ボッコちゃん

読書

星新一のショートショートを読みました。
1本5分(本になれている人だと2,3分)で読める超短編集です。
以前に「きまぐれロボット」も読んだことがあり、そちらも感想を書いています。

本の概要

ボッコちゃん
星新一
新潮文庫

内容

ふふっと笑えたり、考えさせられるような不思議な話がたくさん入っていました。
星新一がよく書く宇宙人から見た地球のおもしろさを見せるものや、謎の薬を作る博士など、SF系のショートショートが集められていました。
特にお気に入りになったのは、

  • ボッコちゃん
  • 猫と鼠
  • デラックスな金庫
  • ゆきとどいた生活

です。少しだけ話の内容も紹介します。

ボッコちゃん

本のタイトルにもなっているお話です。
ボッコちゃんは美人な女のロボットです。
作ったのはバーのマスターであり、見た目では見分けのつかない美人なロボット、しかし、簡単な受け答えと酒を飲むことしかできません。
ボッコちゃんはバーのカウンターに置かれ、いくら飲んでも乱れないすごい美人がいると人気者になりました。
そのうちの一人の青年は、お金がなくもうバーにはこれなくなる最後のボッコちゃんとの会話で、薬を出してボッコちゃんに飲ませます。
いつもボッコちゃんの足のプラスチック管から酒を回収して客に飲ませていたバーはその後…。

猫と鼠

毎月25日にある人に金を督促している。
私は相手が殺人を行う現場を目撃し、それからは秘密を守る代わりにお金をせびっています。
相手はついにもう我慢できなくなり、私をナワで縛りあげてしまいます。
私がいなくなったりすると自動的に相手の殺人事件を明らかにする書類が公表されることになっているため、きっと乱暴なことはされないだろうとたかを括っています。
しかし、相手は、私にそっくりの人を連れてきて、こいつを私の代わりにいさせようという作戦の様です。
もう私にはなすすべがなくむくいを受ける覚悟のようです。しかし、これから私になろうというやつが明日どんな目に遭うのかを憂うのでした…。

デラックスな金庫

ほとんど全財産をつぎこんで、豪華きわまる「デラックスま金庫」を作りました。
鋼鉄製で外側が銀張りの金庫をひまさえあれば磨いたり、夜は金庫の方を向いて寝るくらい、その金庫を大事にしていました。
ある夜、覆面の男が部屋に入り、ナイフを持って脅しました。
私はしかたなく紙に金庫のダイヤルの番号を書き、泥棒は金庫を開けました。
すると、中は照明がつき、金張りで金色の光で溢れています。
泥棒は思わず中に入り、すると、赤外線のセンサーで金庫の扉は静かに閉まり、泥棒が暴れだすと自動的にサイレンが鳴りだし、警察かだれかがとんでくることになります。
私は、またこれで犯人逮捕の金一封がもらえて、金庫の内側の金の厚さが増すと静かに喜ぶのでした。

ゆきとどいた生活

生活の全てがロボットや自動化で行われる世界です。
テール氏は保険会社勤めで、今日も《声》が起こしてくれます。
《手》と呼ばれるマジックハンドのようなものが、毛布をどけ、テール氏を抱き起こして髭を剃り(溶かし)、シャワーを浴びさせ、香水をつけて、清潔な服に着替えさせてくれます。
《手》は朝食の準備をし、テール氏を食堂に座らせます。時間が経つと、食器も片付けてくれます。
食後には薬を飲みますが、今日はテール氏は飲まないようです。
時間になると、出勤の時間です。《手》はテール氏を繭型の乗り物に入れ、その乗り物は年のいたるところに行き渡っているため、乗るだけで会社まで着くことができます。
会社の玄関に着くと、同僚がテール氏に顔色が悪いと声をかけます。
乗り物から出ないテール氏を心配して同僚が手をひっぱると、「冷たい」となります…。
いつから亡くなっていたのでしょうか。

感想

ひとつひとつはとても短い話でサクッと読めます。
あまり普段小説を読まない人でも楽しんで読めるかと思います。
不思議な話が多いので、読んでて飽きず、ずっと楽しめますね。

興味のある方はぜひ読んでみてください!

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