TODAY'S
 
勤務間インターバル制度について      働き方改革

 

 

労働時間の管理は、

労務管理の中でも

重要なものの

一つですね。

 

労働時間の長さが、

労働者の労働意欲の低下や

様々な病気の発症の原因

はたまた

労働者の離職などに

つながります。

 

適切な労働時間を

管理することが、

労働者の労働意欲を向上させ、

病気の防止、離職の防止などに

つながります。

 

💮その対策の一つに

勤務間インターバル制度があります。

 

勤務間インターバル制度の

導入により

労働者の一定時間の睡眠時間や

生活時間を確保でき

これらの問題を回避することができます。

 

    

【勤務間インターバル制度とは】

 

終業時間から

次の始業時間までの間に

一定時間以上の休息時間を

確保する制度です。

 

 

◆ 現在は努力義務 ◆

 

勤務間インターバル制度は

事業主の努力義務となっています

 

 

勤務間インターバル制度に

関係する法律

 

【労働時間等設定改善特別措置法】

事業主の責務(2条1項)

 

事業主は、その雇用する労働者の

労働時間等の設定の

改善を図るため、

業務の繁閑に応じた労働者の

始業及び終業の設定、

健康及び福祉を確保するために

必要な

就業から始業までの時間の設定、

年次有給休暇を取得しやすい

環境の整備

その他の必要な措置を

講ずるように

努めなくてはならない。

 

 

このように業務の繁閑に

応じた労働時間の設定や、

年次有給休暇の取得について

環境の整備などの措置が

努力義務となっています。

 

勤務間インターバル制度の

インターバル時間は?

 

業種や職種などにより適切な

労働時間が異なることもあり

法律で特に決まっているわけではありません。

 

厚労省の資料

によると

休息時間9時間から11時間が

推奨されています。

 

 

 

インターバル時間の

設定

 

 

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インターバル時間設定に

あたって考慮する事項

=============

 

・労働者の生活時間

・労働者の睡眠時間

・労働者の通勤時間

・交代制勤務等の

 勤務形態や勤務実態

 

などを十分に考慮して

インターバルに時間を

決めていくことになります。

 

原則は、すべての労働者に

対して

一律のインターバル時間数を

設定します。

複数のインターバル時間の

設定、

特定の労働者に対しては異なる

インターバル時間を設定することも可能です。

 

 

◆複数のインターバル

       時間設定◆

 

11時間は望ましい水準、

 9時間は最低限確保して

        ほしい水準

  など

 

 

◆職種で分ける場合◆

 

営業職は

 インターバル時間11時間

その他の職種は

     12時間

 など

 

 

※労働者の聞き取りなど十分に

 話し合いが必要です。

 通勤時間もインターバル時間 

 に含まれるため

 労働者の通勤時間も

 考慮しなくてはなりません。

 

 

 

 

==============

インターバル時間を

確保することによって

翌日の始業時間を

超えてしまう場合の取り扱い

==============

 

勤務時間が深夜に及んだ

場合など

インターバル時間の

確保のために

翌日の勤務開始時間が

始業時間を超えてしまう場合の

対応が必要になってきます。

 

 

【対応の一例】

インターバル時間を確保することによって

翌日の始業時間を超えてしまう場合の対応の一例

 

・インターバル時間と

 翌日の所定労働時間が

 重複する部分を働いたものと

 みなす。

 

・翌日の始業時間時刻を繰り下

 げる。

 

など

 

出典:厚生労働省ホームページ

   【PDF】

   労働時間等設定改善法

   労働時間等見直し

   ガイドラインについて

 

https://www.mhlw.go.jp/content/000493467.pdf

 

 

    

【例えば】

ある会社では、インターバル時間

11時間とした

勤務間インターバル制度を

導入しています。

 

この会社の就業規則

 

ーーーーーーーーーーーーー

       就業規則

 

(勤務間インターバル)

