金沢ミステリ倶楽部

金沢ミステリ倶楽部の公式ブログ。

参加・見学してみたい方はメッセージを送ってね。

第22回例会「幽霊の出るテラスの謎」(E・D・ホック)合評

2024年06月05日 19時11分40秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第22回例会報告は2010年5月15日で参加者は10名、エドワード・D・ホックの「「幽霊の出るテラスの謎」を読んで感想を語り合った。
エドワード・D・ホックのサム・ホーソンシリーズは、ノースモントという町が舞台で不可能犯罪ばかり起こり、医者のサムが解決するという設定。今回はその中から「幽霊の出るテラスの謎」を結末を伏せて読んだ後、テラスから男がどのようにして消えたのかを考えてもらったが、誰も思いつかないようだった。
結末部分を読むと、一応伏線があり、はでなトリックが使われていて、皆さん納得した様子だった。島田先生の大ファンもこのトリックには満足だった。現代を舞台にこのトリックではバカミスになるが、この時代ということで許される。
テラスの仕掛けは重要な意味があるかと思ったが、ミスディレクションだった。タイトルもミスディレクションだった。消えた人が幽霊だったら意外だが、ミステリではなくなってしまう。練習をしているが、誰かに見られる可能
性もある。練習してまでする犯罪はしない方がいいと何かに書いてあった。
しかしそこまでしてその方法で殺す必然性は、とは言わないことに…。
ホーソンでは『投票ブースの謎』がおすすめ。『有蓋橋の謎』は図がないとわからない。『消えた空中ブランコの謎』がオススメ。巨大ミミズクが人を殺したという『巨大ミミズクの謎』が気になる。
ノースモントといい、セントメアリーミードといい人がたくさん死ぬ。
ホックは昨年度読んだ都筑道夫さんと共通点が多い。ニック、レオポルド、ホーソンと数々のシリーズキャラクターを生み出したこと、ホワイダニットにも力を入れていたこと、パズラーといわれる短編をたくさん書いたこと、など。

最近読んだ本、観たドラマ・映画を報告。
本「ビリーバット」「黄色い下宿人」『プールの底に眠る』『祈りと叫び』『スイス時計の謎』『金糸雀の唄殺人事件』『水車館の殺人』『ななつのこ』『新参者』
『蝦蟇倉市事件1』『東京島』『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』全4巻『撓田村事件』『毒薬の輪舞』『クリスマステロル』『一応の推定』『白戸修の狼狽』
ドラマ「臨場」「新参者」「MOTHER」「チェイス」「タンブリング」
映画「トリック」「シャッターアイランド」「ブレードランナー」「ペットセメ
タリー」「タイタンの戦い」「シャーロック・ホームズの冒険」「放送禁止」「幻影師アイゼンハイム」

第20回例会『殉教カテリナ車輪』合評&第21回例会映画「シャーロック・ホームズ」鑑賞

2024年06月04日 19時11分40秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第20回例会は2010年2月20日で参加者は8名、『殉教カテリナ車輪』の合評でした。
「歴代鮎川哲也賞の最高傑作。作者の才能が所々に溢れている」「美術を扱っているという点が新鮮」「それぞれ人物のキャラが立っているが、特に奥さんのキャラクターが頭に残る」「もったいなくて袋とじは開けていない」「『まかしの風景画』とうイギリスの作品を思い出した」という感想がありました。

第21回例会は2010年3月20日で映画館でを観ました。


第19回例会『小梅富士』読書会&『黄色い部屋はいかに改装されたか』

2024年06月03日 19時01分52秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第19回例会は2010年1月20日で参加者は10名でした。
近況報告で上がったタイトルは、ドラマ「CSI」「CSINY」「CSIマイアミ」、『13の暗号』「二銭銅貨」、映画『ダークナイト』、『大聖堂は大騒ぎ』『自殺じゃない』、映画『バタフライエフェクト』、『殉教カテリナ車輪』『ヴィーナスの心臓』『1Q84』、映画『母なる証明』、『赤い指』、ゲーム「ウイッシュルーム」、ドラマ「デスパレートな妻たち」「相棒」、『ミステリージョッキー』『天外消失』『地獄の奇術師』『犬の力』上下『鉄の骨』『船に乗れ』『Another』『午前零時のサンドリヨン』『探偵小説のためのエチュード水剋火』
短編の合評は都筑道夫さんの「小梅冨士」を読みました。
「謎と論理のエンターティンメント」を実践したなめくじ長屋の捕物さわぎの一編です。「寝たきりの病人を殺すのに、どうして座敷がいっぱいになるような大きな石で、圧しつぶさなければならなかったのか?」
そこをポイントに解決編の「その五」直前まで読んで、解決を考えました。
その後『黄色い部屋はいかに改装されたか』のポイントを読みました。
「トリック無用論」「ホワイダニット」「トリックよりロジック」「名探偵復活論」といったことを書いたエッセイで、第三の波の作家たちにも影響を与えたのではないかと笠井さんも書いておられました。
この中で「論理的な謎はなにも殺人とはかぎりません。読者が合理的な解決を欲するような謎なら、なんでもいいわけです」と言い切っています。
それって北村薫さんによって人気が出て、今も人気の「日常の謎」派ミステリのことですよ。
モダーンディティクティヴストーリーは「ホワイダニット」だと言い切った都筑さんは、なんと先見の明があったことでしょうか。


第18回例会『火刑法廷』読書会

2024年06月02日 18時59分48秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第18回例会は2009年11月21日で参加者は6名、ジョン・ ディクスン・ カーの『火刑法廷』を合評しました。
『火刑法廷』作品自体は、「超自然」の要素を入れた、カーとしてもチャレンジな一品で、この部分の理解、好み、に分かれるところが大きい作品だということは、今回の会合でも一致しました。



6月例会『ウサギ料理は殺しの味』読書会

2024年06月01日 18時34分52秒 | 例会
6月15日(土)に県立図書館で6月例会『ウサギ料理は殺しの味』(ピエール・シニアック/藤田宜永訳)読書会を開催します。

レストランのメニューにウサギ料理が載ると若い女が殺される! 女占い師と彼女にほどこしを受けるホームレス、ウサギ料理が好きな男、金ではなく高級商店の新入荷品で上客を取る娼婦。絡み合う人間関係。ある日、「ウサギ料理をメニューに載せるな」という脅迫状がレストランに届く。この町に何が起きているのか? とてつもないブラック・ユーモアが横溢する仏ミステリの傑作。
(東京創元社HPより https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488284022)

参加したい方はお知らせください。今回はZOOMでの参加も募集します。