クリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」見てきた
日本で2024年3月29日に公開された映画「オッペンハイマー」を見てきました。
クリストファーノーラン監督の最新作ということで非常に楽しみな作品でした。
感想を書いていきたいと思います。
あらすじ
ノンフィクションの映画なのでネタバレもないと思いますが、軽く紹介します。
オッペンハイマー博士は世界初の原子爆弾を開発した「原爆の父」として知られる理論物理学者です。
本映画は博士の生涯を記した伝記小説となります。
映画は博士が公聴会で過去を振り返る形で進められます。
最初は大学のシーンから、そして原爆を開発する経緯が語られていきます。
その中で、ニールスボーアやハイゼンベルク、アインシュタインと言った、歴史的な偉人たちとの交流も描かれています。
登場人物
映画を見ていて、登場人物の知識があった方が楽しめる映画かなと思ったので代表的な人物を紹介します。
ニールス・ヘンリク・ダヴィド・ボーア
1885~1962
デンマークの理論物理学者
量子力学の確立に貢献した物理学者です。
1922年にノーベル物理学賞を受賞しています。
20世紀初頭の物理学に様々な貢献しており、相対性理論の確立者であるアインシュタインと双璧を成すと称されます。
アインシュタインとは量子力学の基礎論の分野で、多くの議論を戦わせました。
量子力学に反対したアインシュタインを説得しようとして、アインシュタインの「神はサイコロを振らない」という手紙に「神に何をなすべきか、何をなさざるべきかを貴方が語るなかれ」と反論したというエピソードがあります。
ヴェルナー・カール・ハイゼンベルク
1901~1976
ドイツの理論物理学者
31歳の若さでノーベル物理学賞を受賞しています。
量子力学の確立に貢献した物理学者です。
当時のドイツはナチスが台頭していて、同僚の多くがドイツを去りますが、ドイツに残って研究を続けました。
アルベルト・アインシュタイン
1879~1955
ドイツの理論物理学者
20世紀最高の物理学者とも称される。
光電効果の理論的解明によってノーベル物理学賞を受賞した。
特殊相対性理論や一般相対性理論が有名。
作品情報
作品
製作費は約1億ドル
公開16日後に5億ドルの興行収入を突破しました。
伝記映画としては「ボヘミアンラプソディ」や「アメリカンスナイパー」を抜いて歴代一位
第二次世界大戦を扱った映画としても歴代一位
ゴールデングローブ賞では8部門にノミネートされ、5部門で受賞
アカデミー賞では13部門にノミネートされアカデミー作品賞を含む7部門で受賞
監督
監督はクリストファー・ノーラン(1970~)
代表作は「インセプション」や「インターステラ―」、「テネット」などたくさんのヒット作があります。
「複雑な時系列操作」、「奇抜なプロット」、「スタイリッシュな映像」、「主人公が潜在的に抱える孤独感/トラウマ」などの特徴があります。
作品が難解なことも多く評価がわかれることも多いです。
感想
見てきた後に感じた印象を書きます。
面白い点
原爆の爆発する音がいい。
内臓を揺さぶられるような音響は映画館ならではです。
ボーアとかアインシュタインとかハイゼンベルクとか教科書や書籍で目にしたことがある科学者が出てきた人が登場するシーンはムネアツです。
もっと物理学をしっかり勉強したことがある人はさらに楽しめるかも。
あまり知らなくても、物理学者の世界が体験できるようでとても面白いと思います。
微妙な点
場面転換が多いです。
公聴会とのシーンを行き来するのですが、後半は多すぎてちょっと追うのに疲れました。
物語が大学生あたりから始まるので、NHKの映像の世紀などで見たことがある人は特に新事実は無いかも(ノンフィクションだから当たり前ではある)。
基本オッペンハイマー博士が優秀だから、よくある挫折シーンみたいなものがなくて、展開がのっぺりしている印象。
変に改悪されたりはしていないからいいのかな?
まとめ
アカデミー賞を獲得したクリストファーノーラン監督の映画でした。
多くの人があまり知らない物理学の深淵な感じを体験できる映画です。
3時間と長いのですが、面白いと思いました。