優柔不断で公務員から転職に踏み出せないあなたへ

書評

転職しようと思っても、転職先がもっといいとは限らないし、もっと悪くなるかも…

そんなことを考えながら転職サイトを見ては気を紛らわして、気づいたら一年が経ってた…

これわたしです。

本記事は、転職に踏み出せないあなたに読んでいただきたい、「なかなか自分で決められない人のための『決める』技術」(以下、本書)という本のレビューになります。

転職活動が怖くて踏み出せない方に刺さる内容が書かれていましたので、ピックアップしてご紹介します。

「なかなか自分で決められない人のための『決める』技術」の概要

本書の要旨は、「おわりに」に記載された文章から読み取れます。

多くの人は「決める」と「思っている」を混同しています。決めたと思っているだけで、実際には決めていないことが多いのです。

本当の「決める」には、行動が伴います。「決める」と「やる」はセットなので、行動の伴わないものは、決めたとは言いません。ただ思っているだけです。

このような「思っているだけ」を「決める」に変え、さらに決めたことを「続けて」いくことで、あなたはあなたの望む幸せと、その先にある成功を手に入れることができるのです。

「なかなか自分で決められない人のための『決める』技術」おわりに

本書の構成は以下のとおりで、「決める」とはどういうことか、早く「決める」にはどうしたらいいかについて、「決められない人」と「決断できる人」を比較しながら解説していきます。

第1章:決められない理由

第2章:「決める」ということの本当の意味

第3章:物事を早く正しく決めるノウハウ

第4章:「決断力」がアップする習慣

第5章:決めたことを続けるコツ

「決められない人」はなんとなく人生を歩んでいる

本書の初っ端で、

「決められない人」なんとなく人生を歩んでいる

「決断できる人」自分の人生を経営している

と書かれています。

自分の人生は会社経営と同じだ、というのはありふれた言説ですが、この意味についてもう少し踏み込んだ解説があります。

具体的には、経営者は、「仕事=自ら決めて動く行動やアクション」をすべきであって、「作業=既に決められている行動やアクション」に追われないことが重要であると言います。

そして、経営者の決める量と質でその会社の命運が決まるのだから、人生もこれまで決めてきた量と質の結果であり、これから決める量と質で将来の運命が大きく変わる。だから決めることから逃げてきたい人は、これから意識して決めていきましょう、と書かれています。

痛いところを突かれてしまいました。本当は決めなければいけないのに、ずるずると引き延ばしにしてしまいます。

たしかに、会社の経営にはビジョンの実現と売上(利益)の両立が必要で、そのためには漠然と経営していても赤字を垂れ流すだけで、ビジョンも実現しないまま倒産します。

それと同じで、自分の人生には、自分なりのビジョンが必要で、その実現には多くの困難があるけど、都度都度決めていかないと、なんとなく年だけ食っていって、結局自分の人生なんだったんだろうって思うのでしょうね。

「決める」と行動はセット

「決める」と行動はセットだと言います。

何かの資格を取ろうと決めたのにいまだに取れていないのは、「決めた」のではなく、「思って」いるだけだと。そしてそれが続けば、この先の人生も「こうなりたいと思っているだけの人生」になるのだから、「決める」と「行動」はセットであると説きます。

さらに、「決めた」あとは、「決めなかった」選択肢を捨てるということであり、選ばなかったものは頭から捨て去って、選んだものに集中することが「決めた」ということであると言います。

当たり前と言えば当たり前ですが、選んだ後に、別の方を選んでいればなぁ、といった「たられば」は無意味ということですね。

例えば、新卒公務員になったけど、民間に行った大学同級生と比べて給料が少ない…と嘆くのは意味がないですよね。公務員になる、と決めたのであれば、民間企業に就いているという選択肢は排除したのだから。

一方で早く決断できるようになれば、失敗したとしてもすぐに次の決断ができ、リカバリが早くなります。

転職活動でいえば、一度目の転職活動はかなりビビって尻込みするのですが、二度目三度目となれば、そこまで悩まなくなります。一度経験したものは、決断が早くなるのだから、決断を繰り返すほどに行動力も身につくということですね。

