概要
低偏差値大学薬学部の留年率は高く、ストレート合格率は低い。
また、絞りに絞って少数精鋭で挑ませた新卒薬剤師国家試験の合格率が、決して高くない大学も存在する。
したがって、低偏差値大学薬学部の大半といってもいいぐらいの学生は、24歳以上無職として、薬剤師国家試験受験資格だけを携え、大学を卒業することとなる。
そして、薬学部延長戦が始まる。
厚労省公表データ(薬剤師国家試験のページ)を用いて、延長戦を続ける、既卒薬剤師国家試験受験率・受験者数がどの程度いるのかをグラフにした。
利用したデータ
計算式
注意点
- 新卒は、一部の大学の卒業試験等で、出願者数と受験者数に大きな乖離が生じるので、「受験者数」を採用している。
- 一方、既卒は出願した時点で基本的に受験資格があるので、「出願者数」を採用している。
- このグラフで求めた『既卒合格率』と、公表データの既卒「合格率」はそれぞれ算出式が異なる。
- 公表データの新卒・既卒「合格率」は「受験者数」に対する「合格者数」で求められる。
既卒受験者数・受験率・薬剤師国家試験既卒合格率ランキング
(見られない時はこちら)
既卒受験者数・受験率・薬剤師国家試験既卒合格率推移
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コメント
留意しなければならないのは、既卒者のなかには製薬会社など、正社員として働いているなかで薬剤師国家試験を受験している者もいる。
その傾向は、高偏差値大学薬学部出身者に多く、ちゃんと職に就いているのなら、必ずしも薬剤師にこだわらなくてもいいといえる。
実際に何度も何度も受験する高偏差値大学薬学部出身者もいて、その動機は、6年制薬学部にケリをつけたいなど、免許を用いてすぐに働くという動機でないこともある。
もちろん、卒業時は薬剤師免許なんて不要と思っていたのに、会社で何かがあって、必要に迫られ、受験しているという者もいるだろう。
このグラフでは用いていないが、高偏差値大学旧4年制薬学部出身者の受験者も未だに存在し、受験動機を想像するとドラマがあるのでは?と思ってしまう。
しかし、多くの者は職歴なしのアラサーで、薬剤師免許を取るしかない状態になっている。
もちろん、俺もそうだった。
25歳、26歳、27歳・・・とそういう厳しい状況の国家試験浪人生がこのグラフには含まれている。
あなたの志望する大学、入学予定の大学はどうだったであろうか。