冬が去り、春の訪れを心待ちにしていた生き物たちは、時折り堪える冷たい風にそそのかされな
がら大好きな蜜を吸いに何やらやって来る。柔らかい感触のいつものあの菜の花。彼の体の黄色
と彼の大好きな花は同じ色、彼らには昔からの約束があった。
ーSHAKATAKー ♫SOMEONE I COULD LOVE
彼は言った。今年も蜜を吸いに行ってやるからたくさん蓄えといてよと。花はつぶさにいつ頃
くるんだいと。そうだなあ、それはお日様と風に聴いてくれよ。
知ってるか?新しいのこの前餌を倍食べやがった。今度会ったら言ってやる。食ってもいいけど
若いからって調子に乗ってるとあっという間に俺みたいに太っちまうぞって!
森に足を踏み入れても、語りかけてくる言葉はない。ずうっとこうしてここに居座って世を
眺めていようとも、木はあえて何も語らず。
人は現実より僅かに遅れて生きている。脳の処理能力に誤差が生じるためで実際今という時間は
少し遅いのが私たちの持っている時間。見えているもの 聞こえているもの 香る物はちょっと
いい加減かも知れない。感じる事は相対的にもっといい加減なのかな。
南海トラフ地震の前に言ってみたかったひとつの事。