第99回 事前確定運賃制度は常識的でした

業界・仕事説明

前回の最後に説明した以下の件ですが、

この私の意見は、事前確定運賃制度そのものがタクシーでは実際に運用されていないということが前提でした。

実際のところ第34回で以下の記事に対しての私の見解を書き事前確定運賃も触れていましたが、以下の昨年5月に制度ができた変動運賃制は

タクシーに変動運賃制、上下5割の範囲内で : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

結局は実証実験止まりで実施しているタクシー会社はないようでなので、その流れで事前確定運賃も運用はされていないものと思っていました。

ところがよく調べると、事前確定運賃は以下の通り2019年10月から始まった別の制度でした。

報道発表資料:タクシーの事前確定運賃サービスがスタートします<br>~タクシーを使いやすく、安心して利用できるようになります~ – 国土交通省 (mlit.go.jp)

なおこの国土交通省の発表では大阪でも事前確定運賃がスタートすることになっていたようですが、実際に私は聞いたこともなく、以下のサイトを見たところ大阪市では実施していませんでした。

タクシーの事前確定運賃とは?しくみ、メリット、損得、アプリの使い方 – タクシー情報 (taxi-blog.tokyo)

また近くではGOで京都市と神戸市で実施とあり、GOの配車アプリで確認しましたが、事前確定運賃制度をしているのは京都市の1社だけしか見つけることができませんでした。したがいまして関西ではほとんどなじみがないと言えますが、東京は事情が違うようです。

以下実際に東京でタクシードライバーをされているケコチさんのブログが、事前確定運賃の実情についてわかりやすかったのですが、

事前確定運賃とは?利用方法、3社のアプリと押さえておきたいポイント | ケコチWORLD (kekochiworld.com)

最後に、ケコチさんとしては「ばかばかしいし迷惑なので事前確定なんてやめてもらっていいですか。国土交通省さん。」という気持ちで、制度については「理解しなければいけないことばかりでお客様ドライバー共々面倒だと思われた方も多いのではないでしょうか。」ということで、東京でもどこまで一般的になっているのかはわかりません。

なお私自身事前確認運賃制度で一番ネックに感じていたのが、第90回 ナビの信用性についてとGOに思うことで説明していましたナビの現実の問題と改善されない点でした。ただ、その中の一つの以下については

④「一般の駐車場に案内されるので、車寄せと全然違う場所に案内される」知っていないと困る典型先はユニバーサルジャパンとリッツカールトン大阪です

4月になってユニバーサルスタジオジャパンが車寄せに案内されるようになったことに驚き、リッツカールトン大阪も修正されていました。一般の方は困らないのという疑問を持ちつつも、まさかライドシェア対策のためかと思ってしまいました。

なおホテルの付場所ですがコンラッド大阪もわかりにくいところで、

ナビではぐるっと土佐堀通まで出て四ツ橋筋左側につけるよう指示されるのですが、正解は緑のルートの中之島通りを通り最短でホテルの車寄せに付けられます。

なお、四ツ橋筋を北上してきた場合には通り過ぎて車寄せまで廻らずに(車寄せは一方通行)、ナビ通り四ツ橋筋左側で降りられるお客もいますので、ナビが百パーセント間違っているとも言い切れませんので付場所の指定の仕方は難しいところもあります。

また、事前確定運賃になったらもっとも困る以前説明した①「車が通れない狭い道を案内する」②「交通違反のルートを指示をされる」ですが、②の本町通の右折禁止をナビで確認したところ相変わらず交通違反ルートを誘導していました。

このようなナビの状況で事前確定運賃制度やライドシェアは本当に大丈夫かと思いますが、先の国土交通省の報道資料の中にある以下の説明の通り

「タクシーに乗車する前に運賃が確定することにより、「渋滞や回り道等により運賃が高くなるかもしれない」「到着するまでメーターが気になる」というタクシー運賃に関する不安がなくなり、タクシーが利用しやすくなります。」

というのはもっとものことと思いますので、ナビの改善は技術的には可能なことなので期待したいと思います。

ところで今回事前確定運賃について調べるなかで2024年3月1日付の以下の記事も見つけました。

【全国初!タクシー事前確定運賃新規導入】名古屋市大手タクシー企業つばめタクシーグループ配車アプリ「スマたく」 | 株式会社リオルサのプレスリリース (prtimes.jp)

表題を見ると「全国初!」の文字があるのでこの記事を書いた方も私と同様な認識をしていたのかも?と思ったのですが、先の国土交通省の発表の配車アプリ問い合わせ先の資料にこの「スマたく」も載っていたので、やると言いつつやっていなかった事例ではあるようです。

そして今回のこのタイミングで実施したのは、ライドシェアへの対応であることは記事にはありませんが想像できます。

なお新たに始まったライドシェアの手配画面についてはGOの東京地区で確認すると以下の通りで、

乗車地を選んで目的地を選ばず次へ進んだだけで、左側の画面が出てライドシェアも呼べるようになっています。なお、タクシー・ライドシェアの中の「条件を確認・変更」を押すと、右画面で「タクシー・ライドシェア」か「タクシー」だけかを選べます。

なお私自身GOPayの登録もしていないので、そもそものところライドシェアを呼べないのですが、システム上は可能な限りライドシェアが選ばれるような仕組みになっているようです。

また右画面のタクシーの中の「会社を選ぶ」を選択すると左下の画面となります。

左側の会社一覧を見ていただいて東京は事前確定運賃対応の会社がほとんどで、右側は別の操作での大阪の一覧ですが事前確定運賃対応の会社は一つもなく、同じ日本交通でも対応は分かれています。

ということで今回は以上となりますが、事前確定運賃制度についてはまだ言い足りないところがありますので、また機会を設けて見解をお伝えしたいと思います。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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