「決断できる人」=自分の幸せ・価値観をはっきり定義できている人

じゃあどうやって決断を早くしたらいいんでしょうか。

「決断できる人」は自分の幸せをはっきり定義できていると言います。つまり、経営者で言うところのビジョンですよね。

著書は「幸せとは、自分の価値観を明確にし、それを現実に手に入れた状態のこと」と定義しています。

そのため、幸せを手に入れるためには、まず価値観を明確にしておくことが大切なのだと。

これも当たり前と言えば当たり前なんですが、そこまで厳密に価値観を考えられているとそうではないかと思います。例えば、仕事は安定していた方がいいとか、食べるものは健康志向にしたいとか、ふわっとした価値観は誰しもが持っていると思います。

しかし、それだけでは不十分で、具体的には「衣」「食」「住」「遊び」「学び」「人間関係」「健康」「仕事」「家庭」の9つの分野で、それぞれ「自分にとって大切なことは何か」を10個考えて順位づけすることで自分にとって大切なものが見えてくると言います。

具体的には、以下の表を埋めて、ブラッシュアップしていけばいいと。(サンプルとして少し入れてみました)

12345678910
デザインブランド価格着心地 質         
遊び
学び
人間関係
健康
仕事やりがい給料仕事量専門性
家庭
価値観シート

ただ、価値観って一言で言っても難しいですよね。

価値観がそれぞれ独立していれば単純なのかもしれませんが、多くは相対的なものだったり、三次元ベクトル的な感じもします。

例えば、仕事で「年功序列(安定)」と「実力主義」は基本的に両立しません。安定だけど高給な仕事ってあるかもしれないのですが、極々一部。

また、家庭を大事にしたい人は、仕事が忙しくない=残業が少ない仕事を選ぶ必要があります。つまり、モーレツに仕事をすると言う選択肢を捨てると言うことになります。

頭の中でなんとなく思い描いているものはあるけど、実際に紙に落として順位づけしようとしてみると、かなり悩んでしまうかもしれません。そこまで考えてなかったなぁって。

逆に言えば、これがもう自分の価値観で揺るぎないです!!っていうものを作ることができれば、はっきりとした人生の指針=ビジョンとして使えるようになるでしょうね。

本書では、上記の他「決断力」をアップする習慣や決めたことを続けるコツについて説明があります。

興味がある方はぜひ読んでみてください。

なかなか自分で決められない人のための「決める」技術

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なお、価値観については、「仕事が辛い時は価値観を見直そう」の記事も参考にしてみてください。

まとめ

本書のメッセージはつまるところ、以下の4点に集約されます。

  • 自分の幸せを定義する=価値観を明確にする(明確でないとなかなか決められない)
  • その幸せ、価値観に向かって決断、行動する
  • 決断、行動の回数を増やせば、幸せ、価値観に合いやすい(経営者と同じ)
  • 決断、行動に失敗しても、試行回数増やせばリカバリも早い

これを転職活動に捉え直せば、以下のとおりです。

  • 自分の仕事に関する価値観を明確にする(明確にしないと就職軸がブレブレで後悔多し)
  • 転職によってその価値観にさらに近づけるかを考える
  • 転職(活動)すると決めたら、具体的に行動する
  • 仮に失敗したとしてもまた転職すればいい(幸い転職回数の多い少ないはあまり気にされない世の中になってきた)

正解がないVUCA時代だからこそ、トライ&エラーを繰り返して自分の理想に近づくことが重要ですね。

本書であらためて自分軸の大切さを再認識しました。

プロフィール
この記事を書いた人
くぼち

・30代前半で都道府県庁職員(行政事務職)から民間企業(ITコンサルタント)に転職
・公務員⇔民間の転職方法、100年時代の生き方をメインに発信
・IPAのプロジェクトマネージャ取得済み、TOEIC855

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