白梅に佇ち白梅の香を纏ふ
「方円」2017年5月号円象集掲載。
枚方・山田池公園梅林での一コマ。ここは家から車ですぐ行けるところで、よく出かけては句作に励む。どうしても色合い的に紅梅の方が目立ってしまうが、白梅も負けじと美しい花を咲かせる。そんな白梅の前に立って、じっと眺めて一句捻ろうとする。粘り強く考えているうちに、そのうち体中が梅の香りになるのではないかと考えたときに、ふと思いついて詠んだ句。
梅に含まれる成分は、神経伝達物質の合成や脳の活性化に関わっており、その香りにはストレスを軽減し、リラックスした状態に導く効果があるという。確かに独特の心地よい香りがするが、紅梅と白梅で香りが違うという話は聞いたことがない。しかし、紅梅の前に立つと紅梅の香りを愛でて、白梅の前に立つと白梅の香りを愛でるのが人間というもの。その一方、梅林を遠くから俯瞰すると、紅梅の香りも白梅の香りも「梅の香り」と総称するようになる。同じ香りでも、視点の違いによって、違うように思えてしまう。人間の頭というものは不思議なものだ。いろいろな視点から物事を見る、柔軟な頭を持ちたい。
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