tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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サーボモーターの分解能とフィードバック制御

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

サーボモーターの分解能と
フィードバック制御

 

⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

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とある
未経験機械設計者

サーボモータの
分解能って何?

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

管理人T.Surf

サーボモーターの分解能とは
サーボモーターが制御できる
最小回転角となります。

そして
分解能がわかると
フィードバック制御
の理解も深まります。

 

 

①結論

サーボモーターの分解能とは
サーボモーターを制御できる最小角度のことです。

精度とは別です。

 

例えば 分解能4194304とあった場合
1回の回転に対して4194304分割した角度

つまり最小で
360°/4194304=8.58×10-5 °の角度を
動かす(制御できる)ことができる

ということです。

 

 

②分解能表記

最近の分解能表記はbit数で表すことが多いです。

サーボモーターはACモーターに
位置回転検出器であるロータリーエンコーダ―を
搭載したモーターです。

 

ロータリーエンコーダーは
サーボアンプに対してデジタル信号(0 or 1)で
何度回転したかの信号を発信します。

つまり、
サーボモーターの分解能22bitとあった場合

正しくは
ロータリーエンコーダーの分解能が22bitであり
1回転に対して222のカウント数を持つのです。

つまり222=4194304ですね。

先ほど説明したように最小で
360°/4194304=8.58×10-5 °の角度を
動かす(制御できる)ことができる

ということになります。

 

 

③補足 実際の制御

例えば、22bitの分解能を持つサーボモーターで
高精度で3回転させてぴったりな位置で停止させたい
とします。


その場合まず上位ユニットである
モーションコントローラーや位置決めユニットから
合計3回転×4194304=12582912パルス
を以下のようにサーボアンプに発信させます。


サーボアンプは
モーションコントローラーや位置決めユニットから
受け取ったパルス信号通りに

サーボモーターが回転するような駆動電流
をサーボモーターのモーター部に送ります。



ですが、サーボモーター自体は
ステッピングモータのように
3回転をしてピッタリ止まる特性はありません。

ですので
サーボアンプはサーボモーターを信用していません。

 

従ってサーボアンプは
サーボモーターに搭載されるロータリーエンコーダーに
回転した角度を監視させ、その結果を報告させます。

では、ロータリーエンコーダーは
サーボアンプに対して
どのような信号を発信するのでしょうか?

それは、以下のような位置決めユニットと
同じようなパルス信号を回転履歴として発信します。

つまり、サーボアンプは

  • 位置決めユニットから発信されたパルス信号
  • ロータリーエンコーダーから発信されたパルス信号

上記を見比べて、もし相違がありそうであれば

サーボアンプは、
位置決めユニットから発信されたパルス信号
と同じになるような補正動作をさせる駆動電流
をサーボモーターに送ります。

 

結論として、サーボアンプは
モーションコントローラーや位置決めユニットから
受け取ったパルス信号通りに動くように

駆動電流を補正してサーボモーターを制御します。

 

これが、
サーボモーターのフィードバック制御となります。

 

 

④まとめ サーボモーターの分解能とは

今まで見てきた通り、
サーボモーターの制御システムは

  • 位置決めユニットの発信パルス
  • ロータリーエンコーダ―のフィードバック

で成り立っています。


そして、
サーボモーターの分解能とはまさしく
ロータリーエンコーダ―の分解なのです。

ということは、ロータリーエンコーダ―の制御限界が
サーボモーターの最小制御角になるんですね。

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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