アルバイト最終日に
娘がアルバイト先の寿司屋さんを卒業する。
3年間、よく頑張った。
大将は仕事に厳しい。だが、厳しさの中に愛がある。
娘は、それが分かっているから、一度も「辞めたい」と言わなかった。
17年前、妻が他界して、小学生の娘を連れて、ふらりと入った寿司屋さん。
あまりに居心地がいいので、お祝いなど特別の日に利用させてもらうようになった。
あの頃、生魚が苦手だった娘は、メニューにない納豆巻きをいつも食べていた。
大学生になった娘は、和食店でのアルバイトを探していた。
第一候補に挙げたのが、この店だった。
ここで働くようになり、生魚が食べられるようになった。
ここで働くようになり、食の世界が広がった。
ここで働くようになり、素敵な大人たちに出会った。
大将の許可をもらって、勤務中の娘と一緒に飲んだ。
お疲れさま。いろいろと卒業だね。
大将にも一杯。お世話になりました。これからもよろしく。
撮影:隣に座っていた男性客(初対面の人)
アナゴのにぎり。口の中でほろりと溶ける。
節魚 すし宗(福岡市中央区六本松1-2-14)
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