○条 いかなる場合も、

   労働者ごとに

        1日の勤務終了後次の

   勤務までに

    11時間の継続した

    休息時間を与える

 

 2  前項の休息時間の

    満了時刻が、

    次の勤務の所定始業時

    後に及ぶ場合、

    翌日の始業時間は前項の

    休息時間の満了時刻まで

    繰り下げる。

      (以下 省略)

ーーーーーーーーーーーーー

 

この会社の所定の労働時間

 

始業時間 朝9:00

終業時間 夜18:00

(休憩1時間)

 

 

ある日、残業があり

終業時間が21:00となった

 

この場合は翌朝9:00まで

インターバル時間は

 12時間となります

 

この場合は問題はありません。

 

 

では、

ある日、残業があり

終業時間が23:00となった。

 

この場合は

インターバル時間が

10時間となります。

 

そのため。就業規則の規定に

従い始業時間を1時間繰り下げて

 始業時間10:00とします。

 

 

 

勤務間インターバル制度導入のメリット

 

==============

 勤務間インターバル制度の

  導入により得られるメリットは

 

・労働者の健康維持、向上

・労働者の確保、定着

・生産性の向上

===============

インターバル制度の導入により

労働者の睡眠時間の確保などによる

病気などの発症リスクの低下、

家族や友人と過ごす時間の

確保による

ワーク・ライフ・バランスの充実、

仕事とプライベートの

メリハリによる

労働者の仕事への集中度の高まり

等の効果があります。

 

 

勤務間インターバル制度導入するには?

 

 

勤務間インターバル制度の

        導入の手順

 

・(1)~(4)を

  労使による話し合いが

  必要です。

・運用方法の見直しなどにより 

  (2)~(4)

   ループさせます。

 

(1) 制度導入の検討をする

(2)制度の設計

(3)制度を導入し運用する

(4)制度の内容・運用方法の

   見直し

 

 

【制度導入に必要な手続きと

           確認】

 

・就業規則で定められている

 労働時間の規定の確認

・労働者の通勤時間等の把握

・交代制勤務の場合の

 勤務パターンの把握

・制度の対象者

 (基本は労働者全員を対象)

・就業規則に

 勤務間インターバル制度の

 規定を定めます。

・労働組合などある事業所で

 は、組合と使用者の双方で

 労働協約による

 勤務間インターバル制度

 について締結します。

・勤務間インターバル制度を

 労働契約書にも

 規定を記載します。

・インターバル時間を

 確保することによって

 翌日の始業時刻を

 超えてしまう場合の対処方法

・インターバル時間を

 確保できないことが

 認められるケースの設定

・インターバル時間を

 確保できなかった場合の

 対処方法

・労働時間管理方法の見直し

 

 

 

=============

インターバル時間の

確保ができない場合の設定

=============

 

緊急事態や、トラブルなどの

対応のため

インターバル時間が確保

できないときの

適応除外規定

(適用除外の範囲、

健康確保処置、申請の方法など)

を定めておきます。

 

◆適応除外の例◆

 

・重大なクレームに対する業務

・突発的な設備のトラブルに

 対応する業務

・予算、決算、資金調達等の

 業務

・労働基準法33条の規定に

 基づき災害その他避ける

 ことができない事由によって

 臨時の必要があるとき

・海外事案の現地時間に

 対応するための電話会議、

 テレビ会議

など

 

 

============

インターバル時間を

確保できなかった場合の

対応方法を考えます。

============

 

・インターバル時間を

 確保できない状況に

 至った経緯の把握

 

・インターバル時間を

 確保できなかった労働者の

 健康確保措置

 

・インターバル時間を

 確保しやすい環境づくりに

 向け職場全体で

 対応策を考える

 

など、対応や措置について考えます。

 

 

●インターバル時間を

 確保しやすい環境作り

 必要です。

 

 ・管理職と部下である

  労働者が

  コミュニケーションをとり

  労働時間や休日について

  理解しあい、

  業務量の調整、業務計画

  などを行っていきます。

 

