実は「毛」の構造は80%以上がタンパク質。


皮膚と見た目が大きく違うため驚かれるかもしれませんが、毛も食べ物から摂取したタンパク質が分解されて体内で再合成されたものです。
被毛には食生活などの情報データが蓄えられているのです。

毛は食事の様々な成分が取り込まれており、大事な栄養素や必要のない有害なものまでいろいろなものを取り込んでいることから、髪(毛)は「体内の栄養状態を書き留めるレコーダー」とも呼ばれています。

毛髪の80~90%はケラチンというタンパク質で、残りがメラニン色素、脂質、微量元素と水分で構成されています。毛髪が化学的・物理的にも安定であると言われるのは、このケラチンが水などの中性溶媒に強く、タンパク質分解酵素の影響も受けにくいためです。

これらの特性を活かしたもので有名なものが、麻薬などの犯罪捜査での毛髪検査。

実は、水などを大量に飲めば尿検査では陰性にできる可能性がありますが、常習性がある場合、髪にはしっかりと痕跡が残っているためなのです。

このように、麻薬に限らず、髪には体内の状態が反映されています。

被毛検査は水俣病などの水銀検査でも知られており、WHOでも水銀の中毒を調べるために毛髪内の水銀濃度を採用し、世界中の研究機関で水銀濃度の測定に毛髪を利用しています。

被毛(毛髪)検査は血液や尿と異なり「慢性状態の指標」を導くことに長けているんです。