BRM503 八戸1000

AJ宇都宮さんのBRM503 八戸1000に参加してきました。

8月の1001 miglia(1600km)の前哨戦としてこの時期に1000kmをクリアしておきたいというのが参加の理由です。

1000km超のブルベは2022年に八戸1000、パワスポ1000とDNFが続いており、2019年のPBP、2018年の熊本1000以来完走できていません。今回はとにかく完走したいということで臨みました。

kfznhmst.hatenablog.com

結果、学ぶことが多いブルベとなりました。長文になりますが、記録として詳しく残したいと思います。

事前準備

今回、ホテルは大船渡(383km地点)と鶴岡(701km地点)に確保しました。

1日目は八幡平などガッツリ登るのに383kmも走るのはどうかと思いましたが、それより手前となると平泉(311km)、水沢(290km)となり逆に1日目の距離としては短かめになってしまいます。「3時/4時スタートとなっているのは初日に距離を伸ばすようにという出題者の意図に違いない」と大船渡を取ることにしました。1日目に400km弱を走るならば2、3日目は300kmずつ分ければよい、ということで中間地点の鶴岡のホテルを取りました。

3日目のホテルは事前には確保しませんでした。1000kmではコース難易度によって3日目のペースが大きく変わってしまうためです。

同様の計画を立てた方が多かったようで、ホテルでは他の参加者の方をよく見かけました。

前回の八戸1000では向かい風に苦しみつつ、最後は雨 + 寒さ + 夜のトリプルパンチにやられました。今回事前の天気予報ではずっと晴れで気温もそこまで下がる予報はでていませんでしたが、備えとして以下のウェアを準備しました。

  • インナーTシャツ、半袖ジャージ、ショーツをベースに
  • 下は防寒レッグカバー
  • 上は15度のジャージ、ウィンドブレイクジャケット

ウェアは嵩張るのでリュックに入れて簡単に出し入れできるようにして走りました。

今回、数日前から風邪をひいてしまい、喉に痛みがある状態で出走しました。インフルエンザやコロナなどウイルス性の風邪ではなかったので「走りながら直せるだろう」と処方薬を飲みながら走りました。結果、症状は快方に向かっていったものの終始鼻水を垂らしながら走ることになりました。

スタート時間が朝4時だったので、スタート地点の八戸駅の近くのビジネスホテルに前日入りし、前日はゆっくり過しました。

1日目

午前4時に八戸駅をスタートしました。序盤は順調でしたが、日が高くなるにつれ南西からの向かい風がきつくなってきました。でもそれも奥入瀬渓流に入り木々に囲まれるとだいぶ助けられました。さすがの絶景を楽しみながら気持ちよく走ることができました。

林を抜け十和田湖まで出るとまた強風が激しくなりました。湖面は風で波が高くなっていました。

十和田湖からは発荷峠を越えた後、下り基調で快調に進むことを期待していましたが向かい風でなかなか進みません。鹿角を抜け上り区間に入ってくるとますます進まなくなります。1日目はこの後平泉まで300kmずっと南下するコースです。「このままで行くと大船渡に着くのは何時になるだろう?」「やっぱり大船渡は失敗だったか?」など不安に思いながら進みました。八幡平を登る前にそこそこ疲れてしまって、八幡平は途中足付きしながら休み休み登りました。ただ八幡平の絶景は本当に素晴しかったです。自分がこれまでに走ったルートの中でも最高、渋峠を超えるすばらしさでした。写真で捉えきれなかったのが残念です。

八幡平からはしばらく下りが続き快調に進めました。相変らず向い風はきつかったですが、夕方以降は追い風に転じたことによって大船渡のホテルにはほぼ予定通りの0時38分に到着しました。

2日目

2日目は八幡平のようなガッツリした登りはないものの、三陸海岸のアップダウンがあり結構登るようになっています。(初日CK1十和田湖畔〜八幡平山頂レストハウスが88.7kmで2210m up、1083m downなのに対し、2日目のCK5大船渡駅女川駅が131.4kmで2115m up, 2112m down)。

そこで大船渡のホテルには4時間ほどの滞在とし5時に出発しました。

三陸海岸は本当は風光明媚な場所ですが、精神的、肉体的余裕がないとなかなか楽しめない場所ですね。走行中、ほとんど目先の登りにばかり意識がいってしまい、ふと「あ、綺麗だな」と思うものの、また登りに意識がいき、せっかくの130kmを我慢して走ってしまいました。

石巻を過ぎてからの本州横断は長い登りを淡々と登るルートでした。この頃から風邪が喉から鼻に移り、立ち止まっては鼻をかむを繰り返しながら進みました。

3日目

さて、今回のブルベのゴール黒磯駅は上野新宿ラインの終点駅として有名です。「うっかり寝過すととんでもないところまで連れてこられる。終電でここに来てしまうと周りに何もなくて大変だ」と。

togetter.com

黒磯駅から自宅に帰る場合、終電が21:51発、始発が5:27発になります。5/5の終電に間に合わせるのはほぼ無理なので5/6の始発を目指すのですが、そうすると時間調整をしないと到着が早くなりすぎてしまいます。最悪、明け方冷え込み駅舎で凍えることになりかねません。

そこで予定を変更し、朝ホテルで朝食を摂ることとし、日中はグロス16km/h前後で進むことにしました。そうすると黒磯に着くのが3〜4時ごろなります。途中パンクなどのトラブルが発生しても余裕を持ってゴールできる算段です。

そんなことを考えて道の駅などに寄り道しながらのんびり3日目を走りました。日本海側を走るのは初めてだったので景色を楽しみながら走りました。



楽しみながら走っていましたが、そのうち段々日焼けがひどくなってきました。全く何の日焼け対策もしていなかったのですが、3日間とも晴天すぎました。火傷のようにヒリヒリほてってきてしまいました。また唇も日焼けして荒れてきてヒビ割れするくらいになってしました。

さらに体の方もアチコチ痛くなってきました。

道路からの突き上げのダメージがお尻に蓄積しサドルに座るのがつらくなってきました。
また右アキレス腱が痛み出し、腰の右半分も痛くなりました。

そのため、登りをシッティングで漕ぐのが難しくなり、スタンディングを多用して漕ぐようになりました。そんな走りが続くはずはなく頻繁に立ち止まって休み休み走りました。

上に書いた目標グロス16km/hはそれだけゆっくり走らなければならないという意図だったのですが、結果的には痛みのため16km/hを下回るペースでしか漕げませんでした。

結果、ゴールしたのが4時8分。時間的にはちょうど良かったですが、その実、苦しんでようやくゴールに辿り着けたという感じでした。

おわりに

何とか完走はできましたが、本当に苦しい1000kmでした。1000kmでこれでは1001 migliaの1600kmを走り切れる気がしません。今回認識した課題に対し出来るだけ手を打って1001 migliaに臨みたいと思います。

  • お尻の痛み対策。坐骨部周辺が血が滲むような状況になってしまいました。
  • 腰痛、アキレス腱痛対策。今回、いずれも右側だけが痛んだのが特徴的でした。経験上、そのような場合ポジションが原因です。超長距離を走らないと表面化しない問題なので、今回の走行中に原因と対策を見つけたかったのですが、残念ながら糸口を掴むことができませんでした。今後走り込んで対策したいと思います。
  • 日焼け対策。これは日焼け止めを塗るだけですが、さぼらず適切に対応しようと思います。