自由貿易体制の終わり

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トランプ大統領は2日、全世界を対象にした相互関税を発表した

(各国一律10%プラス国・地域ごとに異なる税率を上乗せ)

 

米国は戦前の保護主義やブロック経済が不況や戦禍を招いたとの反省から、戦後は自由貿易の旗を振ってきた。ブレトンウッズ体制の柱として世界貿易機関(WTO)の前身である関税貿易協定(GATT )を1947年に創設。米国の平均関税率は当時の約8%から最低1%台登まで低下した

相互互恵主義の原則を掲げながらも、米国と相手国の貿易関係は近年、著しく不均衡なものとなった

トランプ曰く、①米国が関税を下げれば貿易相手国も下げる

       ②豊かになった国は米国経済にも利益をもたらす

       ③米国に貿易赤字は生じない

       これらの前提はすべて誤りだったし、米国経済を繁栄させるどころか

       悪影響を及ぼした

 

※自由貿易は軍事力と並んで米国主導の国際秩序をつくりあげた。米国が巨大市場を開放したことは、大戦で傷を負った日本を含む西側諸国の経済復興を後押しし、民主主義陣営の拡大と勝利に繋がった(4月4日 日経1面)

 

 

4/3日、日経新聞のグローバルオピニオン欄に、米ユーラシア・グループ社長 イアン・ブレマー氏の〈米「関税の壁」が映す政策転換〉と題する投稿記事が載っていた

 

ドナルド・トランプの大統領復帰は米国の通商政策の新たな時代の幕開けだ。彼の1期目を含む過去からの根本的な転換を意味する。米国を囲むように築こうとしている「関税の壁」は、結果を恐れない、世界経済の秩序と米国の地位を再構築する野心的な取り組みだ

 

壁の最初のレンガは3月4日に積まれた。カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課し、中国製品への関税を2倍に上げ、中国からの輸入品の累積税率を30%以上に引き上げた。

他の国が米国に設定している貿易障壁に対抗する相互関税は4月2日に実施。

トランプ大統領はこれを「解放の日」と呼ぶ。税金、補助金、為替操作、規制など同政権が米国にとって不公平とみなす関税以外のすべての慣行を考慮に入れる

 

関税の壁戦略の真の対象は中国だ

同盟国にも厳しい選択を迫ることになる

新たな冷戦のリスクは現実のものでエスカレートする可能性も高い

米中関係が破綻すれば世界経済全体に壊滅的な影響を及ぼすだろうし

トランプ大統領の通商政策が世界経済の構造に及ぼす長期的な影響はさらに重大だ

 

米国は自ら作り出した経済秩序を積極的に解体しており、世界は経済的不確実性が高まる時代に突入しつつある。世界貿易システムの創設以来、最も重大な挑戦だ

 

 

アメリカが日本の車をいつまでも自由貿易で買ってくれるのが当然だと思う方がどうかしてる

大戦後の世界の貿易システムをアメリカが作り上げたとしても、結果として現在、アメリカが貿易赤字や財政難で苦しみ、トランプがそれを立て直そうとしているのだから、他国がそれをとやかく言えるものではない。ましてその主目的は対中国であり、アメリカの安全保障なのだ。カナダやEUやら、ほんと平和ボケしているとしか言いようがない

 

日本も早い話しが、売らしてもらって、守ってもらっているんだろ

文句を言う暇があったら、法人はさっさと中国から引き上げることだ