魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【対/完魔方陣2乗体の驚異の構造】

今回は7次対/完魔方陣2乗体の驚くべき構造を見てゆきたいと思います。

※この魔方陣について初見だという方は過去記事をごらんください。

 

mahoujin.hatenablog.com

 

さっそくですが、この7次対/完魔方陣を行列の積で2乗してみることにしましょう。

 

まず、この2乗体の構造において特筆すべきことは「たて」「よこ」「ななめ」の総和をとると一致するということです。

 

どのラインにおいても総和は30625という数を生み出しますが、この数はもともとの7次対/完魔方陣(1乗体)の定和であるところの175の2乗数となっていることも注意を払いたいです。1乗体→2乗体への構造の引き継ぎがこれほどうまくいく類例を他に見たことがありません。わたしたちがこれまで探索してきた3次、4次、5次、6次、9次、12次においては魔方陣の2乗体は最大でも弱い魔方陣を維持するにとどまっていました。わたしたちはここでは初めてのパターンと遭遇していることになります。いや、7次対/完魔方陣2乗体の興味深い構造は他にも見出されます。

 

このように中心に対して対称的に配された二つの格子数に着目してみることにしましょう。ここにはいずれも同じ4522という数が並んでいます。二数が一致するというのは偶然なのでしょうか? ひとつ格子数をずらしてみます。

これら二数同士もまた同じ数(4270となっています。さて、これ以降も対称的に配置された二数を順次、見てゆくと∙∙∙


∙∙∙と、いうようにいずれも同数があわられることに気づきます。じっさい二数が一致するもの同士をラインで結ぶと、以下のような連結線模様が浮かび上がってきます。

2乗体における連結数同数化。このような現象には過去にも出会ったことがあるはずです。たとえば4次の魔方陣の世界においてもこのような現象を引き起こす連結線タイプというものがありました

 

mahoujin.hatenablog.com

 

 

これらいずれの連結線模様も90度回転対称性を有しているというのは大変に興味深い事実です。ここからわたしたちはさらに何を主張できるのか。今後の課題としたいと思います。

 


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