みなさんお久しぶりです! 

11月半ば、ニュージーランドでの演奏旅行中に投稿してからあっという間に3ヶ月も経ってしまいました...。
とにかく消化に時間のかかるらしい私の頭。お父様からのブログ書いてくれの要請を全無視し、クリスマス、正月、それがどうした。。とひたすらぼけ〜と過ごし続ける。
大晦日からは大風邪を引き、やっと治ってきたかなと思った頃にはオーケストラのオーディションの日が近づいてきて慌てて準備。そんなこんなで、あっという間に2月となってしまったのでした。
オーケストラのオーディションとはなんぞや!といいますと、その名の通りオーケストラに入団するためのオーディション。
各オケにだいたい3〜4人のクラリネット吹きが所属していて、ポストに空きが出次第募集開始。受験者がそれぞれ同じ課題曲を吹き、最後まで残ったやつが入団の権利を手に入れる。しょっちゅう募集が出るわけじゃないのに世界中からいろんなクラリネット吹きが受けに来るので、なかなか熾烈な戦いが繰り広げられている。
ヨーロッパのオケのオーディションはコロナが始まったくらいの頃から受け始めているけど、これがなかなかにストレスフルで辛い。
ある時期には、吹いている途中に「怖い」という言葉で頭がいっぱいになってしまってまともに吹けなくなり、非常に苦労した。
音楽家用、スポーツ選手用、いろんなメンタルトレーニング本を読み漁り、人に話を聞き、いろーんな方法や心持ちを試したけどなかなか上手くいかない。
楽器を吹くのが上手いやつなんてわんさかいる。自分はそんな中で肩を並べて吹くに値する人間なんだろうか、なんて思うこともしょっちゅうだった。
この前の秋にオーディションを受けた時のこと。精神的にもかなり回復し、自信を持って受けたのにまたしても思うように吹けず1次審査敗退。
コンサートでは上手くやれるのに...オーディションもコンサートみたいに吹けたらいいのにな、と愚痴っていると知人から一言。
「人との関わりがないからそれは無理だよ!」
この言葉がみょーに頭にずっと引っかかっていた。
それから間もなくしてニュージーランドに出発。たった3週間の出来事だったけど、私の考え方に大きな大きな影響を与えたらしい。
家に帰ってきてぼ〜っとしているうちにふと、「オーディションって人との関わりないんだっけ?」と疑問に思う。
ヨーロッパのオケの1次審査は基本的にカーテン審査。衝立てで隠されてはいるが、その向こうには聞いている審査員が必ずいる。
コンサートで頑張れるのは、お客さんをがっかりさせたくないからだ。何か感じてほしい、驚きを与えたい、時間の無駄だったと絶対に思ってほしくない。ニュージーランドではとんでもないバッドコンディションでの本番もたくさんあったけど、その一心で14回のコンサートを乗り越えた。
オーディションも同じだ、審査員に何かを感じてほしい、驚かせたい、時間の無駄だったと思ってほしくない。私は批評されるために吹いてんじゃない!
大学に入ったばかりの頃だったか、お父様が「人のために働きたかったから今の仕事を選んだ!」のようなことを言っていた。
その時は、ほーん、くらいに思っていたけど、楽器を続けるうちに嫌な思いもいっぱいして、「人のためなんか考えてたら潰される!置いていかれる!」と、努めてエゴイスティックに、自分のことを一番に優先して考えるようになった。吹くのだってなんだって、自分のためでしかないんだ。
それがどうだろう、結局人のために吹くことが自分にとって一番力の出せることなんだ!と思い始めている。ぐるっと一周回って戻ってきたような気分だ。
そんな心持ちで挑んだ今回のオーディション。今までとは別人のように、自分のやりたい演奏をかますことに成功!それなりに手応えもあって期待したけど...人生そう上手くはいかず。応募者数は100人だった。壁は厚い。
今までの自分だったら、箸にも棒にもかからない自分があまりにも情けなくてカッコ悪くて、オーディションのことなんて絶対にブログに書きたくなかったんだけど、なんだか「まぁいいか」という気持ちになったので、つらつらと書いてみたのでした...




パリはインフルやらコロナやら大流行。まだまだ寒い日が続きますが、皆様も体調にお気をつけください




