CRAGSMITH pack 45L(クラッグスミス)を1年間使った感想【道具レビュー】

パタゴニア クラッグスミス レビュー

こんにちは、のりです。

今回の記事はpatagoniaのCRAGSMITH pack 45L(クラッグスミス パック)というバックパックのレビューです。

(2023年4月時点で2年ほど使用しています)

すごく気に入っていて、クラッギング用バックパックの最適解だと思っています。が、クラッギング専用に作られているので、決してオールマイティなバックパックではありません。

用途を限定するけれどハマれば最高の道具という感じで、そのあたりを正直にレビューしていこうと思います。

ちょっと長いですが、クラッグスミスの購入を悩んでいる人がいたら参考にしてみて下さい。

CRAGSMITH(クラッグスミス)の長所

大きく開くから、ギアを取り出しやすい(整理しやすい)

クラッグスミスの特徴は、なんといってもメインコンポーネントへのアクセスの良さ。ジッパーが大きく開くところです。

一般的な上部が開口するザックだと、下の方に入っているモノが見えなかったり、取り出しにくいという欠点があります。岩場についたらギアを取り出して、シートの上に広げるという人も多いんじゃないでしょうか。

クラッグスミスなら、ジッパーを開くだけ。生地が丈夫で箱状の形状をキープしていくれるのでグチャっとしないのも気に入っています。クラッグスミスの中でギアが整理されているというのがイイんですよね。

荷物が散らからないからモノを無くしにくいというメリットもあります。僕はすぐにモノを無くすのでこれは結構重要。

小物入れ。テーピングなどを入れています。

(写真)スマホ、財布は落とさないようにジッパー付きのポケットに入れています。

背負う面が汚れない

前述したように、メインコンポーネントの開口部が背面(ショルダーハーネスがある面)にあります。

地面に置いたときには表面が接地することになるので、背面には砂や土がつきにくい。つまり背負ったときに服にも土や砂で汚れにくいんです。

よく考えられたデザインで、地味だけどすごく気に入っているポイントです。

ロープを外付け出来る

45Lのサイズならロープの外付けの必要はほとんど感じませんが、出来るにこしたことはないです。

例えばカメラを持っていきたいとき。そんなときはロープを外付けすればスペースができます。

クラッグスミスは、サイドのバックルで固定するので、ロープがフラフラしなません。アプローチ中にロープが枝に引っかかりにくいのがいいですね。

引っかかるとうっとうしいし、そもそもバランス崩したりして危険です。

クラッグスミスでロープ外付けするときはサイドのバックルで固定する

デザインがかっこいい&その他の特徴

デザインがかっこいいのもクラッグスミスの良いところです。

見た目がシンプルでスッキリとしている。機能美というのはこういうことなのか、というくらい惚れ惚れするデザイン。これは好みの問題ですが、ブラックカラーはメーカーロゴが目立たないのも良いですね。

サイドのメッシュポケットはトポが丁度収まる大きさで、クラッギングのために作られているんだな〜と感じます。メッシュポケットは伸縮性のある生地なので、ナルゲンボトルくらいなら収納できます。

生地も厚く、630デニールのナイロン繊維織りで引き裂き強度、耐摩耗性の高い素材です。もちろんその分重量はあります(1131kg)

また、撥水性のある素材なのでちょっとした雨なら大丈夫です。

CRAGSMITH(クラッグスミス)の短所

同容量のバックパックに比べると、ちょっと重い

クラッグスミスは、同容量のザックと比べると軽量とはいえません。ただ、これは厚くて上部な生地をつかっているため。頑丈さとトレードオフなので仕方ないかなと思っています。

基本的な用途はクラッギングなので、アプローチは長くても2時間くらい。重さも20kgを超えることはないので、そんなに気になりません。

止水ジッパーではないので大雨には弱い

生地は撥水加工が施されているので、多少の雨なら気になりませんが、ゲリラ豪雨とかだと流石にジッパーから浸水してきます。バックパックレインカバーをつけるしか無いですね。

詰めすぎるとジッパー閉めにくい

U字型ジッパーという構造上、荷物をパンパンに詰めるとジッパーが閉めづらくなります。

上部が開口してコードでしぼるようなタイプのバックパックであれば、多少荷物が増えても上に伸ばすことができます。この点は、普通のバックパックに劣る点ですね。

CRAGSMITH packに用途別でギアを収納してみた

では、実際にクライミングギアを入れてみます。ぼくの用途はざっくりと3つのパターンがあります。

①スポートの場合、②トラッドの場合、③撮影メインの場合

それぞれ詳しく紹介していきます。

スポートクライミングの場合

スポートクライミングをすることが多いので、ほとんどの場合はこのギアリストでクラッギングをしています。

これくらいのギアなら余裕ではいります。

スポートクライミングのギアリスト
  • 60mロープ
  • ヘルメット
  • ロープマット
  • ハーネス
  • シューズ(2足)
  • チョークバック
  • ビレーグローブ
  • ガチャ類のポーチ
    • クイックドロー、アルパインドロー(10本くらい)
    • GRIGRI
    • ATC
    • 環付きビナ(3つ)
    • スリング(いろんな長さで4つ)
    • バックアップ用コード
    • コネクトアジャスト
  • 水(プラティパス 1L)
  • お弁当(おにぎり3つ)
  • トポ
  • ダウンジャケット
  • レインジャケット(レインパンツはなし)
  • サーマレスト Zライトソル(じゃばらを切って少し短くしてます)

