「あああああーーーーーー!!!!!」
「1秒でも早くFIREしてぇーーーー!!!!」
「一刻も早く労働という呪縛から解放されてぇーー!!!!」
気持ちは分かりますが、FIREというのはそう安々と達成できるものではありません。
生活費を担保できるほどの不労所得を得るためには、相応の軍資金が必要ですし、資産形成に関してもかなりの時間を要します。
で、僕が推奨しているのが「寮に住みながら期間工」となるわけなんですが、では実際にどのぐらい期間工をやればFIREは達成できるのか?
そもそも、期間工ループで本当にFIREは可能なのか?という点について考察してみたいと思います。
期間工を10年やればFIREは達成可能
まず、結論からお伝えすると、期間工ループでFIREすることは可能です。
そして、それに要する年月は「懲役10年」です。
どうして「3000万」なのかというと、それはこういう理屈です。
- インデックス投資で得られる平均年間収益は「約7%」
- 売却比率を年4%以内に抑えれば、元本割れはしない。
- 1ヶ月の生活費を10万円と仮定した場合、最低でも年間120万の不労所得が必要。
- 120万×25(4%) = 3000万
つまり、人間が最低限度の生活を送れるであろう「月10万円」で良しとするのなら、「3000万貯まればひとまずFIRE達成と言える」となるわけです。
ちなみにこちらの記事でも似たようなことを解説してますので、お時間あるときにオツマミとしてどうぞ。
10年という根拠は?
まずは、こちらのシミュレーションをご覧ください。
楽天証券の積立シミュレーションによる結果なんですが、目標金額を「3000万」、毎月の積立額を「20万」、年率リターンを「7%」として計算した場合、合計で「9年」の年月を要する結果となりました。
もちろん、期間工には「入社祝い金」や「満了金」があるため、積立額を更に上積みして計算してもいいのですが、期間工は基本的に日給計算です。
それに、期間工は2年11ヶ月経過すると強制的に退職となるため、次の会社に赴任するまでの待機期間なども絡んできます。
また、いくら寮生活といっても毎月の食費は確実にかかりますし、娯楽費などを一切省いた超極貧生活を何年も継続するというのは、人生を楽しく生きる上で懸命な判断とは思えません。
退職後の税金なども加味すると、9年にバッファで1年プラスして、「FIREするには期間工で約10年」と考えた方がいいでしょう。
つまり、最低でも「3社以上フル満了しないとFIRE達成はできない」ということになります。
積立額によって、FIREするのにどれぐらいの時間がかかるか
では、積立額を「増やした場合」と「減らした場合」、それぞれを比較して、どのぐらいの年月を要するのかを見ていきたいと思います。
先程の楽天シミュレーションを例にすると、以下のようになります。
フル満了/年月 | 月10万積立 | 月20万積立 | 月30万積立 |
---|---|---|---|
1回/3年 | 410万 | 820万 | 1230万 |
2回/6年 | 900万 | 1810万 | 2720万 |
3回/9年 | 1510万 | 3000万 (9年) | 3000万 (6年7ヶ月) |
4回/12年 | 2270万 | ||
4回/14年6ヶ月 | 3000万 |
当然のように「月30万」が最短となるのですが、正直これは厳しいと思います。
僕が提唱している「期間工で月20万積立計画」は、入社祝い金や満了金が入ることも計算に入れた上で、ちょうどいいライフスタイルが継続できることも想定しています。
それを計算に入れても、月30万も積立となると、こんな無茶な計画になってしまいます。
月30万×12ヶ月= 年360万
360万ー80万(満了金)= 残り280万
280万÷12ヶ月= 23万
23万+3万(食費)= 毎月26万も必要!
これははっきり言って苦行です。
これでは仮にFIREを達成できたとしても、趣味や娯楽をずっと我慢して生活し続けてきた結果、ひどくつまらない人間になってしまう可能性が高いです。
もちろん、満了金を一気に突っ込むのは嫌!というのであれば、手取り収入から20万を積み立てるようにして、満了金が入ったら、それは趣味や娯楽など、自分の好きなことに使えばいいと思います。
もしくは、余った分は現金預金に回して、大暴落が来たときの買い増し分としてチャージしておくのもいいでしょう。(てか資金管理的にそうすべき)
引っ越しや家庭の都合など、色んな局面で急に現金が必要になる瞬間というのは多々あります。
ので、フルパワーで全ツッパするのではなく、「キングオブキャッシュ」と言われている現金をある程度保有しておくことを強くおすすめします。
きっと君は耐えられない
身も蓋もない話しになりますが、おそらくここまで読み進めている方というのは、よっぽど「FIRE」に憧れを抱いているか、「労働」に対して強い嫌悪感を抱いている方だと思われます。
「FIREするぞ!」という目標に向かって邁進するのは素晴らしいと思うんですが、きっとあなたは途中で計画を変更することになると思います。
なぜなら、「1日でも早く労働から解放されたい!」と強く思うがあまり、その欲求が日に日に強くなって、次第に耐えられなくなってくるからです。
当初は「期間工10年で3000万FIRE!」と目標を立てていたのに、「いや待てよ?そもそも3000万も本当に必要か?」という思考がよぎってきます。
「半分の1500万なら…」、「いやむしろ1000万でも…」、「そもそも500万でよくね…?」と、どんどん下方修正していくことになるはず。
要するに、「FIREしたい!」というポジティブな欲求と、「働きたくない!」というネガティブな欲求とで板挟みになって、結局ちょうどいいバランスで落ち着くことになるだろうってことです。
だから無理して「3000万」という金額にこだわる必要はないし、10年というスパンにもこだわる必要はない。
一番大事なのは、自分の心の声に素直に従うことだと思います。
FIREという夢がむしろ呪いになって、人生の足かせとなっていては本末転倒。
何よりも「人生を幸福に生きるためには」という点を最優先として、人生計画を立てて頂ければと思います。
別に期間工にこだわる必要もない
特にこだわりや明確な理由がないのであれば、普通に正社員として働いてFIREを目指すやり方でも全然いいと思います。
要は、「寮生活+期間工」の可処分所得を上回るほどの収入が確保できさえすれば、わざわざこの方法を選ぶ必要はないんですから。
でも、基本的に「期間工」という働き方を選ぶ人というのは、この働き方が合っていると肌感で理解しているか、もうそういう働き方でしか逆転は不可能と腹をくくっている人達である、とも言えます。
もちろん、僕もその一人です。
今さら正社員になろうだなんて思ってませんし、正社員になったとしても割に合わないと思ってます。
ですが、期間工の黙々とした働き方や、集団生活を強制される寮生活には、どうしても耐えられない!という人も一定数いるでしょう。
一番大切なのは、自分が気持ちよく人生を生きられるにはどうすればいいか?ということだと思います。
もしその定義が、「どんな方法であろうともFIREすること!」なのであれば、「期間工×投資」という組み合わせは、僕たちができる最強の資産構築法ではないかと、そう思うわけです。
ではまた!
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