家族に糖尿病患者がいるといない家族と比べ〇倍の発症リスク
3/16/2025 10:00:04
今日のポイント:家族に糖尿病患者がいるといない家族と比べ20倍の発症リスク
2型糖尿病の発症に家族歴が関係していることが知られているが、その発症や有病リスクはどのくらいになるのか調査しました。新潟大学からの報告です。(Mayo Clinic Proceedings誌、オンライン版2025年1月29日)

研究グループは、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症の既往の家族歴(両親、兄弟姉妹、祖父母)と、同一集団におけるそれらの有病率および発症率との関連を検討するために1997年1月1日~2007年12月31日までに健康診断を受診した4万1,361例のデータを解析し、同一コホートにおけるロジスティック回帰分析およびCox回帰分析の結果を検討しました。
・解析の結果、3疾患とも家族に既往者がいるほど有病率が増加し、とくに2型糖尿病は、罹患した親族の数が3人以上である場合のオッズ比(OR)が12.00(95%信頼区間[CI]:7.82~18.41)でした。
・家族歴がない場合と比較し、3世代にわたる家族歴で既往がある場合のORは20.43(95%CI:11.0~37.8)でした。
・家族歴を「両親、兄弟姉妹、祖父母」から「両親と兄弟姉妹」または「両親のみ」に再定義しても、各疾患のORに有意な変化は認められませんでした。
・家族歴で既往がありBMIが30以上の人では、家族歴がなくBMIが18.5~24.9の人と比較して、高血圧の有病率が19倍高かった。
・縦断的研究において、家族歴は2型糖尿病(ハザード比[HR]:2.40、95%CI:1.93~2.98)、高血圧(HR:1.43、95%CI:1.26~1.62)、脂質異常症(HR:1.41、95%CI:1.08~1.83)の発症に強く影響しました。
以上より、家族内に糖尿病患者がいる場合、糖尿病発症には特に注意が必要です。
参考文献:
Cross-sectional and Longitudinal Associations Between Family History of Type 2 Diabetes Mellitus, Hypertension, and Dyslipidemia and Their Prevalence and Incidence - Mayo Clinic Proceedings
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