〔これは、2006年1月頃の話〕


妻は自転車を有料駐輪場に止めていた。 

 

その駐輪場、『最初の1時間は無料』となっていた。 

 

ここに喜劇が起こる要因があるとは、そのときの妻は知る由も無かった・・・・。 

 

 

 

『最初の1時間は無料』 これを、妻は強烈にインプットしていた。

 

主婦だからね。 

 

余計な出費をかけないのは、基本中の基本だ。 

 

だから、慌しく用事を済ませ、どっどっどー と突っ走り、駐輪場へと戻ってきた。 

 

はあはあ、息を切らせながら。 

 

それなのに、それなのに、何ということであろう。 

 

自転車が出せないのである。 時計を見ると、まだ、1時間は経っていない。 

 

壊れているやん、と思った妻。 

 

即、行動に出た。 

 

考えるより、体が先に動く妻だからね。 

 

妻の辞書には『熟慮』という文字は無いのであ~る。 

 

ということで、近くにいた職員の人に怒り口調で訴えた。 

 

「あのー、まだ、1時間経っていないのに自転車が出せないんですけど!」 

 

すると、その人は次のように答えた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は駐輪場の職員ではありませんヨ」 

 

 

 

その瞬間、妻の顔は、怒り顔から愛想笑いの顔に変貌していた。。。 

 

 

つづく。