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喫煙と乳がんリスク

5/14/2024 10:00:05

がん

今日のポイント:特に30歳になる前から喫煙するとリスクが高い

喫煙と乳がんリスクを調査しました。岐阜大学からの報告です。(International Journal of Epidemiology誌、2024年6月号)

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本研究は国立がん研究センターがん対策研究所の「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」の1つで、1984~94年に開始し8~22年間追跡した9つの前向きコホート研究(計16万6,611人)のプール解析です。喫煙および副流煙に関する情報はベースライン時の自記式質問票から入手しました。個々の研究において現在または過去の能動喫煙および受動喫煙の状況別の乳がんの相対リスクを、潜在的交絡因子の調整後にCox回帰を用いて算出し、ランダム効果メタ解析を用いてハザード比(HR)を要約しました。

・ベースライン時点で閉経前だった6万441人中897人、閉経後だった10万6,170人中1,168人が追跡期間中に乳がんを発症しました。
・現喫煙者は喫煙未経験者より50歳になる前に乳がんを発症するリスクが高くなりました。
・30歳より前に喫煙を開始した喫煙経験者と初産前に開始した喫煙経験者は、50歳以前に乳がんを発症するリスクが高くなりました。
・成人期または小児期の副流煙曝露と乳がんとの関連はみられませんでした。

以上より、現喫煙者は50歳になる前に乳がんを発症するリスクが高く、特に30歳になる前から喫煙するとリスクが高いことが示唆されました。また、副流煙による受動喫煙との関連はみられませんでした。

参考文献:Active and passive smoking and breast cancer in Japan: a pooled analysis of nine population-based cohort studies | International Journal of Epidemiology | Oxford Academic (oup.com)

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