年末も押し迫ってきましたね。
凪爺です。
なんて呑気なことを言っていますが、12月20日(火)の日銀金融政策決定会合におきまして、日銀の目標とする10年国債の利回りの容認幅が0%±0.25%から0%±0.50%に拡大されましたね。
日銀の金融政策の方向が超金融緩和から引き締めの方向に変わるのではないかということで、内外の金融市場への影響が懸念されるものであります。
バブルがはじけて僕らは生まれた
利上げを知らずに僕らは育った
インフレになって出口探す
総裁の顔を眺めながら
僕らの骨を拾ってほしい
損切を知らない子供たちさ♪
笑えない。。。
公定歩合でいえば1991年7月に引下げられて以来、無担保O/N金利でいえば2008年に低め誘導に戻って以来なんですかね。
とはいえ、10年国債利回りだけで、足元金利は当然ながらまったくいじっておりません。
しかも誘導目標は10年国債利回りだけだったので、その他の年限の金利はとっくに上がっていて、10年近辺だけ凹になるといういびつなイールドカーブが形成されていたんですな。それを修正しただけならいいんですが、インフレも4%近くまでいってしまって、日銀が求める安定的な2%のインフレを突破してますよ。
日銀にしてみれば、賃金上昇を伴わないインフレは、要するに実質的な所得の減少を招いておりまして、経済運営上よろしいものではないといいたいんでしょうが。日本銀行が守るべきは通貨である円の価値でありまして、なりふり構わずインフレを退治するべきなんじゃないかと思いますが、その辺は日銀総裁の指名権を政府に握られておりまして、独立性よりも隷属しているのですから、致し方ないでしょう。
為替市場は、日銀の為替介入をあざ笑っておった訳ですが、ちゃんと金融政策も変更しましたし、政府も防衛費増額という新たな経済対策を打ち出しましたし。
笑えるのは防衛費増額しておいて、その財源を増税でと言っておきながら全額じゃないんですな。ちゃんと国債も増発しますと。岸田さんって、宏池会の出身のはずだったんですが、右傾化するは財政規律は守らないわ、なんなんでしょうね。ノンポリのボンボンだったってことでしょうか。ガースーの方が野武士で面白かったですね。
ということで、しっかり円高に振れまして。130円まで戻りましたから、行き過ぎた円高は是正されたって日銀は鼻高々なんでしょうか。
今回の日銀の寝返りを私は評価しています。
なぜなら、国債の保有者は日銀がトップですが、続いて金融機関なのです。
日銀がジャブジャブにお金をつけるもんだから、金融機関には行き場のないお金が流れ込んできて。その資金を運用する先がなくて、困っているのです。国債を買ってもマイナス金利だし。海外の国債を買いに行っても為替ヘッジのコストで負けるし。
もちろん、コロナで困っている事業者に貸し付けを行っていますが、微々たるものだし、しかもこれから不良債権化が問題になってきます。
ところが、長期金利のイールドカーブが立つと、金融機関の運用益が改善します。金融機関の体力がついてくるわけですよ。
そうなると、これまでは保証協会とかにリスクをおっかぶせた先にしか融資なんか怖くてできなかったのですが、自らリスクテイクを行って資金需要のある先にこたえていくことができるようになる筈です。
あくまでも筈なのは、ここまでリスクを取れない状態が長く続いたので、金融機関自体にリスク回避的な行動が染みついていたり、そういうことができる若手の人材が育ってなかったりすることです。愚かな上司が自分が育ったデフレ環境から脱却できなくて、このインフレ環境に対応した活動ができない可能性は否定できません。
まぁ、そういう金融機関は時代の流れの中で淘汰されるべきでして、適切なリスク管理を行ったうえで、積極的な金融業務を行える環境を背景に邁進して欲しいものであります。
ということなので、株式市場は当面不冴えな環境にあるかもしれませんが、私のポートフォリオは連日の高値更新中でございます。金融関連銘柄のポーションが高いんですよ。幸か不幸かですが。