽を流しリビングで楽し気に踊ります 

 

その後、久々に2人でセッ〇スする事になるのですが、ジェフがイク寸前に、「私の

 

顔を見て」 と言うのです彼の背中に、発見されたという、彼女を感じたからではない

 

でしょうか?

 

 



若い時のままの彼女、それに想いをはせる彼、そして今の老けてしまった子供もない

 

自分様々な思いと、出来事、知らなかった過去、そして、ついにケイトは屋根裏にあ

 

ったスライドを発見し、カーテンに投影してしまうのです、そこに映ったものは、若

 

い頃のと、、!そして土曜の、結婚45周年パーティが開かれ、多くの知人達にお祝

 

いされます パーティも佳境に差し掛かり、ジェフが皆の前で挨拶を始めます いか

 

に彼女によって幸せな人生であったか、そしてこれからも一緒に頼むと、、 その時

 

のシャーロットの表情が絶妙なのであります 皆から祝福された後、「煙が目にしみ

 

る」が流れ2人でチークダンスを踊ります そして、!!

 

 



このエンディングに至るまでのフリだったのか?と思う程、何かここに彼女の全てが

 

凝縮されているようなシーンであります そんな大きなアクションでもないのに、強

 

烈な印象を残します そして今までの雰囲気に不釣り合いなエンディング曲 あまり

 

に落差があったので、これは監督の意図があると思い、曲を調べてみたのです

そしたらやはり、詞が 「僕らはもう言ったよ さよならって だから、君はもう行かな

 

くっちゃ さっさと行ったほうがいいよさあ、行け 行くんだよ、今すぐ ダーリン、

 

愛しの人よ 僕は、まだ 君に夢中なんだ、今も 」というような内容でした

これって、字幕を付けてる人が不親切ですよね~ 監督はちゃんと意味をもって付け

 

ているのにここも字幕入れてくれないと!

 

 



オデッセイを劇場で観た時も思ったのです、BGMで流れている曲が、主人公の心情

 

を代弁しているのに、字幕で歌詞を入れてくれればいいのに!ったく、、こちとら、

 

日本人じゃい~!! という事で、これがエンディングに流れるという事は、、、

 

なのです この映画は、さあ観よう!として観ないと少し退屈に感じてしまうかもし

 

れません ですが、興味深く観ると、熟年夫婦の心の歪みの映画でもありますし、見

 

方を変えると少しサイコホラーのようでもありますし、ブラックコメディとして観よ

 

うと思えばみえます

 

 



演技、画面、様々に細かい演出と意図が張り巡らされ、必要のないものは排除されて

 

います シンプルな夫婦のお話ですが、その中にどれだけの物を感じ取る事が出来る

 

か、によってこの作品の評価が分かれるかも知れません 是非、ご自分の目でお確か

 

めください日本タイトル 「さざなみ」 珍しくよくできたタイトルであります

では、また次回ですよ~! バイバイ