トラッドクライミングの場合

スポートクライミングのギアセットに加え、BDのキャメロット#0.2~4を1セットが増えます。(1セットでは足りないので、もう1セットはパートナーに持ってもらう想定です)

スポートよりもカム類が増えた分、収納スペースに余裕がなくなりました。ということで、ロープは外付けになります。シューズはトラッドのときはTCしか履かないので1足のみ。また、ATCを使うのでGRIGRIも持っていきません。

トラッドクライミングのギアリスト
  • 60mロープ(外付け)
  • ヘルメット(外付け)
  • ロープマット
  • ハーネス
  • シューズ(1足)
  • チョークバック
  • ビレーグローブ
  • ガチャ類のポーチ
    • クイックドロー、アルパインドロー(6本くらい)
    • ATC
    • 環付きビナ(3つ)
    • スリング(いろんな長さで4つ)
    • バックアップ用コード
  • BDキャメロット#0.2~4(1セット)、ナッツ等
  • 水(プラティパス 1L)
  • お弁当
  • トポ
  • ダウンジャケット
  • レインジャケット

撮影重視のクライミングの場合

ぼくは趣味程度なんですが、クライミングの写真を撮ることがあります。壁に三脚を固定して、一眼で撮ることを想定するので、クライミング以外の道具が多くなります。トラッドと同じく、ロープは外付けします。これもけっこうギリギリです。

容量的にカム類は収納するスペースはありません。もし撮影にカムが必要になる場合は、クラッグスミスは諦めて70Lくらいのザックを使用します。

撮影重視のクライミングギアのリスト
  • 60mロープ
  • ヘルメット
  • ロープマット
  • ハーネス
  • シューズ(1足)
  • チョークバック
  • ビレーグローブ
  • ガチャ類のポーチ
    • クイックドロー、アルパインドロー(10本くらい)
    • GRIGRI
    • ATC
    • 環付きビナ(4つ)
    • スリング(いろんな長さで4つ)
    • バックアップ用コード
    • コネクトアジャスト
    • 水(プラティパス 1L)
  • カメラバッグ
    • α7c
    • レンズ2本
  • 三脚
  • お弁当
  • トポ
  • レインジャケット

似たようなクライミング用ザックとの比較

Petzl クリフ

PETZLもクラッギング用(?)のバックパックを出しています。

重量750gと、クラッグスミスに比べて軽量なのが特徴。ただし容量も36Lと少ないので、完全にスポート用に振り切っている感じですね。

クラッグスミス以上に余計なものがついていない無骨なところは個人的に好きです。これの45Lがあったらかなり迷ったかもしれません。 

MAMMUT Neon 45

クラッグスミスと同じように背面が大きく開くタイプのバックパック。容量も45Lですが、こちらは重量が1500gとクラッグスミスより約400gも重いのがネック。

公式のYoutubeではホールバッグのように荷揚げにも使えると謳っています。

Mountain Hardware Splitter Station 40

クラッグスミスを購入する前はMountain HardwareのSplitter Station 40というザックを使っていました。これもクラッギング用バックパックで、メインコンパートメントが大きく開くタイプです。

数年前にClimbing.netのクライミングフォトコンテストで入賞した時に副賞としていただいたモノで、だいたい3年くらい使ったのかな。

結構気に入っていましたが、クラッグスミスと比較すると若干見劣りします。

一番の違いは、開口部が表面になるので背負う面が地面につく(=汚れる)というところ。ロープを外付けできないのも不満がありました。容量は40Lあるんですが、形が特殊なので意外とものが入らない。サイドポケットもついていません。

こうやって比較してみるとクラッグスミスはクラッギングに必要なポイントをしっかり押さえているな~と実感します。

CRAGSMITH packを買うなら32Lより45Lをオススメします

CRAGSMITH packには32Lと45Lという2種類のサイズがあります。

もし購入を考えているなら45Lがおすすめです。理由は単純で、ギアがたくさん入るから。

32Lでは、よほど荷物を限定した使い方でないと容量不足になると思います。特にトラッドクライミングをする人は絶対に45Lがいいです。

  • スポートのクラッギングでしか使わない
  • 防寒着や雨具をもっていかない

という特化した用途なら32Lでもいいと思います。

CRAGSMITH packの特徴 まとめ

さいごにCRAGSMITH packの特徴をまとめます。

長所
  • 大きく開くから、ギアを取り出しやすい(整理しやすい)
  • 背負う面が汚れない
  • ロープを外付け出来る
  • デザインがかっこいい
短所
  • 同容量のバックパックに比べると、ちょっと重い
  • 止水ジッパーではないので大雨には弱い
  • 詰めすぎるとジッパー閉めにくい
用途別の感想
  • スポート・・・容量は十分。スポートのクラッギングには最適なバックパックです。
  • トラッド・・・カム1セットなら問題なし。2セット以上や、#5以上が必要な場合は収納力が足りないかも。
  • 撮影・・・趣味程度のコンパクトな機材なら必要十分。ゴツイ機材は無理ですね。

と、こんな感じです。

用途を限定する割にちょっと値段が高いのがネックですね。でも、スポートのクラッギングメインの人は買って損はないはず。僕は本当に買ってよかったと思っています。

生地も厚く丈夫な作りなので滅多なことでは破損して使えなくなることはなさそうですが、いつか壊れて使えなくなっても同じものを絶対に買うと思う。クラッギング用のザックはもう一生クラッグスミスでOK。(言い過ぎか・・笑)

というわけで、クラッグスミス購入に悩んでいる人の参考になったら嬉しいです。

パタゴニア ◇ クラッグスミス パック 45L ( Sedge Green )

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