こんにちは、きよし弁護士です(弁護士細川潔、埼玉弁護士会、37962)

 

以下のような記事を見かけました。

 

3歳女児転落事故 自分で踏み台出しベランダの柵こえたか 広島

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240417/k10014424291000.html

 

労災の転落事故はしばしば記事になるところですが、子どもの転落事故に関しても、まれですが記事になることがあります。

 

国の方でも問題になっているらしく、2023年10月には、以下のような注意喚起が政府広報オンラインからありました。

 

ご注意ください!窓やベランダからのこどもの転落事故

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202107/3.html

 

ここでは「こどもの転落事故は、一人で歩き始める1歳から2歳ごろから増え始め、3歳から4歳で最も多くなっています。」とされています。

 

今回の記事にあった子どもも3歳です。

 

子どもの転落に関する裁判例を調べてみました。

 

熊本地判平成11年8月27日

 

公営住宅に居住していた者(当時1歳)が、居室内のベッドから窓の外に出て、自宅6階バルコニー(避難路としての使用を想定)の柵のすき間から落下して死亡した事故が発生した。被害者遺族が、公営住宅を設置、管理する市に対し営造物責任に基づき、また、この公営住宅を設計、監理した会社に対し一般不法行為に基づき、損害賠償を請求した事案。

 

→請求棄却

 

福岡地裁小倉支判平成4年9月1日

 

建物の三階にある美容室を訪れた客が、子供(2歳)を店内に設けられた育児室で遊ばせ、整髪終了後会計の際、店員と2~3分話をしている隙に、子供が、踊り場の手すりの隙間から落下転落して負傷した事故が発生した。被害者が、建物所有者に対しては工作物責任に基づき損害賠償を請求した事案

 

→一部認容(過失相殺5割)

 

 

長野地裁諏訪支判昭和50年6月25日

 

母親と子供2名(当時1歳11月、当時3月)が感冒の診察を受けさせるため病院へ来院していたところ、下の子にミルクを飲ませている隙に、上の子供が廊下へ出て階段で遊んでいるうち、右階段の上から二、三段目付近隙間から身を乗り出して下をのぞくなどしたところ、重心を失い、その直下約三・四メートルの一階床面に墜落し死亡した。母親及び被害者が、病院の設置社である市に対し、営造物責任に基づき損害賠償を請求した事案である。

 

→一部認容(過失相殺5割)

 

まだまだあるようです。

 

基本的に、建物に通常有すべき安全性が備わっていたのかどうかがポイントになります。

 

自死遺族・その他死亡事案の具体的相談はこちらから

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