“ウガンダでナイル川の源泉を見る旅(後編)”

前編からの続きです。

ヴィクトリア湖から始まるナイル川の河口にあるのがJINJA村だ。
だからと言って観光客でにぎわっている、というような風情は無い。
ここはウガンダの首都から約100kmも離れた場所である。
周辺は自然と公園で整理はされているものの、地元民以外の人影はほぼ皆無であった。

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インド独立の父、マハトマ・ガンディーの遺灰は各国・複数の場所で埋葬や散骨されたが、このナイル川源泉の地でも散骨されている。
ガンジス川や南アフリカに加えてこの地でも散骨されたとは知らなかった。
この胸像は1997年に除幕式を迎えていることからも分かるように、彼の死後50年近くを経て、残された遺灰の一部がこの地まで運ばれたそうである。

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上記の看板の説明に出てくるジョン・ハニング・スピーク(John Hanning Speke)は
イギリスの探検家で、このヴィクトリア湖とリポン滝を命名し、
ヴィクトリア湖がナイル川の水源であると主張したことでも有名だ。

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因みにヴィクトリア湖の面積はびわ湖の約100倍で世界第三位の面積を誇る。
第一位はカスピ海、二位は北米のスペリオル湖。
びわ湖の100倍と言われてもピンとこないかもしれないが、北海道の面積の約8割と言えばイメージが湧くだろう。勿論、アフリカ最大の湖である。

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ごくごく大雑把にイラスト化すると、
ナイル川はイメージとして上記の赤線のようになる。

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網で魚取りをするJINJAの村民。

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上写真中央に見えるコンクリートブロックがナイル川の基点とされるモニュメントだ。
つまり、ヴィクトリア湖から流れ出る川はナイル川しかないので、
この場所がヴィクトリア湖とナイル川の分岐点=ナイル川の基点、となる。

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撮影している自分も同じようなボートに乗り込み、ヴィクトリア湖上散策している最中。

(上写真)湖底から湧き出る水で水面が波打っているのが分かる。
まさにここが「ナイル川の源泉」と言われる所以である。
一方で、ヴィクトリア湖に注ぎ込む河川は何本もあるので、
それらの河川の源流こそがナイルの源泉だと言う議論は今も続いている。

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こうした湖面や自然を眺めることは不思議と飽きない。
出来れば一泊してでものんびりと過ごしたい気持ちに駆られるのは筆者だけではあるまい。

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ナイル川の船上から「Jinja Railway Bridge」を臨む。

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「ナイル川の源泉」観光も終えたところで、一路、首都カンパラへと帰途につく。
途中でコカ・コーラ工場を見学する機会を得た。
コカ・コーラの凄いところは、工場を世界中に建設して原液以外の材料は現地生産している点。YKKも同様な戦略でいち早く国際化、グローバル展開を図った企業で有名なことを思い出した。現地生産を多角化・拡大することで、各国で雇用を生み出し、産業の裾野を広げることにもつながる。

中東アフリカでよく言われるのが、
『自分たちは魚が欲しいのではない。どのように魚を釣れるのかのノウハウが欲しいのだ』

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この日は生産ラインが止まっていたが、安定したコカコーラの味は略オートメーションによるもので
設備投資産業と言うことが良く分かる。

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無事にカンパラ市内に到着。
今回の宿は真新しいKAMPALA SERENA HOTEL。


市内の喧騒と緊張とは無縁のゴージャスなホテルで、アフリカにいることを忘れるような快適空間を創出するのがこの手の5☆ホテルの常套手法だろう。
正に非日常空間という言葉を地で行くホテルであるが、アフリカでは身に染みて感じる。

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(2024/4/25公開)32564      ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2023年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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2 Comments

  1. 鈴木隆浩

    こんにちは。tommyさんののブログを読んでいると、なぜだか、いつもヘミングウェイを感じてしまいます。ヘミングウェイが冒険やってる感じ。憧れます。

    1. ゼンマイオヤジ

      アフリカはあらゆる意味で「野生」を感じる場所ですが、今日も為替が対ドル156円台と急落の一途ではその「野生」も益々遠のいて蜃気楼の如し。

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