・経営層が勤務間インターバル

 制度の運用に関し

 積極的にメッセージを送る

 ことにより、積極的の

 この制度に関与することを

 明確にします。

 

 

【中小企業向けの

    助成金もあります】

 

働き方改革推進支援助成金

 勤務間インターバル

       導入コース

 

【取り組みとして】

・労働効率を増進するために

 設備、機械などを導入

・労務管理機器や

 ソフトウェアを導入

・外部の専門家

 (社労士、中小企業診断士

  など)による

  コンサルティング実施

 

などを実施し成果目標を達成してください。

 

 

【成果目標】

・新規導入

・適用範囲の拡大

・時間延長

 

【助成額】

助成対象となる取り組みの

実施に

要した経費の一部が

助成されます。

 

最大580万円が

    助成されます。

 

 

    

勤務間インターバル制度は、

就業規則にその旨の規定を

設ける等の

手続きも必要ですが、

大事なのはこの制度を労働者が

活用できる

職場作りと制度の設計が

必要になります。

 

管理職と労働者の理解と協力が

必要になります。

残業を減らす、シフトを

見直すなどの

労働時間の見直しから

そのための賃金の変動、

労働力の再分配

(労働時間が多い部署の人員を増やすなど)様々な見直しが必要になります。

 

 

勤務間インターバル制度は、

現在まだまだ

普及はしておりません。

 

 

この制度、インターバル時間の

確保が

もともと取れていて

問題のない会社には、

あまり関心を持たれません。

(残業が少ない会社などは

関心を待たれないようです)

 

現在はまだ、努力義務

ということもあり

それほど普及もしていません。

 

最近の統計を見ると、

勤務間インターバル制度の

導入予定はない、

検討もしていない企業が

令和3年80.2%

令和4年80.4%と

なっています。

 

導入している企業は

令和3年4.6%

令和4年5.8%

となっています。

 

ほんのちょっと増えてます。ウインク

 

政府は2025年度までに

制度導入企業割合15%を

数値目指としているみたいです。

 

EU加盟国ではすべての労働者に

24時間ごとに、最低でも

連続11時間の

インターバル時間を

確保するために

必要な措置を設けなくては

いけないそうです。

 

 

この制度は、

シフト勤務のある会社や

病院など24時間稼働している

職場などでは、

次のシフト時間まで

しっかりと休息時間を

与えるということで

勤務間インターバル制度の

導入により

労働環境が良くなる

のではないのでしょうか

 

 

===========

インターバル時間の

確保が必要です

===========

 

以下の場合には、

一定時間以上の休息時間

(インターバル時間の確保)

が必要です。

 

 

特別条項を定めた36協定により

限度時間を超えて労働させる

労働者に対する健康・福祉措置

としての

インターバル時間の

確保があります。

 

 

特定の医療機関で

一定時間以上働く

特定医師の方には一定時間以上の

インターバル時間の確保が

義務になっています。

 

 

高度プロフェッショナル制度では

健康・福祉確保措置の

選択措置の

一つとして

インターバル時間の確保

(11時間以上)

+深夜業の回数制限があります。

 

 

 

労動時間の管理などの

労務管理に

関することから

就業規則の見直しなど

職場の

より良い環境作りの

お手伝いを

労働法の専門家

社会保険労務士が

お手伝いいたします。

 

 

 

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詳しく知りたい方はこちらから

 

出典:厚生労働省ホームページ

   勤務間インターバル制度導入

   運用マニュアルを

   作成しました

   【PDF】

https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/assets/img/download/pamphlet_img_08.pdf

 

 

出典:働き方・休み方改善

   ポータルサイト

 

 

 

出典:厚生労働省

   (PDF)令和4年

   就労条件総合調査の概況

 

 

出典:厚生労働省ホームページ

   働き方改革推進支援助成金

   勤務間インターバル

   導入コース

 

 

 

では、また・・・

 

 

 

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