【ねぶそく】私。正社員。家事育児苦手。
両親共アルツハイマー型認知症。
【夫】アラフィフ。激務のため平日はほぼ顔を合わせない。プチモラハラ。
【小4息子】行きしぶり。学校嫌い。繊細。神経質。ひとりっこ。ゲームYouTube命。
母が糞尿まみれで倒れていた話①
下血で救急搬送された母。
外科医の先生は、深刻な顔で、ゆっくりと言葉を選びながら話します。
「直腸と周辺臓器の壁が完全に無くなり、ひとつの臓器になってしまっています。」
「直腸と繋がっているので、大便が臓器に入り、汚染され、全身に炎症が起きています。」
「壁に穴が空く程度なら、手術などで回復できますが、ここまで酷い状態は私の外科医人生の中で初めてです。」
「抗生剤と痛み止めの点滴をして、回復するようであれば人工肛門を作れますが、おそらくこのまま肺の方にまで炎症が広がり、回復することは無いでしょう。」
「人工肛門が作れないとなると、二度と食べ物を食べることは出来ないです。」
「点滴で痛みと炎症は取りますが、段々と衰弱して行き、そのまま息を引き取ることになると思います。」
「私が最期まで診ますので…」
このまま衰弱して息を引き取る…
頭が真っ白になり、はい、はい、と返事をするのが精一杯でした。
実質の余命宣告ということは分かりましたが、あとどのくらい持つのか、怖くて聞くことが出来ませんでした。
先生のお話を聞き終え、母のところに戻ると、点滴をしてもらい少しラクになったのか、顔色も良くなり、「夕飯は何食べようか~。お寿司もいいねぇ。」なんて本人は呑気なことを言っていました。
母は生きようとしているのに、二度と好きなものを食べられない…
どうしてこんなことになってしまったのか…
本当のことは本人には言えず、
「私はうなぎがいいなぁ。退院したら美味しいもの食べたいね」と、精一杯明るく振る舞いました。
父は耳が遠いので、先生の言葉は届かずイマイチ状況が分かっていませんでした。
「結構時間かかるなぁ。今日はこのまま入院になるのか?」
ベッドサイドで呑気なことを言っていますが、真実を伝えるべきか…
悩みましたが、「しばらく入院になると思うよ」とだけ伝えました。
すみません、長いので続きます。