名古屋線系統で主に急行運用に入る4扉車のトイレ付き編成はL/C車が大半ですがロングシート車も3編成おり、このうち2編成は1200系と2410系・2430系による混成(凹凸編成)であるため注目度は高いです。造られた時期が異なるため更新時期もズレており、1200系部分(モ1200形・サ1380形)がB更新を受けるまでは伊勢方の2両と名古屋方の2両で化粧板のデザイン等が異なるなどちぐはぐ感がありました。


(2020.8.23 桑名付近にて撮影)

 桑名付近のカーブを走るFC92ほか6両編成の松阪行き急行です。こうして見ると逆組成やブツ6のようにも見えますが前から2両目は先頭車ではなくトイレの有る中間車(サ1380形)で、B更新前は和式であったのが現在は洋式になり使いやすくなっています。


(2023.5.13 近鉄八田にて撮影)

 続いては高架の近鉄八田駅を通過するFC93ほか6両編成の松阪行き急行です。凹凸編成はB更新後も前照灯がLEDライト化されなかったので近鉄電車らしさが維持されたと感じましたが私としては名古屋方先頭のク2590形がハロゲンライトを維持したことにホッとしており、「あの顔に白いライトは合わないからなぁ」って思うこともよくあります。

 

 大阪線の準急は車庫への出入を兼ねた高安発着を除くと下りの最短は五位堂行き、上りの最短は河内国分始発になりますがどちらも本数は非常に少なく、見ることが出来たらラッキーです。五位堂行きは区間準急であれば日中に見ることが出来ますが準急だと朝にしか見ることが出来ず、表示は似ているものの貴重さは高くなります。


(2024.2.28 恩智〜法善寺間にて撮影)

 五位堂行き準急に充当される2800系AX16ほか6両編成です。この編成は当初から下枠交差形パンタを搭載しており、AX17と共に特徴ある編成になっていましたがトイレの設置は行われておらず、原則として大阪上本町〜青山町間での運用となっています。


(2024.2.28 恩智〜法善寺間にて撮影)

 大阪方の2両は2410系W16でした。末尾が「16」の編成同士による五位堂行き準急は珍しいって思いましたがパンタグラフはW16がひし形、AX16は先に書いたように下枠交差形なので揃っておらず、ちぐはぐな所が趣味的に面白いです。
 

 近距離から長距離まで幅広く活躍し、様々な種別と行先の組み合わせが見られる2610系ですが初期車は車齢が50年を越えており、2度の更新で体質改善が図られているもののそろそろ置き換えが始まりそうな気がします。と言うのは2025年度より大阪・名古屋線系統にも新型一般車両の導入が開始されるためで、8A系をベースにした4両固定のトイレ付きL/C車であることは間違いないと思っているため気になっているのです。


(2020.9.19 恩智〜法善寺間にて撮影)

 大和朝倉行き区間準急に充当される2610系X15ほか6両編成です。同系の初期車はクーラーキセが単独なのが特徴ですが更新前は方向幕が無く、座席もオールクロスシートだったので今とは雰囲気が大きく異なりました。区間準急という種別もその頃はまだ存在しておらず、大阪線で「区間」と付く種別というと区間快速急行という時代でした。


(2020.9.19 恩智〜法善寺間にて撮影)

 大阪方の2両は1253系VC57でした。現在は種別・行先表示がフルカラーLEDに更新され、側面のみ駅ナンバリングにも対応していますが撮影当時はまだ方向幕で、見慣れた近鉄VVVF車の姿でした。種別・行先表示のフルカラーLED化は更新工事でも行われていますが1253系はVVVF車の中でも後期に造られているので更新が始まるのはまだ先と見ており、暫くは種別・行先表示のみフルカラーLED化した未更新車の撮影が楽しめそうです。