検査データ

クロール(Cl):尿

クロール(Cl):尿について

クロール(Cl)はナトリウム(Na)と共にNaClとして細胞外液に存在し、浸透圧や酸塩基平衡の調節に寄与します。Clの減少はHCO3-の増加を引き起こし、陰イオンの総和を一定に保つ調節機構があります。このため、水・電解質代謝異常や酸塩基平衡障害の診断には血清および尿中のクロール濃度測定が不可欠です。尿中のNaとClの排泄量は摂取量を反映し、糸球体で濾過された後、尿細管で約99%が再吸収されます。血清NaとClの差は約36とされ、これが変動すると酸塩基平衡異常を示唆します。

クロール(Cl):尿の基準値

基準値:70〜250mEq/日(約2.5〜8.9g/日)

クロール(Cl):尿 増加

【代謝・内分泌】原発性,二次性高アルドステロン血症,クッシング症候群,異所性ACTH産生腫瘍,Bartter症候群
【腎臓】高Na血症をきたす疾患,AG正常高Cl血症性代謝性アシドーシス
【その他】呼吸性アルカローシス,偽性高Cl血症,食塩過剰投与

クロール(Cl):尿 減少

【消化管】嘔吐, 下痢
【代謝・内分泌】代謝性アルカローシス,Cl反応性代謝性アルカローシス
【呼吸器】嚢胞性線維症,呼吸性アシドーシス
【その他】薬剤性(ループ利尿薬,サイアザイド利尿薬)

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