ますます注目される、顧客ロイヤリティの指標
にわかに注目を集めているのが、顧客ロイヤリティの指標です。けれども言葉だけを見てみると、何のことかさっぱり理解できない方も多いのではないでしょうか。顧客ロイヤリティの指標についてお知らせします。
顧客ロイヤリティとは?
最近よく耳にする顧客ロイヤリティとは、簡単にいうと「あるブランドや商品に、愛情をもっているユーザー」をあらわします。この場合のロイヤリティとは、真心や忠誠心を例えた言葉。熱心にその商品を推していたり、毎シリーズをコレクションしていたりする人をいいます。
ユーザーの中でも「とくに熱狂的なファン層」をあらわす、重要なゾーンを例えています。街の居酒屋さんに例えるのなら、年に数回しか来ないのは一般のお客さん。これに対して顧客ロイヤリティは、毎日顔を出してくれる常連さんをいいます。
そのお客さんがどのくらい店に支払いをしてくれたかを相対的に考えると、年に数回しかこない一般客に比べて、毎日訪れてくれる常連客の方がはるかに上になります。つまり企業にとっての「いいお得意さん」や「常連さん」が顧客ロイヤリティにあたるのです。
最近ではこうした顧客ロイヤリティを重視する動きが活発化しています。それは一度しか来店しない一見さんに比べて、顧客ロイヤリティの方が格上のお客さまだからです。顧客ロイヤリティにターゲットを定めて事業を展開していけば、儲かる会社や売れる商品を出し続けていけます。
時代が大きく変わりつつある今、どのように顧客ロイヤリティと向き合っていくかが求められています。
なぜ指標が有効なのか?
顧客ロイヤリティを見据えた上で、重要な鍵をにぎっているのが「指標」です。指標とは目印のこと。今の時代を正しく読み解いていく、重要なインデックスをあらわします。指標がなぜ有利かというと、客観的な目線で今の状況を眺めることができるからです。個人の忖度や感情論が入ってこないので、これからの経営を正しく決める上で欠かせないものになっています。
例えば指標抜きでビジネスを進めようとした場合。全体像や部分像が見えにくく、正確な数値を見誤ってしまいます。上層部の考えている顧客ロイヤリティと実像が離れてしまい、サービスやビジネスの方向性にあやまった判断を下してしまうこともあります。
このような誤差を防ぐために重要なのが「顧客ロイヤリティの指標」なのです。安全に航海を進めていくための、いわば座標軸や目印をあらわしています。
顧客ロイヤリティの指標、具体例は?
目に見えない物を、具現化する
顧客ロイヤリティの指標は、ぼんやりしている物を目に見える数値に落とし込んでいける画期的な方法です。正しいデータが手に入るので、これからの指針を決めていく上で、とても大切な役割を担っています。
顧客ロイヤリティの指標には、いくつかの種類があります。そのため指標を出す際には、その商品やブランドに合うものを探します。「何のために指標をつかうのか」目的意識をもって見つけると、ミスマッチしないデータを求めることができます。
顧客ロイヤリティの指標のひとつに挙げられるのが、CS。こちらは顧客満足度をあらわします。実際に商品を購入したユーザーにアンケートをおこなったり、ブランドショップを利用した顧客に意見を求めたりします。もっとも定番なデータのひとつで、リアルな顧客の声を拾うことができるというメリットがあります。
このほかNPSという指標は、ネットを通じたアンケート形式のデータをあらわします。サイトを訪れた顧客に「こちらのブランドを、どのくらいオススメしたいですか」などの質問を送り、10段階の中から選んでもらいます。シンプルでありつつ、回収率も早いというメリットがあります。
このほかLTVというのは、中長期的なデータをあらわします。あるユーザーがどのくらいの頻度で購入をおこなったか、また1回あたりどのくらいの金額を支払っているかなど、事細かに計測をおこないます。より詳しい実態像が見えてくる、とても重要な計測にあたります。
このほか他の指標と組み合わせて実施されるのが、継続調査と呼ばれるアンケートです。「今後もこの商品を購入したいですか?」などの簡単な質問を送って、その意向をチェックします。現時点でリピーターとなる人がどのくらいいるのか、またその客層について調べることができます。
成功したい企業こそ、顧客ロイヤリティ指標の活用を
コロナ禍の影響もあって、日々変化しているビジネスマーケット。10年前では通用した常識も、今現在はまったく通用しない時代になっています。先が見えない時代だからこそ活用したいのが、顧客ロイヤリティの指標です。
顧客ロイヤリティの指標を用いていくと、より客観的なデータが手に入り、常連客やユーザーがどんな思いを抱いているのかリアルに知ることができます。不確かな時代を力強く生き抜いていくためにも、ぜひ顧客ロイヤリティの指標を活用していきたいです。”